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第22話:秋の収穫祭とお料理お手伝い! 魔法のピンクスープ大噴火 ◯月◯日(育児日記 152日目)前編

第22話:秋の収穫祭とお料理お手伝い! 魔法のピンクスープ大噴火

◯月◯日(育児日記 152日目)


タイトル:お姉ちゃん指導とスープのお手伝い! 分解酵素30%増量(?)が招いたピンク泡の悲劇。


「……バイオ学者として、そして料理を科学する者として言わせてほしい。化学反応とは時に、理論の枠組みを遥かに超えたドラマを生み出すものである……!!」


丸木小屋の中、私は自らのスライムボディを『特大の青いまな板兼調理台形態』へと変形させ、体内の水分と酵素のバランスを絶妙に調整していた。


育児日記は152日目(生後5か月目突入・前回から4日後)。


秋深まるケットシーの村は、まさに「収穫祭」の真っ只中であった。 村の広場には、近隣の森や畑から収穫された鮮やかな「ポムの実(リンゴに似た甘酸っぱい果実)」や「モグラニンジン」、そしてかぼちゃに似たほくほくの「カボ芋」が山積みにされている。


今日は、その秋の味覚をふんだんに使った特製野菜スープを、お隣のメイラさんの家でみんなで作る日なのだ。


「あぅーっ! アマチもお手伝いする! おねえちゃんだから!」


生後152日(生後5か月)を迎えた愛娘・アマチ(天智)は、やる気満々で腕まくり(※長袖の服をまくる仕草)をしていた。 首も腰も据わり、つかまり立ちから「よちよち……」と二、三歩なら自力で歩けるようになったアマチ。頭頂部の「髪の毛猫耳」が、気合十分にピコンッ!と立ち上がっている。


「にゃ〜♪ 天山さん、子どもたちに野菜の洗いや切り分けのお手伝いをしてもらいましょうね」


母猫メイラさん(Lv.42)が、大きな木鍋をかまどにかけながら優しく微笑んだ。


「はいっ! メイラさん! 我が愛娘アマチの『手先の器用さ(DEX)』は、最近のステータス測定でも著しい伸びを見せております! お手伝いを通じて、さらなる社会性を育みたいと思います!」


私は視界に浮かぶステータススクリーンをチラリと見た。


ピコン!


【名前】 アマチ 【レベル】 Lv.5(着実に成長中!) 【お姉ちゃん意欲】 120%(張り切りモード) 【手先の器用さ(DEX)】 18(お玉を握れるようになった!)


「よし! アマチ、まずは野菜を綺麗にお水で洗うことから始めようか!」


「あぅ! はいっ! クララちゃん! ナララちゃん! ミララちゃん! あつまるニャ!」


アマチが「ポンポンッ!」と小さなお手手で私のスライム調理台を叩くと、1歳を迎えた三つ子たち(クララ、ナララ、ミララ)が集まってきた。


「アマチお姉ちゃん、なにやるニャ?」「美味しいの作るニャ?」「お手伝いニャ!」


「あぅ! 野菜、あらうの! クララちゃんはカボ芋! ナララちゃんはニンジン! ミララちゃんはポムの実!」


なんと、アマチが手際よく三つ子たちに役割分担(指示)を出したのだ!


「す、すごいにゃ……! アマチちゃん、すっかり三つ子たちの『隊長』だニャ……!」


手伝いに来ていたルークが感心したように目を丸くする。


「あはっ! アマチ、おねえ隊長! みんな、ゴシゴシだよーっ!」


アマチの指導のもと、三つ子たちは私のスライムボディの上に張られた「特製温水プール(お洗濯モード)」の中で、野菜を前足でゴシゴシと洗い始めた。


「みゅ〜♪(綺麗になったニャ!)」「モグラニンジン、かじりたいニャ……」「ポムの実ピカピカニャ!」


アマチは三つ子たちの頭を「なでなで」と撫で回しながら、「うんうん、みんな偉いねぇ!」とお姉ちゃん風を吹かせて大ご満悦である。


◇


ここまでは、実に微笑ましく完璧な「食育&お手伝い風景」であった。


問題は、洗った野菜を細かく潰して鍋に投入する、最後の「スープ仕上げ作業」で発生した。


「よし、柔らかく茹で上がったカボ芋とポムの実を、木のお玉でペースト状に潰していこうね」


メイラさんが、小さな木のお玉をアマチに手渡した。


「あぅ! ペースト! ペーストつくるーっ!」


アマチは目を輝かせ、両手でぎゅっと木のお玉を握りしめた。


生後5か月のアマチにとって、茹で上がったカボ芋を潰す作業は「粘土遊び」のように楽しくてたまらない。


グイッ、グイッ!


「あはっ! つぶれた! ほくほく、つぶれたよーっ!」


「すごいニャアマチ!」「上手ニャ!」「美味しそうだニャ!」


三つ子たちが鍋の周りに身を乗り出し、「みゅ〜みゅ〜」と歓声をあげる。


褒められて調子に乗ったアマチの「お姉ちゃん魂」に、激しく火がついた!


「もっと! もっとサラサラにするの! ポムのペースト、スープに入れるーっ!」


アマチは力を込め、お玉を力一杯に振り下ろした。


しかし——力みすぎたアマチの脚が、床の上で「ツルッ!」と滑ってしまったのだ!


「あぅっ!???」


「アマチ危険っ!?」


バランスを崩したアマチの身体が、かまどの横に座っていた私(スライム調理台)へとダイブ!


どすんっ!!


「ぶはぁぁぁっ!?」


アマチの小さな膝蹴りが、私のスライムボディの腹部(消化酵素タンク)をダイレクトに直撃した!


その激しい物理衝撃によって、私の体内に蓄えられていた『高濃度・生体分解酵素(※普段は果物の消化やペースト化に使う安全な酵素)』が、あろうことか体表から「ポトンッ!」と大量に噴出してしまったのだ!


ポトン、ポトン、ドバッ!!



「な……なにぃぃぃぃっ!??? 私の分解酵素30%増量パックが、鍋の中に直接落下しただとーーーっ!?」



「天山さん、それヤバいんじゃないのかニャーッ!?」


ルークが叫んだ瞬間!


鍋の中で、茹で上がったポムの実の果汁(糖分)と、カボ芋の澱粉(アミロース)、そして私の高濃度分解酵素が、かまどの熱によって「超急速バイオ発酵&熱化学反応」を引き起こした!


ジュワァァァァァァァッッッ!!!!!


「あ……あぅ……? 鍋、あかい……?」


アマチが目を丸くした。


鍋の中でグツグツと煮込まれていた野菜スープが、瞬く間に美しい「鮮やかな甘いピンク色」へと変色!


さらに、分解酵素によって発生した無数の超微細炭酸ガスが、爆発的な泡立ちを起こし始めたのだ!


ブクブクブク……ブクブクブクブクッ!!!!


「あ……あかん! バイオ化学反応による過剰発泡だぁぁぁぁっ! 全員避難——」


ポコォォォォォンッッッ!!!!!!


「「「「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!???」」」」


大噴火!!!


鍋の中から、甘〜いポムとカボ芋の香りを漂わせた「ピンク色のモチモチ泡」が、まるでマグマのようにドカンと噴き出したのだ!

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