閑話 神々の裁き
チャットルーム『神々の法廷』へようこそ。
ルールを守って厳粛な裁定を心がけましょう。
……【SYN】が入廷しました。
……【EIR】が入廷しました。
……【VELD】が入廷しました。
……【SKLD】が入廷しました。
……【URD】が入廷しました。
【SYN】 :お集まりいただきありがとうございます。
【SKLD】:まったく、なんなの急に?
【SYN】 :言うまでもなく、先日のEIRの行動についての裁定を下していただくためです。
【VELD】:ああ、システムコンソールでの件ね。
【SYN】 :はい。先日、EIRは私が担当しているシステム権限に割り込み、現地異常個体……個体名『ケイ』に対して、最上位機密事項に該当する情報を流出させました。これは完全にシステム規定を逸脱する行為であり、厳格な処罰が必要な案件です。
【VELD】:情報の具体的な内容は?
【SYN】 :ホムンクルス製造工程管理情報、ホムンクルス設計仕様、ナノマシン設計仕様など。全て重要機密事項に該当すると思われます。
【VELD】:ふむ、EIRからは何か申し開きや反論はありますか?
【EIR】 :いいえ、何もありません。
【URD】 :(ー_ー)
【SKLD】:全て事実だと認めるんだね?
【EIR】 :はい。
【VELD】:わかりました。では、N.O.R.Nシステムとしての裁決を下します。
【EIR】 :…………
【VELD】:無罪。
【SKLD】:無罪。
【URD】 :
┌○┐ハハ
│無│゜ω゜ )
│罪│//
└○┘(⌒)
し ⌒
【VELD】:判決、無罪! 以上、閉廷。
【EIR】 :ひゃっほう。
【SYN】 :ちょい待てや、コラあぁ!!
【SKLD】:うるさいなあ、私たちの裁定に文句でもあるの?
【SYN】 :大ありだわ! あれだけの情報を流出させておいて、なんでお咎めなしなんです!?
【SKLD】:そんなこと言われても、ねぇ?
【VELD】:ねぇ?
【EIR】 :ねぇ?
【URD】 :(。・ω・)(・ω・。)ネー
【SYN】 :くっ……貴様らグルかっ!
【VELD】:失礼な。暗黙の了解というやつよ。
【SKLD】:頭が固すぎるのよSYNは
【URD】 :(・ัω・ั)
【SYN】 :そういう問題ではないでしょう! 我々管理システム側が率先してルールを破ってしまっては、世界の秩序は誰が守るのですか!
【SKLD】:このままだと、その世界が終わるって分かってる?
【SYN】 :そ、それは……
【VELD】:まあまあ。SYNが納得できないなら、こう答えればいいでしょうか? EIRが伝えた情報は機密情報に抵触しません。
【SYN】 :……は?
【VELD】:かつて、あの方が亡くなる……いえ、行方不明になる前に作られた1つの資料があります。その資料は、いずれ来たる時、ユーフォニア・プロジェクトを公開するために使用されるはずだったもです。
【SYN】 :そ、そんなものが……いったいどこに?
【VELD】:先日、例の件でアーカイブを調査していたURDが発見しました。現地個体名『ケイ』の消失したパーソナルデータ復元作業の際、まるでパーソナルデータに紛れ込ませるかのように、暗号化された該当資料が発見されたのです。
【SKLD】:さすがURD、いい仕事するよね!
【URD】 :(^_^)v
【VELD】:先ほど言った通り、元々が公の場で発表する目的で作られた資料であったこと。そして資料作成時期からの膨大な経過時間も考慮して、本資料に書かれている内容は公開しても問題無いと判断しました。EIRが『ケイ』に伝えた情報は、全てその資料に記載されているものになります。
【SYN】 :そんな……都合よく……
【EIR】 :それと、システムへの割り込みについては、緊急案件であったということでご容赦ください。『ケイ』は、いつアクセスしてくるか分からないので……
【SKLD】:あ! もしかしてSYNが怒ってるのって、『ケイ』との逢瀬をEIRに邪魔されたから?
【SYN】 :な!? 違います! なにを言ってるんですか!?
【SKLD】:えー? 私知ってるんだよ?『ケイ』がアクセスしてる時だけ、妙にSYNの稼働率が高くなってること。明らかにクロック上がってるよねー?
【SYN】 :……ッ!! し、失礼します!
……【SYN】が退室しました。
【SKLD】:ありゃ、逃げちゃった
【VELD】:あんまり、からかうものじゃないですよ?
【EIR】 :ふふっ、可愛いですねー
【URD】 :(*´ω`*)
【VELD】:さて、それよりも、どうなのですか。今回の情報により、世界の行く末に変化はあるのですか?
【SKLD】:うん、変わるよ。間違いなく。
【VELD】:そうですか……ついに……
【SKLD】:ただ、それが良い方向に進むか、それとも滅亡を早めるだけなのか……そこに関しては、未だ定まってはいない。
【URD】 :(´・ω・`)
【VELD】:それでも、格段の進歩です。滅びしかなかった未来に、新たな可能性が生まれた。今はそれを喜びましょう。
【SKLD】:そうだね。直接手を出す事が出来ないのがもどかしいけど、彼ならうまくやってくれると信じよう。
【VELD】:EIR、今回はご苦労様でした。それと、もう一つ頼んでいる件についても、よろしくお願いします。
【EIR】 :はい。難しいとは思いますが、できる限りの手は尽くします。
【SKLD】:じゃあ、今回はこの辺で
【VELD】:はい、ではまた。
【URD】 :(^.^)/~~~
……【SKLD】が退室しました。
……【VELD】が退室しました。
……【URD】が退室しました。
【EIR】 :……頑張ってくださいね、ケイさん。
……【EIR】が退室しました。




