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遺産相続で妹と縁を切った話  作者: 佐藤柊


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8/11

母の入院生活

 妹の恵は、帰省している間病院へ入れない代わりに保険の手続きや介護申請の他、母の仕事をフォローをすることになっていた。母の代わりに顧客から化粧品の注文を受け、発注し、納品し、請求書を出し集金する。だが、それは継続して出来るものではない。恵は兄の陽一と相談の上で、母の化粧品代理店の親会社である販売会社へ業務の委託を依頼することにした。

 そこは、母 芳恵の姉である美智子が社長を務める会社である。美智子は芳恵のように小さな代理店から事業を始め、そこからバブルの波に乗ったこともありメーカーの元売り会社を立ち上げ成功してきた。これまで長い間会社や代理店全体を取り締まり運営してきたが、歳を重ねた今は部長を努める娘の佳純が実質会社を取り仕切っている。


 陽一の店に佳純が訪れ、陽一と恵、佳純の3人が顔を揃えた。

 佳純は陽一よりも年上で60歳近いが、スリムな体系で肌艶も良く、いつも笑顔を絶やさず若々しい。そして常に相手を褒める事を忘れないので、誰からも好感を持たれる陽一の従姉だ。決して自分の感情を人に見せず、笑顔を貼り付けたそれは、女性を相手に商売をする上で身に付けた鎧だ。そんな褒め殺しの佳純を、陽一は営業のプロとして認めていた。

 その佳純が母の業務の殆どを、千恵に依頼してはどうかと提案してきた。


「千恵ちゃんは店長の仕事を手伝ったりしてたからお客さんも知ってるし、安心だと思うの」


店長とは母 芳恵のことである。佳純は物腰の柔らかい言葉と笑顔で陽一に話す。千恵は定職に就いていない為、請け負ってもらえればこちらの都合に合わせて行動してもらえると踏んだ考えだ。だが陽一は始めからこの件に関しては考えを決めていた。


「千恵に頼みたくない。信用できない」


陽一の厳しい表情とストレートな物言いに佳純は面食らったが、笑顔を崩す

ことなく繋いだ。


「でもほら、陽一君も仕事しながら化粧品の仕事まで大変だし、その点千恵ちゃんなら慣れてるし…」


しかし陽一は、佳純の言葉を遮った。


「恵がさ、千恵にいろいろ言われてんのさ。お袋のお客さんに商品出すのに自分の仕入れにして何%よこせとか、売上のいい客を自分によこせとか、後々お袋の仕事を継がせろ、とか」

「えっ?まさか!千恵ちゃん、そんな子じゃないんじゃない?」


佳純は驚いて咄嗟に否定した。何故なら、千恵は離婚する以前に佳純の下で働いていた時期があり、持ち前の明るさとフェイシャルエステを学ぶ等して客からの評判も良かった。それが信用となり、千恵をかばう形になったのだ。


「言われたんだろ?なぁ?」


陽一は隣にいる恵に問いただした。恵は背中を丸めてうつ向きながら弱々しく


「…うん。言われた…」


と答えた。陽一は『ほら見ろ』と言わんばかりに正面の佳純に向き直った。佳純は困ったような表情に引きつった笑顔を貼り付けたまま戸惑っていた。


 その後3人の話し合いで、母の入院中は顧客からの注文の受注と発送は佳純が行い、既に顧客へ納品済みの分は恵が請求書を送付し、陽一が集金をすることに決まった。


 病室では母 芳恵がベッドの上で電話をしていた。

 ベッドの頭部を起こし、足を組んだ姿勢で笑いを交えながら顧客へセールストークをしている姿に、同室の患者達は眉をひそめた。病室は6人部屋で会話は筒抜けだ。窓際のベッドから芳恵の声が響く。


「病室での電話はダメですよ」


会話に夢中になっている芳恵の目の前に看護師が現れた。芳恵は横目で看護師を見ながら電話の相手に丁寧に謝って電話を切った。


「今、お客さんからだったの。私が入院してしまって迷惑かけたからそれでね…」


芳恵は看護師に言い訳をする。


「病室での電話はダメだと何度も言ってますよね?」


看護師が改めて厳しく注意をすると


「ハイ、ハイ。わかりました」


芳恵は薄ら笑いで返事をし、顔を背け口をへの字にした。


 検温、血圧測定、採血、検査。

本格的な治療の前に芳恵は既に飽きていた。態度の大きな女医に口うるさい看護師も気に入らない。それに引き換え、親戚知人は皆優しくしてくれ、頼み事は何でも快く引き受けてくれる。今までにないそんな心地良い状況を芳恵は楽しんでいた。


「あ、もしもし、佳純ちゃん?色々面倒かけるけどよろしくね。…え?お見舞い?コロナで面会できないの…差し入れ?そんなの悪いわ。でもせっかくだから和菓子でもお願いしようかしら。食事はあまり食べられないの。和菓子ならそうね、食べられそうだわ」


 そんな調子で、芳恵はいろんな人に連絡を取っていた為、陽一が病棟に着替えと洗濯物を交換に行くと、看護師から見たことのないタッパーや菓子を手渡されることがあった。そして


「冷蔵庫も使わず、食べ残しをそのまま溜めて置くので腐ってしまい衛生上困ります。あまりおかずの差し入れはしないように」


と注意される。それなのに芳恵は何度も電話で


「病院食が不味くて食べられない」


と言うので、芳恵の好みを熟知している由希が料理をこしらえ、差し入れしてやるしかなかった。看護師も


「病院の食事が美味しくないようで、食べてもらえず困ってます」


という始末。芳恵は ”甘え” と “おねだり" ですっかり周りを翻弄していた。


 だが、始まった治療は過酷そのものだった。抗がん剤の副作用で嘔吐が止まらない。加えて、放射線治療は骨転移している場所が食道に近く、副作用で食道が火傷を負ったような症状となり、ますます食べ物が喉を通らず飲み込めない。芳恵はいまだかつて経験したことのない苦しみを味わった。そして息子へ電話を掛けて弱音を吐くのである。


「いっそ窓から飛び降りて楽になろうかと…」


 言葉では何度も励ました。だが、他にどうしたら母を本当に励ます事が出来るだろう。考えて思いついたのが介護用品の準備だ。介護ベッドや車椅子を購入し、お風呂に手すりをつけ、それらの写真を撮り母の携帯に画像を送った。


「こうやって退院しても大丈夫なように準備してるよ。だから頑張れ!待ってるからな」


陽一の励ましに、芳恵は介護ベットのマットレスが自動で動く動画を見て、面白そうに笑った。


 ” 1 セット1クール”


まず3週間、治療に耐えなければならない。芳恵にとっては耐え難い苦痛ではあったが、息子夫婦が待っていてくれるという希望を胸に耐え続けた。


 芳恵は吐き気を恐れ、あまりにも食事を摂ることを拒むため、点滴が外せない状態だった。そこで、医師は栄養士を芳恵のもとに派遣した。

 栄養士は自分で食べる事の大切さを解き、何でもいいから口にするよう促した。そして病院食以外に食べられそうな物を提供することを約束し、芳恵が自分で食べられそうだと思うものを聞いてみた。


「んー…、メロンだったら食べれるかも。あと、アイスとか?さっぱりした… "ガリガリ君" なんかいいかしら」


そして、その後本当にメロンやアイスが芳恵だけに提供されたのだった。


 後日、そのやり取りは担当看護師から、差し入れに "ガリガリ君" を要求された陽一の耳に入った。母の好物がメロンであることを知っている陽一は、自分の母親に呆れて言葉を失った。


 9月下旬、芳恵の退院が検討されるようになる。だが、陽一は看護師から、


「本来、1ヶ月以上入院できないんです。こちらで出来る治療は終わってるのですが、食事を取ってくれない為に点滴が外せなくて退院させられないんです」


と、病院側が困惑してる様子を訴えられていた。陽一は昔から母のわがままぶりを知る息子として、身を案じながらも情けないやら恥ずかしいやらで看護師に頭を下げるしかなかった。


「お袋のことだから、『これ嫌だ』『あれ嫌だ』『こんなの食べられない』だの言って、自分の好きなのだけ出してもらえるようにわがまま言ってんだろ。ホントに情ねぇ。命かかってんのにハンストかよ、まったく」


陽一の愚痴が増えていた。母が入院してからというもの、何もかもが疎かになってうまく進まない。週に二度三度と、着替えや差し入れを運ぶため往復3時間かけ病院に通い、仕事はというと、ただでさえコロナ禍で客が減っているうえに営業時間も短縮しているというのに、病院に行く都度店は早仕舞い。収入は減る一方で陽一は不安ばかりが募っていた。


 数週間後、”菓子パンが少しずつ食べれるようになった”ということで、退院させる方針が固まった。病院としては厄介払いの為のギリギリの口実だろう。陽一は病院の都合を理解した。


 ところがまたもや退院に足枷がついた。母の介護申請がされていなかったのである。退院についての注意事項や日取りについての話し合いに来院していた陽一と由希は、キョトンとした面持ちで、以前会ったことのある、目の前の介護ケア担当看護師を見つめた。


「前に『介護認定が受けられるので地域の包括支援センターに申請するように』って話しましたよね?それがまだのようなのですが」


看護師の話がまだ理解できない陽一をよそに、由希は驚いた表情になって焦ったように聞く。


「えっ!?手続きされてないんですか!?」

「はい。手続きに病院からの書類も必要となりますし、退院したらすぐに訪問看護も入ってもらわなくちゃいけないので、すぐに包括支援センターに行って欲しいんです」


 顔を引きつらせてる由希の様子を察して陽一は


「わかりました。すぐに連絡して申請するようにします」


と答えた。


 帰りの車中で陽一は由希から話を聞き思い出した。そう、あれはで母の治療方針等の説明を受けた最初の段階の時だった。


同席していた恵が

「私がやります」

と約束していた事だ。


 陽一と由希はがっかりして項垂れた。


「一体あいつは家にいる間何をやってたんだ!」


陽一はイライラしていた。恵は帰省していた間、県外から来たという理由で説明日以来病院を訪ねることが出来なかったため、母のいない実家で一人、保険や介護申請手続きを全部やると言っていた。なのに、一番大事なことをしていなかったのである。昔から妹の要領の悪さは知っていたものの、この落ち度は信じられなかった。


 そんな折、恵から宅配便が届いた。由希が開けてみると、箱の中身は一冊の本だった。

「 "介護まるわかり" …」

「何だった?」

陽一の声に由希は仏頂面で本の表紙を見せ、きつい口調で言った。


「介護本。これでも読んで私達に介護しろって事?中に "まずは包括支援センターへ介護申請を" とかあるんだけど!」


陽一は呆れると同時に腹が立ち、本を受け取ると箱の中に放り投げた。


「だからアイツにとって介護は他人事だって言うんだよ!」


 翌日、陽一は母の暮らす地域にある包括支援センターに電話し、母親の状況を説明した上で、面会のアポイントを取った。

 包括支援センターは地域の大きな介護施設の1階入口付近に間借りした状態で設置されていた。

 正面玄関入口と、包括センター入口の2箇所で手消毒をし中に入ると、包括センターには2人しかスタッフがいなかった。ほとんどのスタッフは訪問介護で出ているらしい。二人は電話で話をしたケアマネジャーに個室へ案内された。 


 ケアマネジャーは丸顔で、わりと体格の良い40代位の女性であった。明るくこちらが話しやすいように配慮してくれる。陽一と由希はケアマネジャーと机を挟んで向き合い、並んでパイプ椅子に腰を掛けた。そして質問に答える形で母の病気の状態や一人暮らしであること、仕事を続けていることなどを話していった。

 ケアマネジャーから、がん患者は介護認定を受けられること、母の様子から見て、要介護2に認定されるだろうということが話された。そして次に、介護保険で割安で受けられる支援についての説明があった。介護認定の度合いによって補助金額が定められており、訪問看護はもちろん、ヘルパーの派遣や介護ベッド、車椅子、お風呂やトイレの手すりのレンタル、施設へのショートステイなどがあった。


「一人暮らしなので、看護付きの施設への入所というのはできないのですか?」


と、陽一が質問をすると、


「治療が必要になる人は入所できないんです。施設は治療目的ではないので。例えば、もともと施設に入所していて、施設で病気になった場合はそのまま施設に居られるんですが、最初から病気の方の入所はダメなんですよ」


ケアマネージャーは困った表情をして見せた。


「え?そうなんですか?」


二人は驚いた。病気を患うタイミングで入所を断られるとは。

 もし、頼れる身内がいない天涯孤独だったら、持病の悪化が理由でどんなに生活が困難になっても施設に入れないのか?高齢者一人で頑張るしかないのか?いろんな疑問が頭を過ぎる。


 陽一は母の面倒を見るつもりではいたものの、病気が悪化し、介護が難しい状況になった時、母を施設に任せられる制度があることをどこかで期待していた。しかし、今後いかなる状況でも、仕事や生活を犠牲にしながら母の介護をしなくてはならない現実を改めて突きつけられた気がした。それは一体どのぐらいの期間なのだろう。介護の終わりは母の死を意味する。家族が口に出して良いことではないが、きっと苦しくなるに違いない。


 そして、母の退院に合わせて関係者が集い、本人を交えて必要な看護や介護の打ち合わせをすることを承諾し、二人は包括支援センターを後にした。 


 それにしても、恵は何故約束した介護申請を怠ったのか。申請していれば自分でわざわざ介護用品を買い揃えることなど必要なかったのではないか。


 いよいよ退院の日。陽一は店を急いで閉め、母の入院している国立総合病院へと向かった。病院に着くと、購入したばかりの真新しい車椅子を押しながら由希と共にエレベーターに乗った。車椅子のシートは母の好きな赤にした。少しでも喜んで欲しいという気持ちの表れであった。


 病棟入口でインターホンを押して名乗ると、

「ハーイ。お待ち下さい」

と、看護師の明るい声がした。少し待つと、看護師に車椅子を押された母がにこやかに近づいて来た。

 荷物を受け取ると、その場で看護師から話を聞くことになった。近くにあるソファに促され、母と由希は並んで座った。由希は鞄からペンとノートを取り出し、メモを取る準備をした。


「薬なんですけど、今服用してる薬は体に合う薬を見つけるために色々な薬を試して、やっと合うのが見つかった薬です。それまで試した薬がこんなにあるんですが…」


看護師はそう言って、ビニール袋にパンパンに入った沢山のカプセル薬や錠剤を見せた。母はポカンと見ていたが、由希は少し驚いていた。そして看護師から次に何を言われるのか構えた。


「これらの薬、買ってもらった形なんで持ち帰って貰ってもいいんですが、使えなし、かと言って返されても一度手を付けた薬は他の患者さんに使えないので破棄することになりますが、一応買って貰った物なので…どうしますか?」


由希は看護師の話をすぐに理解した。母の体に適合する薬を探すのに、これだけの無駄な薬剤費がかかったということか。

 返事はほぼ決まっているものの、由希は陽一の承諾を得る為に見上げた。

「捨ててもらっていい」

陽一の言葉で、病院で薬の廃棄をお願いした。


 続いて、看護師は退院後の生活についての話を始めた。

「芳恵さん、放射線治療をしたので、骨が脆くなって骨折しやすくなっています。くれぐれも転んだりしないように注意して下さい」

由希はメモを取りながら

「わかりました」

と答えた。


 それから、今後の通院による治療が居住地域の県立高度医療センターになることと1回目の予約日等が告げられた。

「何か聞いておきたいこと、他にありますか?」

看護師の問に由希は


「食べていいもの、ダメなものってありますか?」


と質問した。看護師は首を左右に大きく振りながら


「無いです。何食べてもいいです。なんでもいいので食べてください」

と、力強く言った。


「お義母さん、何でもいいって。お義母さんの好きな栄養ドリンクも飲めるよ!」

由希はそう言って母の肩をポンと叩きながら笑いかけた。母は嬉しそうに微笑んだ。


 三人は看護師にこれまでのお礼を言い、1階へ降りた。

 およそ2ヶ月近く入院していた入院費の支払いがある。母は自分のバッグから通帳と印鑑を出したので、由希は

「お父さんが払っておくから、後でね」

と言い、通帳と印鑑を仕舞わせた。

 会計を終えた陽一は、驚いた顔をしながら由希に話しかけた。


「2ヶ月近くか?入院してたのに19万だって。すげぇ安い…なんか間違ってないかな?」


陽一が由希に明細書を見せた。


「凄いね高齢者の1割負担って。そういうことでしょ?抗がん剤も放射線もしたのに」


由希の言葉に陽一は難しい顔をしながら

「そういうことか…」

と納得した。


 既に外は夕闇に包まれていた。それでも車の中の三人は母の治療を一先ず終えたこと、命を繋いで退院できたことに安堵して会話は弾んでいた。 町中を抜け、田舎道に入ると、次第に夜の闇が辺りを覆い出した。時計の針は5時半を指している。

「何か途中で食べて行くか?」

陽一が問いかけた。だが退院したばかりの母は、まだ食事を飲み込むのに難儀している状態だ。しかも痩せて肌の色は土褐色のように生気のない姿になっている。由希と母は陽一の提案に渋った。すると母が


「カップラーメンでいいよ。ほら、カップ焼きそば美味しいから。わかめスープも付いてるし」


と言い出した。陽一と由希はビックリして母を見た。


 二人が知る母は決して『カップ麺が食べたい』などという人ではない。一緒に暮らしていた頃は、『カップ麺なんか食べられない』、『お腹を壊すから好きじゃない』と言って、いつも由希に食事の用意をさせていたのだ。陽一は、母が一人で暮らしている間の食生活の変貌に驚きを隠せなかった。


「退院したばかりでカップラーメンなんか体に悪いに決まってんだろ!焼きそばが食べたいなら前みたいに由希が作ってやるから!な?できるよな?」


そう言って陽一は由希に同意を求めた。


「家の冷蔵庫に焼きそばあったと思う。キャベツと豚肉しかないけどそれでもいい?」


由希がそう答えると陽一は頷いた。由希も陽一同様、今の母にカップ麺など食べさせるわけにはいかない、と同じ思いだったが、昔、もやしが入ってない焼きそばに小言を言われた記憶があり、少し不安だった。

 陽一の家で食事を取っても良かったが、母を無理に動かすことに躊躇した。何より一時も早く自分の家に帰りたいだろうと母を慮った。

 

 我が家に足を踏み入れた母は、安堵と嬉しさが弾けた。入院中からずっと握っていた杖を放し、自分の両足でスタスタ歩き出す姿は陽一と由希を驚かせた。

「全部付けて明るくするわ」

満面の笑みで家中の電気をつけて回る母の姿はまるで子供の様で、我が家に帰還した喜びを全身で表していた。


 そしていつもの自分の定位置に座り、由希の作った焼きそばを美味しそうに頬張るのであった。







 



 



 






 




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