Chapter5 エルウィン
《我を呼ぶのは、誰だ?》
邪神竜はガディスに問うた。
「神よ! 我貧しき者を虐げる、階級社会の崩壊を!」
《それが、お前の望みか? つまらんな。
それより、この子供はなんだ? 不思議な力を感じる》
アドリアナと、エルウィンは、正気のない瞳で祭壇に佇んでいる。
「どちらでしょうか?」
《男の方だ。喝!》
エルウィンと、ついでにリアナが正気を取り戻す。
「あれ? ここはどこ?」
「あ!」
二人は、目を輝かせた。
『ドラゴンさんだ!』
「リアナ! エル! 無事か⁈」
崖を破壊する勢いで、やってきたアグナードは見た。
エルウィンが、ブラックドラゴン(?)の背に乗っている。
「あはは! 楽しいよ、ドラゴンさん」
「⁈ エルが、ドラゴン手懐けてる???」
「あ! パパ。何しにきたの?
もう、エルくんが、ドラゴンさんを味方しちゃったよ?
も〜う、遅いんだから! ママは?」
「遅い? 味方?」
「ママは!」
「ママはお仕事です……はい」
「そっか……。それにしても、エルくんかっこいー!」
「なんだと⁈ パパの方がかっこいいぞ!」
「どこがー? 平のFなのに」
「とにかく、親玉はどいつだ?」
「あのおじちゃん」
「ほ〜お」
鋭い眼差しでガディスを睨むアグナード。
「アグナードさん、殺しちゃダメっスよ!」
「法の裁きを受けさせまましょう」
アインとエスプリが慌てる。
「よ〜〜く〜〜も、俺の大事な娘を危険な目に遭わせたな!」
寒気を覚えたガディスが、後退りらがら言う。
「邪神竜様! お助けを!」
しかし、邪神竜は、エルウィンと遊んでいる。
「ご、ご慈悲を!」
「観念するんだな! 一発だけ、殴らせろ!」
詰め寄るアグナード。
「こ、こうなったら」
錫杖を鳴らすガディス。
「邪神竜よ、我が幻術に縛られよ! イリュージョン・ストリーム!」
《ム……》
邪神竜が暴れる。
エルウィンが落下するも、受け身を取る。剣術は習っていた。
「ドラゴンさんをいじめないで!」
《大丈夫だ、相変わらず、優しいな。
精霊神の生まれ変わりよ》
「精霊神?」
エルウィンが不思議そうに呟く。
「──とりあえず」
アグナードが動いた。
「寝てな!」
ガディスがぶっ飛んで、鼻血を出した。




