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遅くなりました。
しばらくの間はテストがなくて物凄く平和だ。
そんなわけで、習い事もやってなくて暇人である私は、キャラメルの散歩中に出会ってしまったのだ。
天使に!
思わず2度見したよね。
そしたら、普通の人間だったけど、やっぱりオーラ?が天使!
いや、別に私の頭がおかしくなってしまったわけじゃないんだよ。
と、誰も聞いていないのに、言い訳をしてみる。
次の日に雫ちゃんに話をしたら、
「あー。筑紫優希さんじゃない? 」
え? 私、公園で犬と遊んでいる天使を見たとしか言ってないんだけど……。
時々、この子が怖い。
「えー。麗華ちゃん知らないの? めちゃくちゃ有名だよ。
この学園の天使、筑紫優希さん。」
え? 知らない。
「本当に、興味があることしか耳に入ってないんだね。」
と、若干諦められながら、
教えてくれた。なんでも、この学園の高等部の生徒会の会長なんだって。
私たちの学園は、高校生の生徒会の人達が物凄くアイドル的な扱いを受けていて、学園中の人達からキャーキャー言われている。
特に特別な生徒会の仕事があるわけではない。
高校生って、中学校よりも自主性を重んじられ、大学生よりも、学校からのそこそこ強制力があり生徒会が主催でいろいろやることが多くて、もともと注目されやすかったんだけど、それだけじゃない。
途中からこの学園で高校生の時に、生徒会に入れたら夢が叶うっていうジンクスが出来て、、、
もう、本当にカリスマ性がある人しか入れなくなってから、アイドル的な扱いをされるようになったという逸話があるんだ。
願いが叶うって言ったら、
わたし、高校生になって生徒会入れば、家から追い出されないんじゃない??
「私筑紫優希さんと、仲良くなりたい。」
と言ったら、とりあえず、
「前、散歩に行ったところにずっと通っていたら、あっちから話しかけてもらえるかもよ。」
という有難いアドバイスを頂いたので、頑張って毎日通おう。
全然、ストーカーとかじゃないんだから。
きっと筑紫優希さんも、こんなに可愛い私をみたら、声をかけずに居られないと思うの。
あっちから声をかけさせてら私のもんよ。
六車麗華。頑張ります。




