17
眠れない。物凄く眠れない。
原因はわかり切っている。
お昼の保健室でのお昼寝タイムだ。
なんなんだろうね。保健室ってなんであんなにぐっすりと眠れるかなー。
起きた時には、もう既に授業間全部終わってしまっていた。
急いで帰ろうって思ったけれど、海人くんが迎えに来てくれていた。
学校の保健室で目が覚めたらイケメンがいるなんて……。
贅沢すぎる。
まぁ、私も凄い美少女だけどね。
そんなこんなでものすごく寝たから、ほんとうに夜に寝れなくなったんだ。
とか言ってるうちに寝れそう。
あー、夢と現実の狭間に居る感じがするー。
麗華ちゃん。わたし達ライバルとしてこれから切磋琢磨して行こうね。
いやだ。なんであんたなんかと。育ちが違いすぎるのに。
麗華ちゃん。お前がそんなことするなんて、見損なったぞ。
うるさい。私はまだあんなやつなんか認めてない。
麗華お嬢様。私はあなたにはもうお仕えすることは出来ません。
なんで。ずっと私と一緒にいてくれていたじゃん。
麗華ちゃん。私の大切なものを奪わないで。
私の大切なものは全部奪っていったくせに。自分のものを奪われた時だけ被害者ヅラしないでよ。
あんたもう辞めたら?
私はもう辞めれない。辞めたら私の居場所が本当になくなるじゃん。
麗華。君は次の六車家の跡継ぎになんてことをしたんだ。
だって本当の跡継ぎは私でしょ。なんであんなやつが跡継ぎになってるの。私がずっと跡継ぎって言ってたじゃん。
麗華。君をもうこの家に置いていけない。出ていけ!
そんなこと言うなんて。いいわ! 出ていく。止めたって遅いんだから。
こんな簡単なことも出来ないのかい! もうお前はクビだ。
だって私は六車家の跡継ぎとして育てられたんだもん。そんなこと出来るわけないでしょ。
あの人。お嬢様だったって言ってたよー。
本当のお嬢さまはこんなところ居ないでしょ。嘘に決まってる。もう、あの人と話したらだめだよ。
本当なのに。なんで誰も信じてくれないの?
は! 目が覚めてよかった。
こわー!
今見た夢って、ゲームの中の六車麗華のことだよね。
てことは、私の将来起こりそうなこと、だよね?
うわー。嫌すぎる。
普通にこんな夢を見たらもう眠れなくなっちゃうんだけど……。
飲み物飲みに行こう。




