大掃除は段取りと要領。
「明後日、大晦日じゃん。」朋ちゃんにリンダ。そして、なぜだか岸田と中岡がいる。「クラスの皆で、初詣行かね?」岸田と中岡は、リンダと朋ちゃんを交互に見て、提案した。「あーし、ちょっと厳しい。」「俺も、明日には実家帰るしなぁ。」「「えぇー。」」あからさまにガッカリと肩を落とす二人。「杉本さんは?」岸田がチラリと、媚びるように見てきたが。「先約有り。」ピシャリと断る。「なんだ?うちのクラス、そんなに仲良かったか?」リンダは、うどんをすすりながら聞いた。
お馴染みの商業施設のフードコートだ。冬休みとあって、子連れや学生が多い。岸田と中岡とは、ここでうっかりばったり鉢合わせてしまい、今にいたる。リンダの腹の虫のせいだ。
「まぁ、全員が仲良しってワケじゃねえけどさぁ。」中岡が朋ちゃんのポテトに手を伸ばして、容赦なく叩き落とされる。「っ!ケチっ!」「自分で買いな。」ふんっ!とそっぽを向かれ、中岡はむくれた顔で話を進める。「二年になる時、クラス替えあんじゃん。」「そん時に、孤立しないようにさぁ。ある程度、仲良くしときたいのよ。」岸田が補足する。前回の文化祭のおり、そこそこに一致団結し、関わりを新たに持つ事も増え、誰かが孤立や虐めにあうといった事はなかった。付かず離れずの仲だ。そして、そういった間柄は容易く切れるのもしかり。
「他のクラスにも陸部の奴、いるよね?なんで心配いるん?」全く誰一人として知っている生徒がいない。なんて事は万に一つもない。ましてや部活に入っていれば尚更だ。ちなみに陸上部は、我が校上げての肝いり部なだけあって人数も多い。リンダも、砲丸投げで推薦入学し、最近はやり投げや円盤投げもやり始めたのだとか。その為、ますますでかくなってきている。
「あんた達、最近サボり気味だもんね。」陸部マネの朋ちゃん、ニヤリと笑っている。「…やっぱ三年がなぁ。」二人は難しい顔をして俯く。以前も悩んでいた事だが、謹慎していた三年が復活した。といっても、時期的に引退なのだが『社会人や、進学先でも陸上を続けたい。』といった人達が練習にくるのだと言う。「あの人達居てっと、俺ら身の置き場がねぇもん。」「けど、問題起こしたのは三年全員じゃないんだろ?」リンダが質問する。種目が違うからか、あまり興味がないようで詳しく知らないようだ。「たしか、リレー選手で、箱根も期待できるって人だったよな?」暴力事件がなければ、駅伝強豪校からスカウトが来ていてもおかしくない。そんな人だったらしい。「その人は?来てんの?」ホットのペットボトルの紅茶を飲みながらきいてみる。「…来てるけど、周りも触らぬ神に、で遠巻きにみてる。」ほんと、迷惑だよ。と、岸田は口の中でぼやく。
「いっその事、正月の混合駅伝の勝利を願って、部員達で行けば?」「絶対やだ!」「マジ無理!」二人は苦虫を噛んだ顔で早口で答えた。「まぁ、人の事が気になってる場合じゃないわね。あんた達は部活だけじゃなく、勉強も頑張らなきゃならないんだから。」「三学期は学年末だけだからね。冬休みにしっかり予習復習しなきゃな。」朋ちゃんと自分に、忘れていた事を思い出させられて、二人は頭を抱える。「「リンダあんたもだよ!」」「!ぐっ?」我関せずと、最後のうどんをすすっていたリンダは「っぐぅ。鼻にっ!入っだ!」ゴホゴホとむせている。おい~。汚ねぇなぁ。と中岡と岸田が笑う。そいつらを他所に、朋ちゃんと目で会話する。『こいつら、いつまでいるんだろう。』
バイトの為、自分と朋ちゃんは途中離脱した。「実家まで、気をつけて帰んなよ。」「また、来年な。」手を振って、男子三人と別れた。あれから、何故かあの二人は一緒に行動し、最後までいてた。
「あーし、予定外の人と会うのちょっと苦手なんだよね。」駅に向かう朋ちゃんと途中まで一緒だ。「この人達と遊ぶなら、こういう事しよう。って考えてた事が全部ひっくり返っちゃうじゃん?それが嫌なんだよねぇ。」「あー、解るかも。腹割って話せないしね。」「あら♪あーしとリンダには気を許してくれてるのね♪」片眉を上げてニヤリと笑う朋ちゃん。「だって、朋ちゃん、裏表ないっしょ?」「幸ちゃん…。」「常に裏でしょ。」「杉本ぉっ!」走って逃げた。
「明日休みって、友達とどっか行くの?」じんさんが、揚げだし豆腐を作りながら話し始めた。休みを願いでたのは昨日。“ぷいぷい”のグループLINEで確認し、許可を貰っていた。その時には、理由を伝えてなかった。(みっちゃんの旧友の結婚御披露目会が催され、まともにやり取り出来なかった。)「ちょっと、デートっす。」昨日のゴミを片付けながら言う。「あら、デート…。え、デート…?はぁ?デート!?」皿を洗っていたたくやさんは、危うく皿を落としかけながら、三段活用を披露。「なっ!えっ?誰とっ?!」前のめりで質問される。「…落ち着いて聞いて下さいっす。」なんで、あんたが取り乱すんだ。




