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ごめん、うちのちびモンスターがパニック中(だから世話をしなきゃ)  作者: HASNA


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プライドの防衛戦

読者の皆様、お久しぶりです。作者です。前回の更新から約一ヶ月近くお時間をいただいてしまい、誠に申し訳ありませんでした。


そんな中でも、作品を覗きにきてくださった方や、更新を待っていてくださった皆様には本当に感謝しかありません。


ここからまたルカたちの物語をしっかりと紡いでいきますので、お付き合いいただけますと幸いです。久々の更新となりますが、最新話をお楽しみください!

「ここでくたばれ、ゼンラ……。現実世界のお前の体を空っぽにして、俺がもう一度目覚め、クルーエルを地獄へ迎えに行ってやるんだよ! ハハハハ!」バスカラは掴んだ手を微塵も緩めようとはしなかった。


勝利を確信したサイコパスのような歪んだ笑みを浮かべ、首を絞められたままのルカを引きずりながら、灰色の霧を切り裂いて進む。その虚無たる白い世界が突如としてうねり、周囲の景色が荒々しく歪み始めた。辺りの風景が完全に変貌していく。


灰色の霧が崩れ落ち、代わりに現れたのは、かつてゼンラが住んでいた古いアパートの廊下だった――それは、ルカがバスカラとして第二の人生に転生する前の、前世の記憶。


バスカラはゼンラことルカを容赦なくその場所へと突き飛ばし、狭くて、息苦しくて、散らかり放題だったアパートの部屋前の廊下に叩きつけた。ルカは、見覚えのあるタイルの床の上で、赤く腫れ上がった首を押さえながら激しく咳き込んだ。


まだ完全に意識を取り戻しきれていないというのに、突如として全身の毛が逆立つ。顔を上げた瞬間、途方もない最悪の気配を察知した。まさにその時、かつて彼の命を奪ったあの「恥ずべき事件」が、まさにその時、かつて彼の命を奪ったあの「恥ずべき事件」が、まるで生々しく再現されるかのように繰り返されようとしていた。


アパートの上階から、濡れた洗濯物がびっしり干された鉄製の物干し竿――その中には、隣人のピンクの下着も含まれている――が、突如としてバキリと折れ、凄まじい速度でルカの頭をめがけて真っ逆さまに落ちてきたのだ。


彼のすべての転生の運命の始まりとなった、あの「マ抜けな死に様」が、壊れたテープのように目の前で再び再生される。ルカはその場に凍りついた。過去の記憶のシステムに縛り付けられたかのように、体が急に硬直して動かない。


死の物干し竿は、あと数センチで彼の端正な顔を直撃するところまで迫っていた。


「笑わせるぜ……。隣人のパンツのせいでマ抜けに死んだくせに、異世界じゃいっちょ前に、クルーエルの心を救うヒーロー気取りかよ」バスカラは腹を抱えて大爆笑しながら、ゼンラのあの常軌を逸した死の歴史を嘲笑った。


「ここで全く同じように死ね! お前の歴史を書き換えさせやしねえ!」


その、前世のあまりにも恥ずかしい死に様に対する超一級の皮肉を聞いた瞬間、ルカの意識は完全に覚醒した。彼の本来の破天荒な魂と理性が、プライドという名の宇宙的エネルギーに火をつけられたのだ。


バスカラが言ったラファへの恐怖や揺さぶりなど一瞬で消え去り、代わりに、隣人のパンツのせいで二度もプライドをズタズタにされたゼンラとしての怒りが爆発した。死ぬのが怖いわけじゃない。


ただ、自分の悪夢の中で、全く同じ理由で同じ悲劇を繰り返すことだけは、何が何でも御免だった。


「おい、クソバスカラ!」ルカは鋭く一喝した。その瞳が鋭く光る。予測不能な一瞬の動きで、ルカは夢の精神拘束を打ち破ると、鮮やかに横へと転がった。直後、死の物干し竿と濡れた洗濯物たちがタイルの床に激突し、凄まじい音を立てて粉々に砕け散る。


ガシャーン! バリバリッ!


ルカは立ち上がり、超不機嫌で、冷ややかで、地方予選なら圧勝できるレベルのド毒舌な表情を浮かべながら、体についた埃を払った。


「ラファの悪魔の力を使って俺を揺さぶるのは勝手だ!だがな、隣人のパンツまで引っ張り出して俺をもう一度殺そうなんて……悪かったな、俺の芸人メンタルは、お前のくだらねえ呪毒なんかより遥かに頑丈なんだよ、このクソ野郎が!」


ルカはバスカラの嘲笑を最後まで言わせはしなかった。現代世界で元・万年フリーター(独身)だったゼンラとしてのプライドが、完全に火を吹いていた。崩壊したアパートの物干し竿の前に仁王立ちし、腰に手を当てたルカは、すぐさま一歩前へ踏み出す。


バスカラのパーソナルスペースを強引に侵略し、破天荒な口喧嘩を仕掛けた。彼は得意の「お説教(マシンガントーク)」の才能を遺憾なく発揮し、さっきまで濃厚だったホラーな空気を、一瞬にして不条理で頭の痛くなるようなピン芸人のステージへと変貌させていく。


「おい、よく聞けよ、このカラ(唐揚げ)野郎!」


ルカは猛烈な勢いでバスカラの鼻先を指差した。指が近すぎて、バスカラの目が思わず寄り目になるほどだ。


「俺の死に様をバカにするのは結構だ!だがな、隣人のパンツに潰されて死ぬってのはな、どんでん返しに満ちた美学ある死に方なんだよ!少なくとも俺の死は、物干し竿を頑丈に設置することの重要性を社会に啓発したんだ!それに比べてお前はどうだ!?」


バスカラは呆然と口を開けた。さっきまで不気味だったサイコパスな表情が、一瞬で引き攣る。彼の放つ漆黒のオーラが、困惑のあまり微かにひび割れた。


「だ、だが、マ抜けな死に方なのは変わりねえ――」


「黙れ、この美的お荷物が!俺の説教はまだ終わってねえんだよ!」ルカは電光石火の速さで言葉を遮った。何の前触れもなく、ルカは床に転がっていたアパートの物干し竿の破片を拾い上げた。過去の怨み骨髄といった破天荒なモーションで、その鉄パイプを思い切り振り下ろし


――バチンッ!


物干し竿はバスカラのケツに綺麗にクリーンヒットし、彼は 飛び上がって驚いた。


「オーラだけは古代の化け物並みのくせに、やってることは生涯契約のラスボス見習いレベルなんだよ!」ルカはさらに捲し立てた。息は上がっているが、その瞳は満足感でギラギラと輝いている。


パンツのせいで二度も恥をかくことを断固拒否するゼンラの精神力は、アマラの忌まわしい呪毒よりも遥かに強大だったのだ。バスカラは奥歯を噛み締め、地の底まで失墜しかけた悪魔としての威厳を取り戻そうとした。


その体から立ち上るオーラが、怒りで激しく揺らめく。


「俺はこの運命の正当な所有者だ。そしてクルーエルは――」


「その口を閉じろ、このヤギ野郎!」ルカが再び叫ぶ。今度は、物干し竿の残骸から拾い上げた、びしょ濡れのピンクのパンツを、バスカラの顔面めがけて正確に投げつけた。


べちゃり!


濡れた洗濯物がバスカラの凶悪な顔面に完璧に張り付き、その脅迫の言葉を瞬時に塞ぎ込んだ。


「お前がクズ呼ばわりしたクルーエルの名前は、今はラファだ!言っとくがな、過去にお前がやってた実の弟を痛めつける趣味より、アイツの方が何百倍も役に立つんだよ!カッケー悪魔を召喚できるし、体格も良くて、姿勢もシャキッとしてる。そして何より……アイツは俺のことが大好きなんだ!俺が物干し竿に潰されそうになったら、絶対に助けてくれる!」


バスカラは呆然と立ち尽くした。その両目は、目の前の崩壊した物干し竿を硬直したまま見つめ、それからまだ超不機嫌そうに顔をしかめているルカへと視線を移した。さっきまで彼の体を包み込んでいた漆黒のオーラが突如として急激にしぼみ、完全なる虚無へと変わっていく。


彼の崇高なるサイコパスの魂は、今まさに「皮肉とサカズミ(毒舌)」を満載した大型タンクローリーに跡形もなく轢き潰されたかのようだった。


「お前……」バスカラは怒りのあまり震える指でルカを指差した。その声は、あまりの苛立ちからオクターブ跳ね上がっている。


「お前は本当に……俺が今まで出会った中で、一番礼儀のなっていない人間だ、ゼンラ!」「礼儀だと? 寝言は寝て言え!」ルカも負けじと捲し立てる。


「いきなり現れて人の首を絞め、他人のパンツを持ち出し、俺の弟を侮辱しておいて、今さら礼儀を要求するだと? お前、俺をあの世の新歓(しんかん)コンパの幹事か何かと勘違いしてんのか!?」バスカラは突如として襲ってきた頭痛に頭を押さえた。


これが夢の世界であるにもかかわらずだ。彼は重いため息をつき、ルカのあのド毒舌な顔をこれ以上直視する気にもなれず、背を向けた。


「もういい。消えろ。俺の夢から出て行け。疲れた」バスカラは突如として弱々しくなった声でそう告げると、面倒そうに手を振った。


「おい、カラ揚げ野郎!俺をここに引きずり込んだのはお前だろ、この悪霊が!それを今度は追い出す気か!?」ルカが一歩踏み出し、バスカラの髪を掴もうとしたが、前世の少年(バスカラ)は超不機嫌な顔で素早く横へと身をかわした。


「出て行けと言ったら出て行け!」バスカラは絶望的なまでにストレスを溜め込み、その整った顔を神レベルで歪ませて怒鳴った。


しかし、この夢の具現化を完全に霧散させる前に、バスカラは床に散らばったヴィランとしての最期の威厳をかき集めようとした。彼は上体を起こし、氷のように冷徹な眼差しを向けると、わざと低く威圧的なトーンで語りかけた。


「よく聞け、ゼンラ」


「今日のところはお前の口喧嘩の勝ちにしてやる。俺が狂人の相手をする気分じゃないからな。だが、運命は変わらない」バスカラは、アパートの廊下に再びホラーな空気を呼び戻そうと試みた。


「お前の体が気絶するか、眠るか、あるいは命を脅かす危機に瀕するたびに……この灰色の霧は再び開く。俺は現れ、俺たちはここで何度も出会うことになる」本物のバスカラは、不敵で謎めいた薄笑いを浮かべた。


「そして一つ覚えておけ……現実のお前の状況が本当に差し迫り、命が風前の灯火になった時……俺はお前の肉体を力ずくで乗っ取る正当な権利を持つ。だから、俺に体をハッキングされたくなければ、自分の命をせいぜい大事にするんだな」


その脅迫を耳にしても、ルカは恐怖に怯えるどころか、むしろ顔をこれ以上ないほど酸っぱく歪ませ、見るからに嫌悪感丸出しの表情を浮かべた。


「はあ!?何言ってんだ!?願い下げだね!」ルカは破天荒に怒鳴り散らし、再び仁王立ちになって腰に手を当てた。


「おい、聞けよ!俺だってな、お前みたいな奴と二度と会いたくねえんだよ!お前に会うのが当選確率付きの福引きのクーポンだとでも思ってんのか!?ストレスが伝染するわ!俺の睡眠時間に不法侵入すんじゃねえ、俺の睡眠時間は高級なんだよ!俺の体を乗っ取りたいなら、1時間ごとのレンタル料を払いな!この世にタダのものはねえんだよ、このヤギ野郎!」今まさに美しくフェードアウトしようとしていたバスカラは、自分の唾で激しくむせた。


その顔は、爆発しそうな怒りを抑えきれずに再び真っ赤に染まる。


「お前、俺が喜んで毎日お前の面(ツラ)を見てると思ってんのか!?俺だってな、俺たちの魂のシステムがまだ癒着してるから仕方なくやってるんだ、この大バカ者が!俺が喜んでお前のこの爆竹みたいなマシンガントークを聞いてるとでも思ってんのか!?」


バスカラも叫び返した。前世での気品ある学園の王子のイメージなど知ったことか。彼はルカの常軌を逸した狂気によって、精神的に完全に理性を吹き飛ばされていた。


「自覚があるなら上出来だ!だからさっさと墓場に帰れ、俺の人生のプロットを邪魔すんじゃねえ!」ルカはバスカラの顔の目の前で、さらに大きな声で叫び返した。


「うるっせえええ!今すぐここから出て行けえええ!!!」


フッ――!


ルカのマシンガントークにこれ以上耐えきれなくなったバスカラは、怒りのあまり床を強く踏みつけた。彼の精神力が爆発し、ルカの意識を潜在意識から最高速度で強制的に蹴り出す。


古いアパートの景色と、屈辱に耐えかねて苦悶するバスカラの顔が瞬時にかすみ、目をくらませるような白い光の渦の中へと巻き込まれて消えていった。


ゴホッ! ガハッ!



読了ありがとうございました!一ヶ月ぶりの更新でしたが、皆様に楽しんでいただけていたら幸いです。この作品のストーリー展開やキャラクターたちの雰囲気について、皆様がどう感じたかぜひ感想を聞かせてください!


皆様からのご意見や応援コメントが、執筆の大きなモチベーションになります。マイペースな更新ではありますが、これからもお付き合いいただけますと嬉しいです。ブックマークや評価での応援もぜひよろしくお願いいたします!

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