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俺を煎餅か干物にする気か!:灼熱のアスファルトと偽りのオアシス

太陽は昇ったばかりだというのに、その強烈な日差しはすでにガルダ・マンディリ高校の校庭のアスファルトを焼き尽くさんばかりだった。メインの国旗掲揚台の前には、制服を着崩し、ネクタイを右に曲げた一人の少年が立っていた。


そう、彼こそがルカだ。昨夜、ラッファやグザヴィエと一緒に、3本の純金バーを手に入れるために空き家の台所の床を夜通しぶち壊していたルカは、見事に寝坊した。朝食を食べる暇さえなく、学校に着いた頃には校門はすでに固く閉ざされていた。


そして今、彼は自分のエネルギー効率にとって最も悲劇的な運命を受け入れる羽目になっていた。そう、校庭の真ん中で日干しにされるという罰だ。


「クソ……暑すぎるだろ」ルカはこめかみを伝う大量の汗を拭いながら、目の前の景色を虚ろな目で見つめ、悪態をついた。


「こんなことなら、昨夜のバール作業なんて手伝わなきゃよかった。今世の俺の美肌が、アスファルトみたいなエキゾチックな色になっちまう。朝飯も食ってねぇのに日干しにされるなんて、俺を干物にでもする気かよ。力が入らねぇ……」


彼はそうブツブツと文句を言い続けた。照りつける太陽の下で己の運命を呪い、苦しんでいる真っ最中、突然、ルカの頭上を照らしていた眩しい太陽の光を遮るように、一つの影が落ちた。


ルカは瞬きをして、視線を下ろした。目の前には、水色の折りたたみ傘を差し、ルカの頭を強い日差しから守っているヒロが立っていた。


その純粋な少年の左手には、まだ水滴が滴るほど冷えたミネラルウォーターのボトルが握られている。


「ルカ先輩……もう、先輩はなんでこんな罰を受けてるんですか?」


ヒロは、心底心配そうな、そして純粋で真っ直ぐな瞳を潤ませながら尋ねた。


ルカは安堵のため息をついた。そして、ヒロが持っているミネラルウォーターのボトルに目を留めた瞬間、彼はすぐさまその冷たいボトルをひったくり、火照った自分の頬に押し当てた。


「あぁ……救世主様だ! 本当にありがとな、ヒロ。昨夜、ちょっと緊急のビジネスがあってさ、それで遅刻しちまったんだ」


「はい、先輩。まずはこれ飲んでください。さっき図書室に行こうとして廊下を通りかかったら、ルカ先輩がここに立たされているのが見えて……。暑そうで見ていられなくて、急いで教室から傘を持ってきたんです」


そのルカよりも年下の少年は答えた。


「ごめんなさい、先輩……。昨日の夜、僕が先輩の車に便乗させてもらったせいで、帰りが遅くなって疲れちゃったんですよね? 全部、僕のせいです……」


ヒロは、今朝のルカの不運がすべて自分のせいであるかのように、深くうつむきながら消え入るような声で言った。


根がお人好しで(おまけに前世からの『守護者気質な兄』の魂のせいで)、ルカはヒロの悲しそうな顔を見てすぐに慌てだした。


「おいおい! 違う、違うって、ヒロ! お前のせいなんかじゃねぇよ! 本当に! これは純粋に……その、あれだ。昨夜、深夜の2時ぴったりにスマホゲームのガチャを引くと最高レアが出るっていう都市伝説を検証してたら、そのまま夜が明けちゃってさ! だからお前が責任を感じる必要なんてこれっぽっちもねぇんだよ、な?」


ルカはめちゃくちゃな言い訳を口から出まかせにまき散らした。


ヒロはゆっくりと顔を上げた。ルカの慰めに、その瞳は感動で潤んでいる。


「本当に……僕のせいじゃないんですか、先輩?」


「あぁ、本当だって、このガキが」


ルカは苦笑しながら、愛おしそうにヒロの髪をくしゃくしゃと撫でた。自分がその少年が仕掛けた「同情の罠」にまんまとハメられたことなど、知る由もなかった。遠くにいる当番の教師の目から顔を隠すように差された水色の傘の陰で、ヒロの口端がごくわずかに吊り上がった。


(お前は本当に変わらないな、チビ。だから俺はお前を手放せないんだ……)


冷徹で、極めて狡猾な笑みが一瞬だけその顔に浮かんだ。ヒロは、哀れみの表情と一本のミネラルウォーターだけで、ルカの感情をこうも簡単にコントロールできる現状を、心の底から愉しんでいた。


「じゃあ、僕、先輩の罰が終わるまでここに一緒にいますね?」


ヒロは再び、明るく純粋なモードへと切り替えた。


「先輩が一人で寂しくないように」


(こいつ、いい奴すぎるだろ。今世でこんなに気遣いのできるクラスメイトに出会えるなんて、俺はなんて幸運なんだ。……なんだか、レオのことを思い出すな。あいつ、今頃どうしてるんだろ。まだ隣の家のWi-Fiをハッキングしたりしてんのかな。俺が死んだ時、あいつどんな反応したんだろ。野生のサルが脱走したみたいに暴れたか? いや、あいつみたいな男が泣くかよ。信じられねぇな。……クソ、なんか急に恋しくなってきたな)


ルカはかつてゼンラだった頃の記憶を頭を振って消し去ると、冷たいミネラルウォーターを勢いよく喉に流し込み、半分ほど一気に飲み干した。


カラカラに干からびていた喉が、冷たい水でようやく生き返った。


「プハァ……生き返ったわ。マジでありがとな、ヒロ。お前は俺の命の恩人だ」


「どういたしまして、ルカ先輩!」


ヒロは満面の笑みを浮かべ、愛らしく目を細めた。そして、ルカに直射日光が当たらないよう、器用に傘の位置を調節する。


しかし、大きく笑った後、ヒロの表情は徐々に曇り、バツが悪そうに歪んでいった。彼は空いた左手で制服の裾をいじりながら、孤独なインドア派の少年特有の、少し寂しげな表情を作ってみせる。


「ルカ先輩……実は僕、こうやって先輩と気楽におしゃべりできて、すごく嬉しいんです」


ヒロは、少し恥ずかしそうにぽつりと言った。


「だって、家だと楽しく話せる相手が全然いなくて。僕の兄、すごく堅物っていうか……いつも自分の仕事に夢中で、めったに家に帰ってこないんです。だから、家の中がまるで墓場みたいに静まり返ってて……」


ヒロの話を聞いていたルカの脳内で、前世から引き継いだ『お節介な兄貴肌』のスイッチがカチリと入った。彼は思わずヒロを振り返り、その同情心を大いにくすぐられていた。


「え? お前、兄貴とあんまり話さねぇの? お前ってどこに行くにも至れり尽くせりな、お大金持ちの坊ちゃんだろ?」


ヒロは短くため息をつき、少し悲しげながらも、無理に明るく振る舞うような小さな笑みを浮かべた。


「お金があったって、一緒に夕飯を食べてくれる人がいる保証にはなりませんよ、先輩。僕の兄はとにかく謎が多くて、家にいても部屋に引きこもってばかりだし、僕が話しかけても返事は一言二言だけ。それに、ちょっと変なんです……部屋でよく独り言を言ってるし、僕を絶対に部屋に入らせてくれないんです。時々、すごく寂しくなっちゃって……だから、昨日の夜、ルカ先輩とラッファ先輩が車に乗せてくれた時、本当に嬉しかったんです」


ヒロは顔を上げ、丸い瞳を期待に輝かせながらルカを見つめた。


「だから……もし僕がこれから先輩の席に遊びに行ったり、こうやって頻繁に話しかけに行ったりしたら、迷惑ですか……? 僕はただ、ルカ先輩みたいに楽しくて頼りになるお兄ちゃんや、親友が欲しいだけなんです……」


目の前にいる、天使のような顔をしたクラスメイトからの、あまりにも健気で、あまりにも寂しげな告白。その瞬間、ルカの心の防衛線は音を立てて崩壊した。かつて、弟を養うために必死に泥水をすすって働いていた前世のプロテクト本能が、激しく疼き出す。ルカはヒロを、深い、底なしの哀れみの目で見つめた。


(クソ……なんて可哀想な奴なんだ、こいつ。こんなに無垢な顔をしてるのに、家ではコミュ障でカチカチの乾燥雑巾みたいな兄貴のせいで孤独を味わってんのかよ。だから俺に懐いてくるんだな……)


ルカは胸を痛めた。ヒロの姿が、かつて苦労を共にしたラッファの過去と重なって見えたのだ。ルカは勢いよくヒロの肩を叩き、元気付けるように言った。


「へへっ、迷惑なわけねぇだろ、ヒロ! 水臭いこと言ってんじゃねぇよ。これからはさ、俺をお前の本当の兄貴だと思え。家でもクラスでも寂しくなったら、あるいはゲームの相方が欲しくなったら、いつでも俺の席に来い! 俺はお前を大歓迎してやるからよ!」


ルカからの、あまりにも無鉄砲で男気あふれる『守護宣言』を聞いた瞬間、ヒロはまるでこれまでの悲しみがすべて嘘だったかのように、パッと弾けるような満面の笑みを浮かべた。


「本当ですか、先輩?! わぁ、ありがとうございます、ルカ先輩! 先輩はやっぱり最高のお兄ちゃんです!」


ヒロは、どこからどう見ても『超元気で可愛い後輩モード』に戻り、はしゃいだ声をあげた。


ルカは苦笑いしながら、ヒロのサラサラとした髪をもう一度撫でようと手を伸ばした。しかし、その手のひらがヒロの頭に届く前に、背後から制服の襟元を強引に引っ張られ、ルカは思わず二歩ほどよろめいた。


「おい! お前ら二人して、何パツてんだよ!? まるで付き合いたてのカップルみたいに日傘の下でイチャイチャしやがって……。お前ら、そっちのケでもあるのか!?」


その冷たく、トゲのある声が、校庭の真ん中に漂っていた温かい空気を一瞬にして切り裂いた。ルカは瞬きをし、後ろを振り返った。


そこには、乾燥しきった雑巾のように表情を硬くしたラッファが立っており、その鋭い眼光はまっすぐにヒロを射抜いていた。


ラッファの隣には、図書室から借りてきたぶ厚い本の山を抱えたグザヴィエが、校舎の壁さながらの無表情で静かに佇んでいる。


ラッファとグザヴィエは同じクラスのため、たまたまメインの校庭に面した窓がある図書室へ、教科書を取りに行く仕事を頼まれていたのだ。


ラッファは、暑さにうだるルカがヒロの差し出す傘に入っているシルエットを見た瞬間、昨夜の車の後部座席で見せたヒロのあの奇妙で狂気じみた視線が、脳裏にフラッシュバックした。


彼のヤンデレ的な本能とブラコン気質が、一斉に危険信号を鳴らしだす。


自分の現金な(がめつい)兄貴に、この本能の針が「危険」と示している不審なガキを近づけるわけにはいかない。


「おいおい、滅多なこと言うなよ、ラッファ。俺はいたってノーマルだし、ストレートだよ。……っていうか、なんでお前がここにいるんだ?」


ルカは、弟に引っ張られて少し歪んだ襟元を直しながら、不思議そうに尋ねた。ラッファはその問いには答えなかった。


それどころか、彼は大柄な体を一歩踏み出し、ルカのすぐ前に立ちはだかった――ルカとヒロの視線を完全に、物理的に遮断するように。ヒロに向けるラッファの瞳は、絶対的な敵意のオーラで濁りきっており、もしヒロがもう一歩でも近づこうものなら、生きたまま噛み殺さんばかりの気迫だった。


「兄貴、日干しの刑は五分前に終わってる。当番の教師はもう職員室に戻ったぞ」


ラッファはわざと低く冷たい声で言い放ち、その目はヒロの動きを一瞬たりとも逃さずにロックオンしていた。


「さっさと自分の教室に戻れ。校庭の真ん中で毛虫を飼うな」


突然、容赦なく追い払われたヒロは、一歩後ろに下がった。彼は寂しそうに唇を尖らせ、水色の折りたたみ傘をゆっくりとした動作で閉じると、怯えたような純粋な瞳でラッファを見つめた。


「ご、ごめんなさい、ラッファ先輩……。僕はただ、ルカ先輩が暑そうにしていたから、一緒にいてあげたいなって思っただけで……」


ヒロは、暴走族の総長を前にして怯える少年のように、声を震わせて呟いた。


その様子を見たルカは、イラ立ちを込めてラッファの肩をパシッと叩いた。


「おい、ラッファ! 人の弟分にそんなトゲトゲすんなよ! ヒロはすごくいい奴なんだぞ。俺が暑さで死にそうになってた時、わざわざ傘と冷たい水を持ってきてくれたんだ。昨夜の車の中での冷戦の恨みを学校にまで持ち込むんじゃねぇ!」


ラッファはフンと鼻を鳴らし、ルカの弁護などどこ吹く風だった。


「関係ない。とにかく、兄貴はこいつに近づくな。以上」


先ほどからこの壊れた家族の言い争いをただ見守っていたグザヴィエが、ようやく短いため息をついた。彼はメガネの位置(あるいは本の山)を整えると、ルカを淡々と見つめた。


「セナ……いえ、ルカ。時間の計算上、あなたのクラスの物理の授業はあと二分で始まります。今すぐ教室に移動しなければ、担当教師から第二期・日干しの刑を処される確率は99.9%です」


「クソっ、なんでお前ら二人して、息ぴったりに俺を絶望に追い込もうとするんだよ!?」


ルカはフラストレーションを爆発させて嘆いた。彼はついに諦め、申し訳なさそうにヒロに視線を向けた。


「ヒロ、俺、先に教室に戻るわ。マジで水ありがとな! お金のことばかり考えてストレス溜まってるうちの弟の言うことなんて、気にするなよ!」


「はい、ルカ先輩! 授業頑張ってくださいね!」


ヒロは再び明るさを取り戻し、やたらと愛らしく手を振った。


ラッファはすぐさま反転すると、ルカの腕をがっしりと掴み、ルカが二度と後ろを振り返ることができないよう、強引に教室の廊下へと引きずっていった。


今日の彼の独占欲は、文字通りウガル・ウガラン(暴走状態)だった。


一方、静まり返り始めた校庭の真ん中で、ヒロは水色の傘を抱えて一人ぽつんと立っていた。


彼は、遠くで小競り合いをしながら去っていくルカとラッファの後ろ姿を見つめていた。


二人の兄弟のシルエットが廊下の曲がり角に消えた瞬間、ヒロの瞳から無垢な輝きが完全に消え失せた。その口元に、再び極めて薄く、ミステリアスな笑みが刻まれる――ラッファの威嚇的な独占欲など、微塵も気にしていない、不気味なほど落ち着いた表情だった。


(せいぜい足掻いてみせろよ。お前がどれだけ俺をゼンラから遠ざけようとするのか……。これは、まだ始まりにすぎないんだから……)



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