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「自由の代償は団子と物干し竿」

はじめまして、作者の ハスナ です!


本作に興味を持っていただき、本当にありがとうございます。実は、私は海外の人間で、現在日本語を一生懸命勉強している最中です。

そのため、翻訳ツールを頼りにしながら執筆しています。

ストーリーを進める中で、不自然な日本語や、誤字脱字タイポ、おかしな漢字の使い方がたくさん出てくるかと思います。読みづらい部分があり、大変申し訳ありません。

拙い日本語ではありますが、皆さんに楽しんでもらえるよう、精一杯心を込めて物語を書いています。温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

それでは、本編をお楽しみください!

「チビ、何そんなに顔をしかめてんだよ。笑えよ。高校3年になったっていうのに、笑顔なしとかあり得ねえだろ。本来なら喜んで笑うところだぞ。進級できただけでもありがたいと思えって」レオはそう言いながら、ゼンラの顔の前でひらひらと手を振った。


「疲れてんだよ。毎日毎日責められてばかりでさ。俺の人生、何一つ上手くいってない気がするわ」ゼンラはそう返し、教室の窓の外へと視線をそらした。「人生なんてそんなもんだろ、チビ。もし俺たちの人生が、ただの平坦な道や高速道路みたいにまっすぐだったら、『乗り越える』なんて言葉すら存在しねえよ」


「お前には俺の人生がどんなものか分からないんだよ。いつもアル兄貴と比較されて、本当に疲れ果てた。俺なんて、ただ居候して生きてるだけの、一番役に立たない人間みたいじゃんか」レオはゼンラの肩に腕を回した。


「いいか、よく聞けよチビ。疲れたなら休め。訳の分からない、くだらない雑音なんて耳を貸すな。


お化けが出そうな不気味な墓地を通り抜ける時を想像してみろよ。


怖がらせるような誘惑がたくさんあるだろ?そこで怖気づいて引き返したら、その道を通れなくなる。


もし別の道が見つかればいいけど、なかったら?目的地には一生たどり着けねえ。逆に、ビビらずにその墓地を一気に突っ走ってみろ。


思ったよりもずっと早く目的地に着くはずだ」ゼンラは隣にいる男の言葉を聞きながら、黙り込んだ。


(この『電信柱』の言うことも、一理あるな……)


「珍しくまともなこと言うじゃん。お前が『賢いキツネ』になれたのも納得だわ」


「は?俺の普段のイメージってどんなだよ!?」


「イノシシ」「おい!!失礼だろ!こんなイケメン捕まえてイノシシ似って、目腐ってんのかよ!?」


「あ、違った。迷子のサルって言う方がしっくりくるわ」


「お前、マジで容赦ねえな!ひどすぎるだろ!親友じゃなかったら、今頃その顔面にパンチぶち込んでるところだぞ」ゼンラは思わず吹き出した。


「はははははっ!冗談だよ、ブラザー。そんなに『腎臓』に溜め込むなよ」


「『ハート』だろ、バカ!!」


「あ、それそれ。腎臓」レオは軽くこめかみを揉んだ。確かにゼンラという男の突拍子もない言動には、いつも頭を悩まされる。


「もうお前の好きにしろよ、チビ。付き合いきれんわ。……あ、そうだ。なぁチビ、俺たちがガキの頃、学校の下駄箱で他人の上履きを隠して遊んでたの、まだ覚えてるか?」


「覚えてるに決まってんだろ。昔お前ん家に泊まりに行った時、学校のだけじゃなくて、お前の親父さんの靴まで隠したもんな。あははははっ! しかも隠した後に戻さねえでさ、おもちゃ代わりにしたり、川に流してボートみたいにして遊んでたっけ。……あ、そういや、ニサおばさんとリヤディおじさんは元気にしてる? お前みたいな息子の相手をして、まだ正気で健康でいられてる?」


「元気そのものだよ。俺の顔を見るたびに、むしろどんどん元気になってる気がするわ。普段もよく電話してるしな」


「あ、そっか。お前が一人暮らし(アパート暮らし)してるの忘れてたわ。一人暮らしって楽しい?」


「楽しいか楽しくないかって聞かれたら、楽しいことの方が多いな。なんて言うか、とにかく自由だし」


「俺も一人暮らししたくなってきたわ……」


「でもさチビ、そんなことしたらお前の親たちが怒るだろ。特にアル兄貴なんて、絶対に大反対するって」


レオは食い気味に返した。幼稚園からの付き合いだからこそ、彼はゼンラの抱える家庭の事情をすべて知り尽くしている。親に怒られるたびにゼンラが自分の家に泊まりに来ていたことや、真夜中に


「飯を食わせてくれ」と転がり込んできたことだって、一度や二度ではない。「大丈夫だって。後できちんと話すから」


「だけどよ、俺が怒られそうで怖いんだわ。この前だって、アル兄貴に会っただけで、あれこれ根掘り葉掘り聞かれたんだぞ?」


「落ち着けって。俺から優しく話通しとくからさ。ところで、お前のアパート、隣の部屋とか空いてねえの?」レオは少し考え込んだ。


「……実は、俺の隣の部屋がちょうど空いてるんだよ。そこに住んでた奴、昨日実家に帰っちゃってさ」


「よし、決まり!! 俺、そこに引っ越すわ!」


「お前、本気で言ってる? っていうか、本当に親の許しが出るのかよ?」


「お前さ、本当にしつこいな。大丈夫だって。もしダメって言われたら、家出してやるだけだし」


「マジで狂ってんな、お前」


「そうだよ、俺は狂ってんだよ。誰が正気だなんて言った?」


ゼンラは不機嫌そうに言い放った。レオはただ、薄く苦笑いを浮かべることしかできなかった。


本当のところ、レオだってゼンラをあの家から連れ出してやりたい。だが、自分が首を突っ込んで、余計に事態を悪化させてしまうのが怖かったのだ


放課後のチャイムが鳴ると同時に、ゼンラはまっすぐ家には帰らなかった。彼は親友の住む環境を見て回るため、レオのアパートへと向かったのだ。


丸一日かけてあれこれ見学した後、ゼンラは自宅に戻り、リュックサックに必要最低限の服を詰め込んだ。


彼の決意はもう固まっていた。レオのアパートで「自由」を手に入れるのだ。費用の面は、アルバイトをして自分で稼げばいい。両親に金を乞うくらいなら、そっちの方がよほど簡単だと彼は考えていた。


リビングでは、母親のヴィナが優雅に紅茶をすすっていた。父親のアビは会社での会議のため、帰宅は深夜になる予定だ。


「……お母さん」


「ん、何? お金でも欲しいの?」


ヴィナは息子の方に視線すら向けず、素っ気なく返した。


「あの……その……俺、アパートで一人暮らしをしたいんだ。学校にも近くなるし、高校3年の受験勉強に集中したいから。……いいかな?」


ゼンラは少し緊張しながら尋ね、リュックサックの紐をぎゅっと握りしめた。


「あら、一人暮らし? いいんじゃない。その暗い顔をここで見せられるだけで頭痛がしてたから、せいせいするわ。どこに住もうが勝手だけど、問題を起こした時に家族の名前だけは出さないで頂戴ね」


ヴィナは一度も視線を合わさることなく、平然と言い放った。母親のその言葉に、ゼンラは自分がこの家で本当にゴミ同然の存在なのだと改めて思い知らされた。彼はただ、苦い笑みを浮かべることしかできなかった。


(そんなに簡単に許可するんだ、お母さん。頼んだ途端、体よく追い出されるなんてさ。……よし、ゼンラ! 許可は出た。これでここから自由になれるんだ。悲しむな)


ゼンラは心の中で葛藤していた。あまりにも自分の世界に入り込んでいたため、アルビルがすでに帰宅し、ドアの向こうで今の会話をすべて聞いていたことにも気づかなかった。


アルビルはすぐにドアを開けて入ってきた。


CM撮影を終えたばかりでひどく疲れた顔をしていたが、弟の言葉を耳にした瞬間、その表情は一気に険しくなった。


「ダメだ! 俺は絶対に反対だ!」


会話の全貌を察したアルビルが、きっぱりと言葉を遮った。


「ゼン、お前はまだ子供だろ。一人暮らしなんて危険だし、食事だって偏る。もし病気にでもなったらどうするんだ? 誰が看病するんだよ!」


「兄貴、俺はもう高校3年だよ。レオも同じアパートにいる。俺はただ、勉強に集中したいだけなんだ」ゼンラは嘘をついた。


本当は、精神の平穏を保ちたいだけだった。


本心から言えば、この両親と同じ屋根の下で暮らすことは、ゼンラにとって終わりのない地獄にいるようなものだった。


彼はもうすべてに疲れ果て、メンタルは完全に崩壊寸前だった。


「だけど、お前――」


「アル、放っておきなさい。もう大きいんだから、自立の勉強をさせればいいわ」


ヴィナが冷ややかに口を挟んだ。ゼンラの頑なな態度と、母親からの「青信号」を見たアルビルは、胸が締め付けられる思いがしながらも、最終的に折れるしかなかった。


「……分かった。ただし、アパートの費用は俺が払う。それに、毎週俺が様子を見に行くからな。少しでも痩せてたら、力ずくでも家に連れ戻すからな!」


「お、お金は出してもらわなくていいよ、兄貴。俺、バイトするし――」


「何がバイトだ! ゼン、お前はまだ学生だろ。ダメだ、バイトなんて絶対に許さん! とにかくアパートの代金は俺が払う。以上だ」


アルビルが怒りモードに入ると、その決定を覆すことはできない。彼の威圧感の前に、ゼンラの反論する勇気は一瞬で消え去ってしまった。


「ここを出ていくことで少しは家族の負担を減らせるかと思ったら、結局はまだ他人に頼りっぱなしなのね」ヴィナは何の悪びれもせず、言い放った。その言葉が、末っ子の心にまた新しい傷を深く刻み込むことなど、これっぽっちも気にしていない様子だった。ゼンラはただ、母親の言葉を聞きながら、静かに黙り込むことしかできなかった。


「お母さん、俺が弟のアパート代を払うのは当然のことでしょ。それにゼンはまだ子供なんだから、お母さんだって突き放すんじゃなくて、応援してあげるべきじゃ――」


「黙りなさい、アル。さっさと部屋に戻りなさい。今夜9時からはまた写真撮影の仕事があるでしょ」


「でも、お母さん――」「早く行きなさい……」


ヴィナの威圧的な静止に、アルビルは逆らうことができず、そのまま自分の部屋へと引き上げていった。


ゼンラがレオのアパートで暮らし始めてから、早いもので2週間が経っていた。


そして、そこにゼンラがいる限り、何かしらの騒ぎが起きないわけがなかった。


「チビ!早くログインしろ!隣の部屋のWi-Fiがめちゃくちゃ爆速だぞ。あいつ、さっき今月の料金を払ったばっかりに違いねえ!」


レオが自室の壁の向こうから大声で叫んだ。そう、この2人の親友の部屋は隣同士だった。


アルビルが弟を監視しやすいようにと、隣り合う部屋を確保したのだ。


もちろん、レオもゼンラも大歓迎だった。何しろ親友同士、言葉を交わさずともお互いの考えていることが分かる。


まるでブルートゥースで同期しているような関係なのだ。


……話を戻そう。


その時、ゼンラはベッドの上でゴロゴロしていた。


レオの声を聞いた瞬間、だらけていたゼンラは素早く跳ね起きた。


「ちょっと待て!今日の夕方に強奪してきたライターのコレクションを、今ビンに詰めてるところだから!」


ゼンラはそう返しながら、ガスライターをガラス瓶に放り込んだ。


ゼンラの机の上には、すでに様々な色の使い捨てライターが数十個も詰まった巨大なガラス瓶が置かれていた。


これは彼がクラスメイトや、喫茶店にいたおっさんたちから「確保」してきた戦利品である。


ゼンラにとって、友達のライターをくすねる行為は犯罪ではなく、もはや「芸術」だった。


「お前バカだろ。町内中のライターを集める気かよ。転売でもする気か、それともアパートを放火する気か?」


いつの間にかドアの前に現れたレオが、呆れたように突っ込んだ。


「これは投資だよ、ト・ウ・シ!将来ネットが崩壊した時、このライターの価値が爆上がりするんだからな」ゼンラは適当に答えた。


「ま、入れよ。お前、居座る気満々だろ」「おう」レオは部屋に入ると、学習机の椅子に腰掛けた。


「で、Wi-Fiのパスワードは何なんだよ?」


「隣の奴のパスワード、マジでキモいんだよ。『tanya_orangnya_langsung』、意味は『本人に直接聞け』だってさ。俺がマジで聞きに行ったら、スプリンクラーの水ぶっかけられそうになったわ。幸い俺は天才だから、ツレのアプリを使ってハッキングしてやった。ほら、これ打ち込め。『antighibahghibahclub』、**『陰口アンチクラブ』**な」


「ぶはっ!それWi-Fiのパスワードかよ、それとも呪いを解く呪文か?どんだけ他人の陰口が好きなんだよあいつ」


「きっとあいつ、陰口界のボスなんだろ。だから脳内にあるものがそのまま出ちゃうんだよ」


「間違いないな。隣人っていうのは、本当に奇妙な生き物だよ。こっちが辛い時は陰で笑って、調子が良い時は粗探しをして引きずり下ろそうとする。で、こっちに不幸が起きたら、誰よりも早く駆けつけてくるんだ。……助けるためじゃなくて、明日の朝、八百屋の前で話す陰口の最新ネタを仕入れるためにな!」


「なんで俺たちまで陰口のトーンになってんだよ。もうやめろ、陰口の管理人(管理職)がうつるわ。それだけで済めばいいけど、情報指名手配犯にでも登録されたら人生詰むぞ」


「俺はただ、現実を語っただけだろ。何マジになってんだよ」


レオは呆れて目球をひっくり返した。どうやらこの目の前の男に何を説明しても、一生理解しないだろう。


このアパートに引っ越してきてから、ゼンラは「自分が生きている」と強く実感できるようになっていた。


ここには、アルビルと自分を比較する声も、髪を引っ張られる暴力も、自分を侮辱する言葉も一切ないからだ。いるのは自分と、レオと、盗んだライターと、無料のWi-Fiだけ。


彼にとって、そんな生活で十分だった。しかし、その裏で、このアパートへの引っ越しが自分を「犬死に」させる原因になるとは、誰も予想していなかった。そして、まさにあの不運な日の夕方…。


ゼンラはコンビニでインスタントの団子(スープ用)を買って帰ってきたところだった。彼はスマホで猫のミーム動画を見ながら、アパートの1階の廊下をのんきに歩いていた。画面の中で猫がズッコケる映像を見て、彼の口から小さな笑い声が漏れた。


「ははははっ、この猫ウケる――」


ごくん。


最悪なことに、歩きながら笑ったせいで、ゼンラはさっきおやつ代わりに生で口に放り込んでいた硬い団子を喉に詰まらせてしまった。


気管が完全に塞がった。


彼は陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクさせ、手を伸ばして何かに捕まろうともがいた。


ちょうどその真上、2階のベランダでは、ふくよかな体型のアパートの大家(管理人のおばさん)が洗濯物を片付けていた。


強い突風が吹いたことと、人生の重み


(いや、水分を吸った洗濯物の重み)


のせいで、濡れたシーツと――そして当然ながら――おばさんの下着が大量に干された鉄製の物干し竿がグラりと揺れ……


バリバリバリ

っ!!!!!


ドガシャァァァン!!!!


激しい咳をしようともがいていたゼンラの頭上に、鉄の竿と濡れた布の塊が容赦なく直撃した。


ゼンラの世界は一瞬で真っ暗になった。


彼が最後に見たものは、心配そうなアルビルの顔でも、マヌケなレオの顔でもなかった。


息絶えた彼の顔面にぴったりと張り付いた、ピンク色のフリル付きの大きな布地だった。


言うまでもなく、それは先ほどのおばさんのデカパンであった。


「誰か助けて!!!!物干し竿が人に落ちちゃったのよ!!!!」


おばさんのパニックになった悲鳴が響き渡り、アパートの住人たちが一斉に飛び出してきた。


そして彼らが最初に目にした光景は、1階の地面で物干し竿の下敷きになっているゼンラの体だった。


男たちが慌てて竿を持ち上げ、おばさんは自分の洗濯物の被害者を確認するために大急ぎで階段を駆け下りてきた。


あの日、ゼンラは死んだ。敵に殺されたわけでも、重病にかかったわけでもない。


ただの団子と、隣人の洗濯物のせいで。


(回想終わり)


「ぶはははははっ!! 何その死に方!? ぜんっぜんエレガントじゃないんだけど!」


カラの死因を聞いたシステムは、大爆ショウした。この青年のあまりの不運さに、呆れ果てているようだ。


カラは鼻で笑った。


どうやらこの極悪システムに本気で笑いものにされているらしい。


(こんなことなら、最初から話さなきゃよかったぜ)


「それで、兄さん、他には? それだけ?」


弟であるクリュエルの冷徹な声が響き、カラは思わず身震いした。


「俺が覚えてるのはそれだけだ。死んだ直後に、ここに連れてこられて強制労働させられたからな」


[強制労働とは人聞きが悪い!! これは『第二の人生のチャンス』です。感謝するどころか、注文が多すぎませんか?]


(あぁそうかい、新しい世界でさらに虐げられる体験をするための『第二のチャンス』な。なぁ黒いの、俺の人生はただでさえ真っ暗だったのに、お前のせいでさらに真っ暗闇になったんだよ!! これだけは言っとくけどな、俺は世界一幸せな人間のフリをする演技なら、とっくにマスターしてんだよ。笑ってほしいか? いくらでも笑ってやる。ピエロになれって? お手の物だ。だけどな、部屋の鍵を閉めて電気を消した時、俺がどんな気持ちでいるかだけは絶対に聞くな。一日中笑ってるってのはな、フルマラソンを走るよりも何倍も疲れるんだよ。だって、酷使してるのは肺だけじゃねえ。メンタルなんだからな)


[ずいぶんと詩的な表現ですね。そんな風に語られたら、まさかあなたがそんな犬死にをしたなんて誰も信じないでしょう。保険金も下りないし、恥さらしもいいところです]カラはシステムを睨みつけた。本当に口うるさいシステムだ、一瞬たりとも黙っていられないらしい。靴下を口に突っ込んで黙らせてやりたい気分だったが、ここは我慢だ。軽はずみな行動をしてはならない。


「兄さんは、自分が死んだ後に何が起きたか気にならないの?」


カラはクリュエルの方を振り向き、少しの間考え込んだ。


それから、弟の髪をポンポンと優しく乱暴にかきむしった。


「気になるっちゃ気になるけどさ。でも、過去は過去、忘れるべきだろ? 過ぎ去ったことはもう変えられないんだから、ほじくり返す必要はねえよ。俺たちは今を生きるべきなんだ。過去なんて、自分が前に進むための教訓とか経験だと思えばいい。後ろを振り向くためのものじゃないさ」


「兄さんは、あんな目に遭わされても本当に割り切れる(イフラスできる)の? どうやったらそんな風に受け入れられるの?」


カラは薄く微笑んだ。


「受け入れる(イフラス)、か……。いいかエル、そういうのはな……例えば、お前が誰かを助けたとして、その相手がありがとうも言わなきゃ、せめて笑顔の一つも見せなかったとするだろ? でも、そこで怒るな。ただ受け入れて、水に流すんだ。すべての美しい始まりが、美しい結末を迎えるとは限らないだろ?」


「ありがとうの言葉をもらうくらいなら、お金をもらった方がマシだよ、兄さん。ありがとうじゃお腹は膨らまないし」


カラは呆れて自分の額に手を当てた。


一体この弟はどこでそんな現実的なことを学んできたのだろうか。


自分の記憶の限りでは、自分は親切で、イケメンで、貯金が好きで、金に汚くなく、とても倹約家な人間のはずなのに。


……まぁ、お金のためにたくさんの人を騙してきた過去は認める。


だが、それはあくまで「仕事」の話であって、プライベートでの話ではない。


「はいはい、この話はもう終わり。それよりさ、今から外食でもしに行かない? 俺たち、一緒に外で食べたことないだろ? 串焼きとか肉団子スープでも買いに行こうぜ。へへっ、ちょうど今、俺の財布が少し潤ってるんだよな」


[おや、おや。どうやら美味しそうなものを食べる計画があるようですね。私にも奢ってくださいよ]


(お前の分は自腹な。真っ平御免だわ)


[そんなこと言わずに、このお荷物さん。ご存知の通り、私にはお金がありません。お金どころか、肉体(実体)すらありませんからね]


(それはお前のボスに文句を言えよ、バカ。なんで俺にプロテストしてくんだよ。


俺を神様か何かと勘違いしてんのか? 俺はしがないただの人間だぞ、黒いの)


[誰もあなたのことを天使だなんて言っていませんが? 違いますよね?]


バスカラは鼻で笑った。またしても、目の前のシステムにメンタルを削られたような気分だった。


「あーあ、一気にバッドモード(不機嫌)だわ。……よし、行くぞ、弟よ」


カラは立ち上がり、寝室にある財布を取りに歩き出した。一方のクリュエルは? その少年はただ短くコクンとうなずき、兄の後ろを歩き始めた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

お話はいかがでしたでしょうか?先ほども書いた通り、まだまだ日本語勉強中の身であるため、おかしな表現や文法のミスが多くて本当にすみません……。(もしよろしければ、コメント欄などで「ここはこう直した方がいいよ!」と日本語のアドバイスや正しい表現を教えていただけると、すごく勉強になりますし励みになります!)これからも少しずつ日本語を学びながら、物語をアップデートしていきたいと思います。

次回のお話もぜひ読みに来てくださいね。本当にありがとうございました!

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