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天才ヤンデレお嬢様の好感度がなぜかカンストしてる件  作者: 夜空 叶ト


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第75話 告白

「こちらがお嬢様のご注文されたパンケーキとコーヒーになります」


「ありがとう。凄くおいしそうね」


「みんなが真剣に作っていますから。そして、これが陸斗様の注文されたふわとろオムライスと紅茶ですね」


 そう言って菫は俺の前にオムライスと紅茶を置いてくれる。

 だが、オムライスにかかっているはずの赤色が見当たらなかった。

 つまりはケチャップがかけられていないのだ。

 菫に限ってミスをするとは考えずらいし、一体どういう事なのだろうか?


「では、陸斗様にはオムライスが飛び切り美味しくなるおまじないをさせていただきますね」


「……は?」


 菫はケチャップを取り出して俺に飛び切りの笑顔を見せてくれる。

 やっぱりすごく可愛いと心底思う。

 乃々とは違った可愛さに胸を打たれそうになるけど、ここで表情を崩してしまったらまた乃々に怒られてしまうので必死に表情筋を固める。


「おいしくな~れ、おいしくな~れ萌え萌えキュン!」


 菫らしからぬ声を出してケチャップをオムライスにかけてくれる。

 普段は絶対に見られない菫を見られて嬉しい反面、いきなりこんなサービスをされて驚きもあった。


「……」


「流石に、無反応は、恥かしい、でしゅ」


 菫は見る見るうちに顔を真っ赤にさせて逃げるようにキッチンの方に走り去っていってしまった。

 本当に可愛らしい子だ。


「可愛いですね菫は」


「だな。あんな風に本気で照れてる姿は初めて見たかもしれない」


 少し照れるところなら何度か見たことがあったけど、あんな風に全力で照れている姿は見たことが無い。

 心配になるくらいに顔を真っ赤にしていた。


「ふふ、ちなみにオムライスにはなんて書いてあるんですか?」


「ええっと……ありがとう♡だって。さっきの件かな」


「かもしれませんね。菫はそういう所結構律儀な子ですからね」


 乃々は嬉しそうにそう笑いながら口元を押さえる。

 その仕草に何故か目が離せなくなる。


「じゃ、食べようか。せっかく出来立てなのに冷めたらもったいないからな」


「ですね! いただきましょう」


 そうして俺たちは届いたオムライスとパンケーキを食べ始める。

 文化祭の出し物とは思えない程の完成度で物凄くおいしかった。


「で、結婚したい理由を聞いてもいいか?」


「……さっきの流れでうやむやになったと思ってたんですけど。そう言うわけにはいきませんか?」


「行かないな。絶対に今日聞こうと思ってたから」


 ここで聞かないという選択肢は俺には無かった。

 もし、彼女が俺と結婚したい理由が過去の恩返しであるのならば絶対に断らなければいけない。

 彼女には恩返しとかそう言うのに縛られずに自由にのびのびと生きて欲しいから。


「……むぅ。今日の陸斗くんは頑固そうです」


「今日だけは悪いが退く気はないな。すまん」


 絶対に聞き出すつもりでこの話を持ち出したのだ。

 だから、今回に限っては何を言われても退く気がない。


「はぁ、わかりました。食べ終わってから場所を移動してもいいですか?」


「全然かまわないぞ。話してくれるんならどこだっていい」


「ありがとうございます。では、今はこのクラスの出し物を堪能しましょう」


「わかった」


 こうして俺たちは大した会話もないままに菫が持ってきてくれた料理を堪能してすぐにクラスを出た。

 運営委員としても見回りの仕事もあるのだが、それは一旦無視して俺たちは誰も来ないであろう屋上にやってきていた。

 ここに来るのはあの高飛車お嬢様に告白をされた日以来だ。


「なんだか、こんな風に陸斗くんと畏まって話すのは久しぶりですね。初対面の時以来でしょうか?」


「かもしれないな。あの時は乃々とこんなにも親しい間柄になるとは思いもしなかったからな」


「ふふっ、あの時の陸斗くんは凄く私のことを警戒していましたからね」


「当たり前だろ。いきなり結婚を申し込まれたら誰だってビビる」


 今でこそこんな風に仲良くなってるけど、最初の方は本当に怖かったしかなり警戒していた。

 だから俺はこの関係に一種の終わりを迎えさせようと思う。


「ですね。ごめんなさい。配慮が足りていませんでした」


「いいさ。それよりも話してくれないか? どうして俺と結婚しようと思っていたのかを」


 それを聞きたくて屋上まで来たのだ。

 ここで聞かないという選択肢は無いし、話してもらえるまで今日の俺は退き下がる気がない。


「ここまで来て隠す気はありませんよ。キッカケは前もお話ししたかもしれませんけど、中学時代に陸斗くんに助けられたからです」


「ああ、やっぱりあの時の女の子は君だったのか」


 記憶をなくす前に感じた既視感と見た夢。

 やっとつながった。

 やっぱりあの時の子が乃々だったんだな。


「はい。だからです」


「そっか。じゃあ、俺からも一つ言わせてもらいたいことがあるんだけど良いか?」


「何でしょうか?」


「俺にこうして構ってくれる理由が恩返しならそんなことをする必要は無い。十分恩なら返してもらったし、無理して俺に付きあう必要は無い」


「……え」



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