第66話 高飛車お嬢様の末路2
「ただいま。古御門さんの様子はどうかしら?」
「はい、怯え切っていてまともに会話はできませんでしたね。どうなさいますか?」
「私も一度話してみることにします。地下室に居ますか?」
「はい。椅子に縛って放置しています」
「わかった。ありがとうね」
私は菫に聞いた通り地下室へと向かう。
地下室には完全な防音設備が備わっているからどんなに泣き叫んだりしても外部に情報が漏れることは無い。
「ごきげんよう。古御門さん。さっきぶりですね?」
「……その声は天城乃々ね! 私を開放しなさい!」
「う~ん、それはあなたが私の出す条件を飲んでくれたら考えますよ」
「こんなことをして許されると本気で思っているの!?」
椅子に縛られ、目隠しまでされているのにここまで吠えられるのは素直にすごいと思う。
状況が理解できていないのか、それともシンプルに気が強いのか。
少し、痛い目を見れば状況を理解してくれるかしら。
「許されるかどうかは私が決めることですね。あなたは私のお願いを聞いてくれればそれだけでいいんです」
とりあえずはバケツにいっぱいの冷水を頭からかぶってもらうことにした。
この季節にこれはなかなかこたえるだろう。
それに加えてこの地下室はかなり気温が低い。
冷水を浴びせられれば体は次第に凍えてしまうだろう。
「ひゃっ!?」
「では、私の質問に答えてください。なぜ、陸斗くんに告白したのですか?」
「あ、あんたが付きまとってるから横から奪ってやろうと思ったのよ。悪い!?」
「悪いですね。では、水をもう一杯!」
笑顔に声は明るく再びバケツの水を彼女にぶっかける。
こういう時は声に感情をのせない方が相手に恐怖を与えることができるのだ。
先ほどまで、私を威嚇するかのように口元を歪めていた。
もう少し根性を見せてもらいたいものだ。
「や、やめて! これ以上はやめて」
「では、私の要求を伝えますね。一つ目は陸斗くんに金輪際近寄らないこと」
「はぁはぁはぁ」
彼女はすっかり怯え切った様子で肩を振るわせていた。
本当ならば肩を両手で抱いて暖を取りたいのだろうけど、彼女の両手は椅子の後ろで縛られていてそうすることは叶わなかった。
「それと、もう一つ。二度と菫の事をバカにしないでくださいね。それと今日のことは口外しないこと。これを守れるのなら解放してあげてもいいですよ?」
「する。約束する! だから、これ以上は……」
「ふふ。素直な子は私好きですよ。じゃあ、解放してあげます。でも、もし約束を破るようなことがあれば今回のように生ぬるい真似はしません。徹底的に生まれたことを後悔させますのでその気で居てくださいね」
「は、はい」
私は彼女の拘束を解いてからニコリと微笑みかける。
彼女は私の顔を見ると見る見るうちに青ざめて行ってすぐに地下室から出ていってしまった。
「これで、当分へんなちょっかいはかけないでしょう。安心ですね」
私は晴れやかな気分になって地下室を後にした。




