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第六章:残火の消滅
数日後、カプセルホテルの部屋には、誰の姿もなかった。徹底的に破壊された身体を引きずり、リリエの元へと薬を求めに這い出していった朱音。
核心を突かれ、朱音の愛玩物という最後の聖域すらも失い、完全に心を失って夜の深淵へと消えた雫。
カチ、カチ、カチ――
誰もいない部屋に、幻聴のような歪な足音が響く。世界から弾き出された二人の少女が、闇の最深部で重ね合わせた冷たい体温の記憶。それはお互いを救う光にはなれず、ただ互いの存在を永遠に損なうための、残酷なエントロピーの移動でしかなかった。引き裂かれた赤いマウンテンパーカーだけが、主を失ったベッドの上に、消えかけの残火のように取り残されていた。




