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第四章:決定的な傷と拒絶
ある嵐の夜、朱音は客の男たちの常軌を逸した暴力により、もはや歩くことすらままならないほど徹底的に破壊され、決定的な傷を負ってホテルに帰ってきた。
「朱音……! 嘘でしょう、朱音……!」
ベッドに崩れ落ちた朱音を見て、雫は取り乱し、その白い手で朱音の身体を抱きしめた。朱音は朦朧とする意識のなかで、自分に触れる雫の手を見つめていた。
その手はあまりにも白く、健康的で――自分とは決定的に違う「美しい世界の住人」のものだった。
「触らないで」
朱音の口から、無意識に拒絶の言葉が漏れた。
「その綺麗な手で、私に触らないで……!」
それは、自分が命を賭して飼育したはずの愛玩物が、自分を置いて完璧な存在へと変貌してしまったことへの、猛烈な嫉妬と絶望だった。




