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第十六話

 一年E組廊下にて。

 えっと、E組は……花木(はなき)美々(みみ)日輪(ひわ)向日葵(ひまわり)か。

 これからはちゃんと話す内容決めてから話しかけよう。

 月見(つきみ)勇吹輝(いぶき)との共通点は……。

 あ、確か花木さんとは中等部の頃職場体験場所が同じで……。

 日輪さんとは中等部の頃からずっと同じ委員会だ。話しやすそうなのは日輪さんだな。先に行こ。

「日輪さーん」

 なんかもう慣れてきて草。

「──んー、あれ? つきみんじゃん。ちわー」

「えっとさ、突然なんだけど、7月6日って空いてる?」

「7月6日? 日輪の誕生日じゃん。当然の如く空いてないけど、なんで?」

「日輪さんの誕生日祝おうかと思って、どこか行きたいな、って思って」

「なるほどねー。ありがとー」

「ひまわり畑とかないのかな?」

「──。んーまだひまわりの時期には早いんじゃない? 知らないけど……」

「じゃあ、日輪さんの行きたいとこに行こうよ。誕生日の前日でもいいし」

「……ん? それって、もしかして……日輪とデートしよう、って言ってる?」

「…………言ってるよ」

 なんかもう慣れてきて草(二回目)。

「……つきみん、日輪のこと好きなの?」

「えっ、と。人としては好きだよ」

 嘘ではない。

「人としてはって……まあいいよ。7月5日ね。……あ、そういえばおんなじ委員会になってもう四年目だけど連絡先交換してないよねー」

「そうだね。しよっか」

「んー」

 交換完了、と。

「んじゃまたねー」

「うん、またね」

 よぉし! 順調順調!

 よっしゃ、花木美々攻略作戦遂行せよ!

 花木さんは……ドコぉ? え、ドコぉ?

 ……………………。

 ……帰ったのでは。

 …………ん?

 いた! なんか、誰だろ、あれ。先輩? 先輩四人に囲まれてる? なんで?

 いいや、声掛けよ。度胸エグくなってきた。明日寝込むかもしれない。

「花木さん! 花木美々さん、ちょっといいですか!」

「…………っ」

「──キミ、誰?」

「──一年生だよね?」

「──花木サンのお友達なの?」

「──あははっ、やめた方がいいよ?」

「えっと、何方ですか、貴女達」

「──ん一後輩を守る先輩、かなあ?」

「──あはははっ。物は言いようだね」

「──花木サンはねーワルい子なんだよ」

「──キミは関わらない方が身のためだよー?」

「いや、あの、貴女達の話は聞いてないんですが? 俺が用があるのは花木さんなので」

 私がそう口に出した瞬間、サッとその場の雰囲気が変わる。それと同時に、先輩達から笑顔が消える。

「──なによ、あんた」

「──後悔しても知らないわよ」

「──花木サンのこと好きなの?」

「──はっ、やめといた方がいいよ?」

「い、いぶくんっ、美々に何の用?」

「あっ、んーえっと、一旦こっち来て!」

「えっ? ちょっ、どこ行くの?」

「C組横の多目的室」

「なんでっ」

「いいからっ」

 廊下を駆け抜け、目的の場所へ辿り着く。

「──そ、それで? 美々に何の用?」

 少し息が荒くなった私たちは息を整えてから話し始める。

「えっと、その前に。さっきの先輩達、どういう関係?」

「んっとねぇ、まぁ、色々あって……」

「話したくないならまあいいけど」

 なんて設定だったっけ? 先輩に囲まれるようなことしてる人だったっけ? 小悪魔系あざと女子じゃなくて?

「えぇっと、8月1日だっけ? 空いてる?」

「8月1日……? うん、多分空いてると思う、けどぉ……。急にどうしたの?」

「最近この近くに出来たカフェ知ってる? そこに行かない?」

「えぇ~? それってぇ、美々とデートしたい、ってコトぉ?」

「ま、まあその……一緒に行こうってだけなんだけどね……」

「ふぅ~ん? なら、その日、美々が行きたいとこにも付き合ってよね」

「……もちろん」

 その日、先輩達のことについても聞いてみよう。

 よし、次は別棟の一年A組とB組だ。

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