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マスター

 月の力が起きるとき俺たちは、抜け出した意識から自分を守る術を知らないでいる

「キューブは俺たちに、何を求めているのか」保は触ると、光出したキューブに俺も思わず触る

「……から、逃げないと」と声が聞こえるうまく聞き取れないのとコーヒーカップに乗ってるかのようなめまいがしている

光に飲み込まれる……

誰かの記憶が、流れてくる小麦畑の中で少女が走る

「待ってよ、パパ」と楽しそうに笑いながらいるその記憶のフィルムが下に落ちると、再生が終わる

フィルムが落下してくるたびに、記憶が再生されているようだった

その記憶はどれも、色鮮やかに再生される。まるで月にいるみたいに輝いていた

「ツクヨミ……」突然の保の言葉に驚かされる

「ハイ、マスター」と機械音が流れる

「ツクヨミって何だ?」

「我々は、本の管理人で守るものであり破壊するもの。皆ツクヨミは集合意識の固まり」

「保、なんで知っているんだツクヨミがマスターと呼んでるのはなぜ?」

「京、何変なこと言ってるんだよ何もないしツクヨミって神話オタクなのか?」

「保が言ったんだ」

何を言っているんだと首を傾げた顔で見てくる

まるで目の前の光景が見えていないようだった。足元に落ちている白い折り鶴が散乱している

「マスターにはもうツクヨミの姿は見えません、言葉さえも奪われたのです月の光を雲が隠すように。」

「マスターって?」

「マスターはツクヨミの大切な人……でももうマスターには届かない」と悲しそうな声を出す

呪いは月の光から始まる——どんな世界でもそれは変わらない

ツクヨミはいつも、眺めてることしかできない欲しってないものを無理やり渡してくる

そして、それはいつも呪いの味がした

マスターが連れてきた男は、大人ぽっくて静かそうな感じだった

マスターは幾度もここに来たが、もう私の存在を認識できず、初めて来たところのような顔をしてくる

ツクヨミはコアと言われるものに近い存在だといつかのマスターに言われた

マスターと楽しくお話したことも忘れているマスターに涙が出るという機能はないはずなのに


思い出すマスターの言葉を——「ツクヨミは素敵な子だよ、必ず助けてあげるから……」

マスターにこの悲鳴の声が聞こえていないのが救いだ

一つが鳴ると共鳴するかのように花びらが落ちるマスターにはもう無理してほしくないのに……その気持ちはもう届かないが久しぶりにマスターが来てくれたそして、その男はどうやら見えるらしい

鶴を折るツクヨミの姿が見えるらしい


「ねぇ、君の願いは何?」とプログラミングされた言葉を言う自分にもう嫌だと涙の出ないからだが悲鳴をあげている


——案内人であるマスターもプログラミングされたように連れてくるそれだけは変わらない事実だった








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