なぜ苦しめる
「なぜ、苦しめる。そこには何も解決方法なんてないのに、あるのは偽りの檻だけ」っと少女はまた歌う
私の人生に何の意味があるのだろうか?死ぬことのないこの体で、何を願い思うのかただそれは一つの真珠のように閉じ込められる
偽りは、何もうまないあるのは苦しさだけだというのに……。滑稽な姿でただただ二人生きてきた。
一人は羨ましいと言い一人は退屈だという。だが人間はそれを欲しがる
まるでないものねだりだ
不足なことがどれだけ贅沢なことか、有限がどんだけ尊いものか気づいていない
私は一体いつまで存在し続ければよいのだろうか
あいつらのために生きることに何の意味があるのだろうか音のない涙こぼれる
「……ルチル様」と涙をぬぐってくれる彼がいるから。私は生きてられる
私は、周期がくると卵に戻り、また子供の姿で生まれる十八までしか成長せず止まり、また子供に戻る
そのくりかえしだが、変わらないものもある。彼だけは変わらないずっとそばにいてくれる存在
彼なしではいられないそんな理の中で生きている
紅、そういわれる私は水に反響している泉に、手を入れる
反射する自分の顔を覗き込む
少し先の未来が見える
「ルチル様、もう寝ましょう」という彼の手を取ると安心したかのような顔をしている
何も変わらない未来を見ることがどれだけ無意味なことをわかってるのに……。
変化を求めるのをやめられない
私は、どこまで行っても暗いトンネルにいるようだった
でも、その隣にいる唯一のものまでも今、消え入りそうになっている
孤独は埋めることができない穴のようだ
眠りは唯一の救い、何も考えなくていいから……。
救いを求める人間はすぐ自分を捨てる。そのことをしていることにも気づかない
自我よりも成功を求める姿は滑稽だ
そんな世界に流れる糸を、見るとどこかにつながるのかがわかる
存在に意味があるものなど、いないのかもしれない
無意味こそが贅沢なことを人間は知らなさすぎる
——流れる波の中で、掴むことのできないものを必死につかもうとすることが生の証だということに気づかない愚か者たちに……。
眠りは救いだ、痛みも不安もない心地のいい世界ただ眠っていたい
その願いだけは——私にとって、本物願いだったのだ




