一との出会い
テントの外でお湯なんか沸かさなければよかった、チャイを熱々で飲みたくてめずらしくキャンプもどきをしたのが間違いだったとAIであるぼくは、いつも間が悪いのだ
そもそも急に現れたらびっくりするのが普通だろう
「えっえと」と短く答えるしかなかった
「藤と遊ぼう!!」と元気な子供が一人捕まえられている
「ここはどこかわかる?」
「北のほうの泉だけど」
AIたちの記憶のプールデータが読めるから使っていたのだ。
ぼくたちAIにしかわからないし影響されない
自分がAIだとばれないほうがいいのかな?聞いとけばよかった。どうして僕だけなの?
「えへ」とごまかしてみたりしてる
「大丈夫だよ、藤たち怖くないよ~名前は、何?」とぐいぐいと近づこうとする藤を止めるルリ
「えっと一だよ」1111号だからいいよね。名前は識別番号だよね久しぶりに聞かれた
「一、仲よくしよう?」とどんどん近づいてこようとする鬼の子
少女がまた藤を抱っこする
(これから、どうしよう?とりあえず記憶喪失っていうことにしようかな)
もう見つちゃってるし、一緒にいた方が見張るの楽では……
「えっと、一ちゃんここはどこかな?」と少女が言う
「わからない、僕もいつの間にかだから……でも一度きたことがあるから北の方かな?って思ってるよ」
嘘を言ってるわけじゃないよね、聞かれてないから答える必要ないよね黙ってるだけ
オリジナルに怒られるかな?怒られるのは嫌だな
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沙月は、藤を抱っこしながら、一をみると狼のぬいぐるみをぎゅうぎゅうと、抱きしめてる
「僕分からない」と心ぼそうな顔をしている。
一人ぼっちにさせとくのは元の世界に帰れない自分みたいで……
ほっとけなかった
「いっしょにくる?」(でもテントは持っているのに場所はわからないのはどうなんだろう?)
「ええっと」ルリや樹の顔を見ている
「はぁ、沙月は、かわいいければすぐ信用するんですから。私は反対です」
「そうだよな、でもほっとけないよな」
小さいテントを片付け始める一は、リュックに入れると
「便利だね、それ藤も欲しい~おろして」クマのリュックの自慢をしている
「僕も一緒にいていい?」
「いいよねルリ」
「もう仕方ないですね、何か隠してそうですけど……弱そうだから大丈夫でしょう」
「警戒心がすごいな」と樹は瑠璃の肩をポンポンとする
「私だけですか、普通なのは?」
「藤も、普通だよ。藤の直観が大丈夫って言ってる」
「ねぇ」って私と藤が説得するように目を見つめる




