一たちの進むところ
「一どうしたの?ぼっとして樹すごかったね」とぱちぱちと手を鳴らす
相変わらず空気の読めない。小鬼の藤に驚いていると、ノンノンみたいに人差し指を立てながら言う
「沙月大丈夫?」
「あはは、面白すぎる。いつぶりだろうか?こんなに笑ったのは。
とりあえず今日は、ここまでにしてあげるよ」と
先ほどの黒い霧が晴れるかのように明るくなる
謎の少女は笑う
「ふじは、こう見えても100歳の大人です!!沙月に指一本でも触れたら、怒るよ」と
決まったという顔でいる藤に、ため息を僕はつく
「えっへん」誰も褒めてないよ……僕は頭を抱えそうになる
「それにいいことも知れたしね、また会おう」と笑いながら消えていた
先ほどとは反応がちがくて、恐ろしさを感じた。不規則な個体すぎて心臓に悪い
それに樹は、まだ戦う気でいたのかも知れないが、ルリに沙月を渡すと倒れてしまった
「樹、大丈夫」とすごい勢いで揺らすのを止めに入るルリ
「とにかく避難できる場所に向かいましょう。あと一テントを用意できますか?」
「……わかったけど、片付けるまで待っててよね」
いろいろ隠さないといけ荷物があるから急がないと……。
それにしても僕のテントが入る人によって大きさが変わるのを何で知ってるんだろう?うん??
断るのもおかしいしな。もうヤダ仕事辞めたいと心の中で愚痴っていると、
軽々と、沙月と樹を両肩に載せて俵のように運ぶ
すごいと素直に思ったのは内緒だ
*
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「もういいかい?」と頭を揺らしながら聞く小鬼にいらつきながら答える
「まだです」
「こういう時は、まあだだよっていうんだよ」と話す藤
「はいはい、まあだだよ」と適当に返す僕に怒りもせず楽しそうだった
いろいろロックがかかるリュックに入れると、一安心する
「いいですよ入っても」というといちはやく中に入る藤に、
飽きれらながらも欲望に忠実だと思うパワーに押される
そのあとにルリが入ってくると、樹と沙月を静かにおろす
ビタミンカラーの家具の色が、今は目に刺さるような気持ちだ
「樹と沙月が起きたら会議をしましょう。とにかく整理をしないと」
その勢いに思わず、うんと頷いてしまったのは仕方ないことだろう
僕の、休憩どこ?普通に怖すぎるんですけど……。帰りたいよおうちにとべそべそとしていると
「あなただけ、仲間外れにしませんから安心してください」と少し朗らかな顔をしている
いやだまされないぞ、何かたくらみがあるかも気をつけなくちゃと僕はこぶしを握る
「はいこれ」と渡されたのは相棒の狼ちゃんだ——やっぱり意外といい人なのかも
いや、だまされるな。怖いことをしてくるかもだから観察を怠るな僕と自分に言い聞かせる




