マリアの涙
——空の見えない四角い建物の中でルチル様をみて思い出す
「初まりの書」と「終わりの書」が存在し、初まりの書は神々が誕生した時代、いろんな国の神の話が書かれている
それを見ると、普通の人間は廃人と化す。選ばれた人間、キューブが選ぶ人間でなければいけない
だが、その選ばれた人間はキューブに守られており居場所や条件はわからない。
そして、見つけることさえ難しい……だからこそ紅の組織は子供を探す
子供のほうが適合率が高いからだ
ルチル様は、そのことをいやというほど見てきている
あいつら組織の人間は、キューブのカギである本を見つけ出すことに躍起になっている
卵が先か鶏が先か、どっちらにしてもおのずと見つけることができるからだ。
ルチル様は、子供のが胸に咲くバラを見つめては、子守唄を歌う——
見つけてほしいのか欲しくないのか、この終わりのない世界で何を思うのかずっとそばにいるのにすべてをわかることができない
この深淵のような世界に希望があるのか、それともそれを望むことさえ罪なことなのだろうか……
先に進まないこの世界に思うこの気持ちさえ嘘に塗り固められているかのようだった
組織の人間は幾重にも子供をどこからか探してきて、バラを咲かせる
それを見て、揺れる瞳のルチル様に気づかないかのように祭りが開かれる
それはいにしえの儀式に使われる花たちのようだった
組織は昔から変わらず、同じことを繰り返すことがすきらしい
同時に進む、過去や現在未来が一方通行になったのはこの組織のせいで何者かがロックをしたからだろう。
お互いが、干渉できなくなったのだったまるで檻に入れられた青い鳥のように……。
時が割れる音がしたとルチル様が言っていた
干渉をできる人間を探し出し、コントロールをしたいようだ。
——自分の手に時の観測者を人工的に作り出したいのだろう……。
永遠の人間を探すかのように……時をコントロールし扉を開けるものを、探している
人工的に作ればいいと考えるところが、身の程を知らない人間らしい。
怒りをもつことは力を与えること同義語なこの世界で。
感情は人間の養分になる
見方はどこから見るかで世界は変わる——まるで、万華鏡のように
何者かの敵は、何もかの味方であるかのように……。
この地球が悲鳴を上げているかのように姿が変化する
この世界に、正解はあるのだろうか……。果て無く続く永遠に終わりのない血の涙を流すマリアのように




