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呪いの出口とは

 「呪いが解けかかっている」そういいながら糸に触れる少女

「ルチル様、やっとですね」と紅茶を運びながら近づくと、こっくりとうれしそうに静かに頷く

 ——呪いを作る本があればそれを解く本もある。最初は2冊の本から始まった。

 もともとは一つの本だったらしい……二つの本がそろい一つになるとき莫大な力が手に入るらしい

 まだ、欲しいのか力を……これ以上に必要な力があるのだろうか。強欲さにひいている


 全ての力が集まったとき、「世界は再生される」好きなように作り替えられるという

 ルチル様も俺もそれを望んでないが、俺たちを見る目はそれを許さない

 ——紅である限り、俺たちの存在は変わらない

結ぶ力が強すぎるこの世界で、ほどけるものはどれくらいいるのだろうか……?


                     *

                     *

                     *

「マスター、マスターツクヨミのこともう忘れないでよ」と言いながら鴉の顔を触っている

「ツクヨミ、淋しい思いさせちゃって……」


「ツクヨミはね絶対、マスターのこと忘れないから、だからマスターもっとツクヨミを見て」


この二人のやり取りを、10分ほどずっと見せられてる俺は酷く懐かしさを感じていた

子供が、親に見てもらおうと必死に背伸びをしている感覚を覚える


俺の親はもういないことを、もう見てもらうことさえできないことを静かに頬つたう意味のない感情が

悲鳴を上げている

「どうしたんですか?」驚きながらも白いハンカチで拭いてくる保いや、鴉が言うその顔は母親の心配そうな母性の美しさえも感じた男なのにだ。それくらい神経がやられているらしい

どこか他人事のように感じる俺は、冷たいのかもしれない……。


俺は、この記憶の感情させえ、意味がなくなる瞬間が来ることを保を見てて分かっている

意味がなくなったほうが楽になれるのだろうか。そんな弱い自分にイラつく

本来なら怒りで殺しに行くほどの力強さをもっていいものを、俺はこんなに弱かったのかとただの子供でしかなかったのかと静かに嘆いているのは、自分の弱さに寄っているだけなのだろうか?


「みっともない所、みせて……」という俺に

「みっともない涙なんてこの世にないし、そんな感情一つもないのですよ」と全てがわかっているかのような心地の良い声で伝えてくる

「こんな弱いと思わなかった……父と母を殺されるところを何もできずに見ていただけで、そんな自分に反吐が出る」


「……あたりまえです。目の前で殺されたのが、つい最近のことならなおさら……私が姉の姿を見たのと一緒ですべてをわかることはできなくても、その感情は知っています。

それにまだあなたは子供なのですから……」


「強くありたいし、強くいなきゃいけないのに……」とツクヨミが静かに離れると、俺を抱きしめる鴉。


「強さは、誰かに測ってもらうものでも、ましてや評価できるものでもないのです

 あなたが生きてて、出会えてよかったと思っています……わずかな時間ですけれど。

 同じ経験をした仲間として、君が生きててくれて……ありがとう」


ただそれだけで、その言葉だけで救われた俺は、傷のささくれにかさぶたができたかのようだった。









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