第十話 抜けた記憶
「お~い二人共そろそろ先生くるよ」
沙織が僕達向かって言う。
「それじゃあ僕や洋介は授業だから校舎内をぶらついていたら?」
僕は水口さんに向かって言う。
「分かった〜、じゃあプレお姉さんはぶらついているね〜」
そう言い愛ちゃんと共に何処かへ歩いていった。
大丈夫かな?
そして昼になり屋上へと向かった。
「お~い三人共」
水口さんが手を振っているのでそちらへと向う。
「まだ居たんですか?
他の人達はどうしたんですか?」
僕は水口さんに向かって聞く。
「アジトに居るよ、パソコンの調整やらなんやらしてるって連絡あったわ。
それにしてもここはいい高校ね、クラスメイトも特徴あって楽しそう」
水口さんが言う。
「お水」
愛ちゃんがペットボトルを沙織に渡す。
「はい、開けたよ〜」
沙織は軽くひねりフタを開け水の入ったペットボトルを渡す。
「それでさ、水色の髪の女の子が水原さんなんだよね。
少し話したけど不思議な感じはしたわ、それとどこか暗そうな感じがする。
胸の奥深く・・・なんて言ったらいいのかよくわかんないけど・・悩みがあるような気がする」
水口さんはそう答えた。
「最近あまり話してないし、僕も少し不安なんですよね。
家も廃墟っぽい場所で暮らしているし、水原さん何か隠していることがあるのかなって」
僕もそう答える。
「まぁそれは本人が一番知っているし、だけど聞かれたくないんだろうな、自分の不安を人に言うのは」
洋介もそう答える。
「・・・じゃあそろそろ私は帰るね、午後の授業も頑張ってね。
じゃあ行こっか愛ちゃん」
水口さんは愛ちゃんの手を繋ぎ校舎へと入っていった。
「ねぇ二人共・・・・亜香里と亜津紗さん、名前少しだけ似てない?
この世界の人間じゃないのかな?二人共」
沙織が言ってきた。
「いや、それはおかしい。
中学も水原さんとは一緒だったじゃん、だから」
「中学の記憶ある?」
沙織が聞いてきた。
「え、そりゃあ・・・・・あれ?」
あれ?おかしい、記憶が・・・・何でないんだ?
高校生だから中学の記憶もあるはず。
「実はさ、俺もなんだよな。
中学の記憶がいまいち出てこねぇ、高校の記憶しかねぇんだよ。
アルバムを見たんだけどよ、中学の写真が一つも無いんだ」
洋介はそう答える。
「嘘、私達もこの世界の・・・人間じゃない?」
沙織はつぶやく。
「いや、親が捨てたのかも。
だって親が・・・・親?・・・僕に親は・・・」
あれ?おかしい・・・記憶が・・・・何が・・起き・・て。
「大丈夫か?遥斗、保健室行くか?」
洋介が言う。
「ううん、大丈夫。
そうだ、僕に親は居ない・・・居たと思いこんでいたんだ。
親はもう亡くなっている・・・多分洋介や沙織の親も」
僕はそう答える。
「まぁそうだろうな・・・俺たちは親から産まれそしていつの間にか高校生になり記憶がある。
中学や小学の記憶は無い、おかしくないか?」
洋介が言う。
「私も記憶が無い・・・どうしてなんだろう・・・・私は何のために生まれて来たんだろう」
沙織も言う。
水原さんが前に言っていたこの町を調べてみたらって言葉・・・・この町・・青葉町・・・駄目だ何も思い浮かばない。
「ねぇ三人共、何してるの?」
声をかけたのは水原さんだった。
「水原さん、ねぇ水原さんは中学の記憶ってある?」
僕は水原さんに向かって言う。
「中学?・・・・あるよ、私と仲良くしていた三人、・・・名前は確か・・遥斗、洋介、沙織だっけ?
君たちだよ」
水原さんはそう答える。
「やっぱり水原さんは僕達と同じ人だ」
僕はそう答える。
「亜香里、私達記憶が無いの。
中学の記憶が全く、それに親の存在も・・・さっきまで親は居ると思いこんでいたんだ、だけど私の親も昔に亡くなっている。
ねぇ、亜香里・・・何か知ってるんじゃない?」
沙織が亜香里に向かって言う。
「知らない、私は・・・何も・・・ごめん、私は私なりに行動しているだけって言ってたでしょ?
だから、私の事を捜索しないでね・・・もし・・・・そんなことしたら・・・次は君たちの命が危なくなるよ」
水原さんはそう答え校舎へと入っていった。
水原さん、貴方は何を考えている。
中学の時、何があったの?
分からない、全く記憶が無い。
「水原のヤツ、少しだけ怖かったな。
やっぱりアイツは何か隠している、だけど捜索したらこっちの命が危ういし、もう辞めようぜ。
バケモノと戦ってたらいずれアイツも話すだろう」
洋介はそう答える。
「そうだね、亜香里も何か悩んでいる事があるんだよね。
時間が解決してくれる事を祈るしか無いね」
沙織も言う。




