第36話
教室を抜け出した2人は街中を歩いていた。
「えーと、アイシャはとりあえず魔法主体で戦うって事でいいか?」
「えぇ、剣も使えるけど今は持ってないから必然的に魔法になるわね」
「よし、じゃあ魔物を狩りに.....って思ったけど冒険者ギルドの依頼受けた方が効率いいか。でもそうなるとアイシャも登録したほうが得だな」
充がそう考えているとアイシャが声をかけてくる。
「私は一応登録はしてるわよDランクだけど.....」
「お、じゃあパーティ組めばパーティメンバーのランクの平均の1つ上までだから.....Bランクまでは受けれるか」
その言葉を聞いたアイシャは一瞬ポカーンとした後、ハッとした顔になり、言葉を重ねる。
「てことはミツルはBランクなの!?」
「そうだけど.....それがどうした?」
「どうしたって.....Bランクってことはすごいベテランじゃない!」
「あー、いやな、登録したのは数日前なんだ。説明すると長くなるから説明しろってのは無しな」
充がそうアイシャに言うとアイシャはこめかみの当たりを抑えながら苦々しい顔をした。
「ま、まぁいいわ.....とりあえずギルドで依頼を受けましょ。だけど安全策を取って受けるクエストはCランクにしましょ」
「了解だ」
2人がギルドに着き、受付カウンターに向かうといつも充の対応をしてくれる受付嬢が出てきた。
「こんにちは、ミツルさん。今日はどんな要件でしょう?」
「今日は俺とアイシャでパーティを組むからCランクの依頼が欲しいんだ。できるだけ群れ討伐系がいいな」
「群れ.....ですか?ほかの冒険者様達はやりたがらないので大歓迎ですよ!この辺りの群れ討伐となると、ワイバーンですね。3~6匹で行動してて、基本性能は劣化ドラゴンなので魔法使えるならこれが一番いいですかね」
「わかったこの依頼を受注する」
「分かりました、ワイバーン45体の討伐です。よろしくお願いします」
そう言って受付嬢は手元にある受注スタンプを押した。
充とアイシャはギルドをでて、そのまま門の外へ向かう。その途中アイシャが口を開く。
「ミツル、さっきは対応任せっきりでごめんね?」
「いや、別にいいんだけどさ。違ったらすまないがアイシャって人見知りか?」
その言葉を聞いたアイシャは肩をビクンと跳ね上がらせた。
「な、なんでわかったの?」
「いや、さすがにあんなにカッチカッチに棒立ちしてたら誰が見てもわかるわ。アイシャに声をかけようとしてた冒険者も可哀想になったのか撤退していったしな」
「そ、そっか.....変でしょ?私王族で人前に出るのには慣れてるはずなのに」
そう聞かれた充は、
「まぁ、変か変じゃないかって言ったら変だな」
と、即答する。
「でもさ、俺が校門前でうろうろしてた時声掛けてくれただろ?それはなんでだ?」
「私はなんというか.....化けの皮を被っている時は大丈夫というか.....」
それを聞いた充は色々と納得がいった。
初めてあった時からみてかなり口調が柔らかくなっていたり、態度に隙が出てきたといった行動に変化があったからだ。
「まぁ、それも個性だしいいだろ。それよりそろそろ門を出るから、いつものモードに戻って気を引き締めとけ」
「そ、そうね」
そう言われたアイシャは照れ隠しのつもりか少しそっぽを向いて呼吸を整え始めた。




