表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜明けの絵師――フィレンツェの恋  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/10

第八話「絵が完成した」


絵が完成した。



ハルヴィオが、ミーナを呼んだ。


店の裏の部屋に、絵があった。



ミーナは、絵を見た。



自分だった。


しかし、自分ではないようでもあった。


窓の傍に座っていた。


窓の外に、広場が見えた。


目が、広場の方を向いていた。


その目の中に、光があった。



「これが、私ですか」とミーナは言った。


「そうです」とハルヴィオは言った。


「私は、こんな顔をしていたんですか」


「していました」とハルヴィオは言った。「私には、こう見えました」



ミーナは、絵の中の自分の目を見た。


光があった。


広場の光が、目の中にあった。


毎日見てきた、石畳の光が。



「美しいですね」とミーナは言った。「私の絵ではなく、この光が」


「あなたが、この光を持っています」とハルヴィオは言った。


「光は、広場のものです」


「広場の光を、目の中に持っているのは、あなたです」とハルヴィオは言った。「それが、私が描きたかったものです」



ミーナは、ハルヴィオを見た。


「本当に描きたかったもの、とは」と言った。


「光です」とハルヴィオは言った。「光を持っている人間です。何年も旅して、探していたのは、それでした」


「見つかりましたか」


「見つかりました」とハルヴィオは言った。「あなたの中に」



(第八話 了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ