第32章 仲間との連携でリナを救う
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孤児院の一室に、静かな空気が流れていた。
ベッドに横たわるリナは額にうっすら汗を浮かべ、時折小さな咳をする。
美月は薬膳スープを温め直しながら、その横顔を見つめていた。
(もっと食べさせたいけど……一人じゃ限界がある。材料も、時間も、手も足りない)
そんな焦りを抱えた矢先、扉をノックする音がした。
「美月、入ってもいいか?」
入ってきたのはカイと仲間の冒険者たちだった。
「街でお前が薬膳料理を試しているって聞いた。リナのためなんだろ? 手伝わせてくれ」
美月は驚きに目を瞬かせた。
カイの後ろには、力自慢の戦士や、物資を抱えた商人風の青年、さらには薬草採集に長けたエルフまで揃っている。
「……どうして、ここまで?」
その問いに、カイは力強く答えた。
「お前が本気だからだ。俺たちだって仲間だろ」
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その日から孤児院は活気づいた。
戦士たちは山へ入り、珍しい薬草や野草を集めてくる。
商人は安くて栄養価の高い豆や穀物を仕入れてくる。
エルフの少女は乾燥保存の技術を教えてくれた。
美月は彼らと一緒に厨房に立ち、工夫を凝らした。
薬草入りの雑炊、豆の団子スープ、干し野菜を使った保存粥。
料理を口にした孤児院の子どもたちは、驚いたように目を丸くした。
「苦くない! おいしい!」
「これなら毎日でも食べられる!」
彼らの笑顔を見て、美月の心は少しずつ軽くなっていく。
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夜。
再びリナの枕元に座った美月は、温かな粥をスプーンで口に運ぶ。
リナは弱々しくも微笑んだ。
「……お姉ちゃん、今日はね……少し楽になった気がするの」
「本当? よかった……」
涙が滲みそうになるのをこらえ、美月はその手を握った。
ふと背後から声がした。
「美月、一人で背負い込みすぎるなよ」
振り向けば、カイが真剣な眼差しを向けていた。
「俺たちがいる。だから……一緒に守ろう。リナも、この孤児院も」
その言葉に、美月ははじめて深く息を吐いた。
「……うん。ありがとう」
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翌朝。
孤児院の食堂には、子どもたちの元気な声が響き渡っていた。
薬膳料理はすっかり日常となり、誰もが笑顔で食卓を囲んでいる。
リナもまた、少しずつではあるが起き上がり、スプーンを自分の手で持てるようになっていた。
「お姉ちゃん、また作ってね」
そう言うリナの声は、昨日よりずっと力強かった。
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料理の力と仲間たちの支え。
その両方があったからこそ、リナは確実に回復への道を歩んでいる。
美月は改めて胸に誓う。
(私は一人じゃない。みんながいる。だから絶対に、最後まで守り抜ける)
その決意は、まるで炎のように静かに、けれど力強く美月の心を灯し続けていた。




