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謎解きに誘われて  作者: 美雪
第五章 婚約指輪の謎

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73 急な変更



「ミリアム様、髪は同じように結い直しましたが、お化粧のほうはご自宅で落としやすいよう軽くいたしました。ご確認ください」


 メアリーはミリアムに手鏡を渡した。


「さっきよりも薄化粧ですね。私としてはこの方が好きです。メアリーさんは髪結いも化粧も上手ですね」

「お褒めに預かり光栄です! 侍女になれるよう勉強していて良かったです! お支度は以上になります」

「メアリー、これからお茶会なのよ? さっきのイヤリングだけでもつけたら?」


 モードが口を出した。


「申し訳ありません。宝飾品は全てはずし、ドレスと共に奥様のところへお持ちするよう言われました」

「そうなのね」

「ミリアム様の宝飾品をモード様の金庫に保管するわけにはいかないからです。マーサ!」


 クラリスが大声で呼ぶと、モードの衣装部屋から召使いが顔を出した。


「お呼びでしょうか?」

「ミリアム様の衣装と宝飾品を奥様の部屋に持って行かないといけないわ。メアリーが宝飾品の箱を持つから、衣装箱を持ってあげて」

「私の方が古参です。メアリーが衣装箱では?」


 マーサが不満気な顔になった。


「ミリアム様の担当はメアリーよ。マーサのほうが古参で先輩だけど、ミリアム様の担当ではないわ。担当者が宝飾品、補助の者は衣装箱よ」

「メアリーだけでいいのでは? 宝飾品と衣装箱をまとめて持てばいいだけです。緑色の靴が見つからないで急いで探す必要があります」

「メアリー、宝飾品の箱を落とさずに衣装箱とまとめて持っていける?」

「大丈夫です! ご心配であれば、衣装箱の中に宝飾品の箱を入れて一つにまとめます。そうすれば途中で落とさずに持って行けます!」

「名案だわ。衣装箱の中に宝飾品の箱を入れて持って行って。でも、渡した時に衣装箱の中に宝飾品の箱が入っていることを伝えるように。届いていないと勘違いされたら困るわ」

「わかりました! 必ず伝えます!」


 メアリーはミリアムのドレスが入った衣装箱に宝飾品の箱を入れ、衣装箱を持ち上げて寝室を出て行った。


「クラリス様、緑色の靴がなければ別の色でもいいでしょうか?」

「ダメに決まっているわ。早く探して」

「わかりました」


 マーサが衣装部屋に戻ろうとするが、クラリスが呼び止めた。


「待って。ドレスを片付けて」

「靴を探さないと」

「シワがつかないようにすぐしまって。私は宝飾品をしまうわ」

「わかりました」


 クラリスは宝飾品の箱、マーサがドレスを持って衣装部屋に移動しようとした。


「クラリス、待って! 婚約指輪の箱だけは置いていって。ミリアムに見せるから」

「わかりました」


 クラリスが小さな箱をモードに渡した。


 その箱をモードはミリアムに差し出す。


「支度が終わって暇でしょう? これを見ていればいいわ」

「ありがとうございます」


 ミリアムは小さな箱を受け取った。


「ここはカーテンのせいで暗いから隣の部屋で見て来るといいわ。窓の側で光を当ててね」

「わかりました」


 ミリアムは小さな箱を持って応接間へ移動する。


 窓の側に寄った瞬間、ドアが強くノックされた。


 ミリアムはコンソールテーブルの上に小箱を置き、ドアに向かった。


「誰ですか?」

「私だ!」


 レイモンドだった。


 ミリアムは内鍵をはずしてドアを開けた。


「モードは?」

「支度中です」

「最初に着た白いドレスにするよう伝えろ! ミリアムもさっきのドレスに戻せ! このあとの茶会におじい様が来る。良い印象を持ってもらうため、正装でおじい様を迎えることになった!」

「わかりました」

「時間がない! 急げ! 化粧は薄めでもいい! 私も着替えに戻る!」


 レイモンドはそう言うと急いで行ってしまった。


 ミリアムも走って寝室へ向かった。


「モード、レイモンド様から伝言です! お茶会にダートランダー公爵が来るので正装だそうです! 最初に着た白いドレスにするよう言われました!」

「大変だわ!」


 モードは椅子から立ち上がった。


「クラリス! すぐに来て!」

「どうされたのですか?」


 衣装部屋から急いでクラリスが戻って来た。


「ダートランダー公爵がお茶会に来るそうよ! レイモンド様が最初に着た白いドレスにするようにって!」

「わかりました! 宝飾品を出します!」

「プラチナとダイヤモンドの方よ! 靴も白いのを出して!」

「もちろんです! マーサ! 白の正装に変更よ!」


 部屋の中が急に慌ただしくなった。


「私も手伝います! どうすればいいですか?」

「ミリアムはその服装でいいと言われたの?」

「さっきの服に着替えないといけません。でも、メアリーが持って行ってしまいました。戻ったら伝えます」

「私の方はいいから、すぐにダートランダー伯爵夫人の部屋に行って衣装と宝飾品を持って来て!」

「場所がわかりません」

「廊下を出て右の方に行って。突き当りを左に曲がるのよ。きっと戻って来るメアリーと会えるわ!」

「わかりました!」


 ミリアムは急いでモードの部屋を出た。


 途中の廊下で戻って来るメアリーと会う。


「メアリー、大変です! 最初の衣装に変更になりました! 正装だそうです!」

「ええっ! また正装ですか?」

「そうです! ダートランダー伯爵夫人の部屋に取りに行かないといけません!」

「わかりました! 行ってきます!」

「私も一緒に行きます! すでに箱が分けられていたら、衣装箱を持ちます! 宝飾品の箱を持ってください!」

「はい!」


 ミリアムとメアリーは急いでダートランダー伯爵夫人の部屋へ向かった。


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