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5.魔法と聖魔法

「それは───お嬢様が自分で回復魔法を使ったということです。」


すると、ジェラルドは不思議そうに首をかしげる。


「そんなことあり得るのか?シャーロットが今まで回復魔法を使えたことはないぞ?」

「えぇ。ですが、先ほどの二つの可能性はほぼなく、そして考えられるのもそれ以外ないため判断しかねていまして。…お嬢様、なにか心当たりはございませんか。」


さりげなく、シャーロットが寝ている間に回復薬を飲んだ可能性は消されている。そのことを少しだけ不満に思いつつも、質問について考える。


(心当たり…。さっき前世の記憶が一部戻ったことって結構な重要事項だったりするかしら?)


「心当たりなら一応あるわ。どこから話したらいいのかしら…。えっとね、さっき寝ている間に、夢のみたいな感じで前世の記憶を見たの。そこで思い出したのはまだ一部なのだけど、前世で私は今から100年前に生きる小さな村の聖女だったわ。」


二人はただの夢だと切り捨てることなくシャーロットが言い終わるまで、驚きつつも真剣に聞いてくれた。夢の内容を伝え終わった時、ジェラルドは静かに口を開いた。


「…なるほど。まだ完全に受け入れられていないが…確かに、魔法が使えるかどうかは遺伝とかではなくその心と繋がっているという説があったな。ある研究者によると、事故で記憶喪失になり、人格が変わってしまった者が急に魔法が使えるようになったり、多重人格者はその人格の切り替わりで魔法の可否も変わったりするらしい。それを踏まえると、魔法の使用の可否は、その身体に関係なく、心__まあ、言い換えるならば魂──によるものなのかもしれない。そう考えると今の話も辻褄が合う。」


「…それでは、魔法の方はどうなのでしょう。使えるとしたら、お嬢様の属性は炎、光ですよね」


この世界では、魔法属性は瞳の色に反映する。赤は炎、青は水、黄は光、緑は草、橙は岩、紫は防御、白は風だ、そして黒が闇だ。

基本はこの色で分類され、瞳の色が二色だと、その二つともが属性としてカウントされる。

かくいうシャーロットも、瞳が下半分が赤から黄──正確にはマゼンタからレモンイエローへグラデーションになっている。

ちなみに聖属性に関しては、サンプルとなる聖女が少ないため、聖属性は他と違って瞳に固定の色があるわけではないこと以外は判明していない。


そして、魔法は魔力や聖力が無ければ使うことはできない。そのため、3年に一度、魔力所持検査と、さらに聖力所持検査が行われる。

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