28.思わぬ出会い2
「......っはぁ!?」
アレクシスは目を輝かせるシャーロットに体をのけぞらせる。
「お前、何言ってんだ!?」
「教えてください、って言ってるわ!だって、コンバラリアって!!王をを支える四つの柱の一本、王の専属諜報機関である、あのコンバラリアよ!そんな技術、知りたいに決まってるわ!オールマイティーへまた近づけるもの!」
「お前なぁ…。ふっ、そうかよ。けどな、俺らは裏社会の人間だ。だからその名前が知られている割にその活動は何をしているか知らないかもしれないがな。時によっては、人を始末することだってある。そんなのお考えとは合わないんじゃないですかね、聖女サマ」
アクレシスは皮肉気に口の端を上げる。
どうやら、アクレシスは聖女に対して相容れない何かがあるらしい。
(昔、何かあったのかしら?それに、なんで私が聖女だって知ってるの?)
頭の中は疑問がたくさん浮かんでいたが、教えるよう説得すべく、澄ました顔で反発していく。
「あら、どんな聖女様を想像しているか知らないけど、私はそんなことないわ。聖女の時は聖女らしく、諜報員の時は諜報員らしく振舞うもの。それから、自分に害を為す相手を先に始末することに関してはとても合理的で私は好きよ。先手必勝だわ!」
シャーロットのこういうところは、複雑な生まれに起因する。シャーロットを深く知る人間ほどよく言う『大人っぽいところ』の一部である。
「ふーん、なるほどね。お前が教えられるメリットとお前の変わり者っぷりはよーく伝わった」
別に変わり者だなんて伝えてなければ、そもそも変わり者でもない。と、文句を言おうと口を開いたが、アレクシスが先に言葉を重ねる。
「が、俺が教えるメリットは何だ?教えるならその期間は?お前に素質がない可能性だってあるぞ。そしたら仕事中にバレてお前の命は呆気なく散っていくだろうな」
(まぁ、よっぽど教えたくないのね!…まぁ、下手に教えたら今度は王家が情報を盗られる可能性だってあるものね。そう簡単には教える訳にはいかないのでしょうね。なんとか説得しないと…)
ここで答えられなければ、アレクシスは絶対に教えてはくれないだろう。
暑い日差しのせいか、はたまた緊張のせいか。シャーロットの額に汗が滲む。
高鳴る鼓動を抑えながらシャーロットは慎重に口を開いた。
「…期間は半年。メリットならあるわ。私は色々な場所で過ごしているから内部の情報が入りやすいもの。そして、素質もあるわ。ふふ、だって、どこぞの隠れたプロの諜報員の存在に気づいたんだもの。教えてくれたらミスはしないわ」
半分虚勢を張って、堂々と話していく。
多分、話している私はなかなかの悪女顔だろうな、と思いながら。
話していく内に、アレクシスの表情は皮肉げなものからニマリとした笑みに変わっていった。
(こ、これはどういう変化なの?)
戸惑いながらアレクシスの反応をじっと窺っていると、アレクシスはふと手を上に上げた。




