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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第四章】新しき風、蒼白なる魂を運びて

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第四声、花の香りは過ぎ去り、肉の匂いが漂う

「まずは私の依頼を達成してくれてありがとう……と言うべきだな」


「あぁ感謝の気持ちは伝わってるぜ。呼び出し場所が『花園喫茶店』から別の店に変わってるからな」


 ここは『鉄板牛太郎』。

 あの花粉で満たされた『花園喫茶店』とは異なり、今度は肉の香りが漂う。

 ジュウジュウと心地よい牛肉の焼ける音が鼓膜を揺さぶる度、涎が垂れそうになる。


「俺、レバーが好きなんだよな」


「レバーか、健康に良いとは聞くが……君、身体に気を遣うタイプだったか?」


「味が俺好みだから食ってるだけだ」


 他の肉には無いこの独特な味が良いんだろうが。

 ――――旨っ。

 これだよこれ、この味が俺の味覚を刺激する……!


「すみません、タンとカルビ、ついでにレバー追加で」


「「ついで」? 俺のレバーがついで扱いか?」


「私はあまり好きな味ではない」


「お前とは食の好み合う気がしないぜ」


 そもそも、カフェイン中毒の珈琲ソムリエと食の好みが合う訳は無かったんだ。

 俺は紅茶が良いと何度も言ってるのに、こいつは頑なに珈琲しか飲んでない。

 挙句の果てには「珈琲は主食」とか宣うんだぞ?


「すみません、もう1つ珈琲頂けませんか?」


 こいつイカれてやがる……!


「ここに来てまで珈琲を頼むか?!」


「むしろ、メニューに珈琲があるからこの店に居る」


「………………」


 駄目だこいつ、早く何とかしないと……。

 ……いや、いいや、もう何か言うのにも疲れた。

 祐介は一生珈琲ガブ飲みから解放されないんだろうな。


「所で……蓮、変わったな」


「……変わった?」


「『Relics Online』――――いやゲーム全般の話かもしれないな。君は他プレイヤーとの距離が近くなったような気がする」


 ――――言われてみれば、そうなのかもしれないな。

 あのゲームを始めるまでは、俺はいつもソロでゲームをしているような奴だった。


「環境が人を変えるとは言うがね……以前は他者と関わる時、君の脳裏には「警戒」の単語が浮かんでいたような気がするよ」


 信用に値しない――――

 前の俺なら他者との関係を切り捨てていた。


 だが『Relics Online』での交流は気分が良い。

 それは俺自身も他プレイヤー達に歩み寄ったお陰なのかもしれない。


「…………さぁ、何でだろうな。余程あのゲームを気に入ったからなのかもしれんな」


「そうなのか、なら『Relics Online』を続けるのか?」


「そのつもりだ」


 こんなにハマったのは本当に久しぶりなんだ。

 そう簡単に辞めるつもりは無いね。


「私としても、今の所辞める気は無い。いつかゲーム内で会う事を楽しみにしているよ」


「つーか『スノー街』だっけ? 何処にあるんだよ」


「さぁな、こちらとしても他会社のプレイヤーと遭遇したとの報告は無い。相当フィールドが広い可能がある」


 それは楽しみだな。

 別会社プレイヤーとの交流というのも悪くない。

 これから『Relics Online』はもっと面白くなっていくだろう。


「あ、ちょっと待った。()()だよな?」


「あぁ、()()が奢りだ」


 そうかななら良かっ――――


 ん?


「…………祐介、お前も冗談が上手くなったな」


「やはり他人の金で食う焼肉は旨いな。蓮の気持ちが分かった気がするよ」


「おいこら、聞いてないんだが?」


「ちなみに、私の手持ちに財布は無い」


「……………………ガチでゲーム内で会ったら覚えてろよ」


 その後、ちゃんと奢った。

 それはもう、凄く嫌そうに。


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