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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第三章】人外共の頂上決戦

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57/63

【準々決勝】第二試合

「あの勝ち確の状況から巻き返すか……」


 万事屋――――

 彼は思ったよりやるようだな。

 このトーナメントに進出するだけの実力はちゃんと備わっている。


 あの水の光線は案外避けずらそうだったな。

 直線には飛んで来る事無く、曲線で飛来し、無数の触手を切り刻む。

 普通の相手だったら水鉄砲だけで十分無双出来るだろう。

 それに加えて、サーフボードの機動力も目を見張る物がある。

 流石に蛇者程の速度は無いが、自律して動いているが故に死角からの奇襲をする事が出来た。


 ヌルハートの物量攻めも恐ろしかった。

 周囲に突然生える触手は1本1本が容易に身体を貫通出来るだけの威力を誇る。

 それを無数に生え並ぶ光景は悪夢そのものだろう。


「にしても、拘束ってそんな抜け穴あったんだな……」


 前に『ムシムシ密林』でドロップした軍隊の顎鋏にも拘束の状態を与える物だったが、自分が動けないのが致命的だからスルーしていた。

 他にプレイヤーが居たり、ヌルハートのように自律した存在が居るなら採用の余地は十分ある。


 サーフボードも自律した存在でなければ、勝負はヌルハートが勝っていただろう。

 それ程までに拮抗した戦いだった。


「考察はここまでにして――――そろそろだな」


[第二試合 開始準備]


 次の瞬間、周囲の空間が歪む。

 すると、辺りは()に染まった空間だった。


『トーナメント 白骨砂漠』


 戦場は一面白い砂だった。

 周囲には巨大な骨が地面に突き刺さったりしているが、逆に言えば障害物はそれだけだった。

 地平線にまで続く大砂漠、その中央で俺達は雌雄を決す事となる。


「くまっ!」


「くま?」


 プレイヤーネーム"無害なクマ"は名前の通り熊の着ぐるみを来ているようだった。

 非常にポップな作りをしており、景色も相まって中々シュールに見える。


「くまっ! くまっ!」


「「ロールプレイだから気にするな!」だと? なら仕方ないか」


 これはVRMMOであるからして、例えば"まおう"のように悪役ロールプレイをしたり、また別のロールプレイをしたいってプレイヤーは一定数存在する。

 そんなプレイヤーを接する時に大事なのは「受け入れる」事。

 その独自の世界を受け入れた上で、飲み込まれないように冷静を保つ。


「お互い、全力で戦おうぜ」


 無害なクマはウンウンと頷いた後――――

 様子がガラリと変わった。


[プレイヤー 無害なクマは準備完了しました]

[プレイヤー 赤月は準備完了しました]


[第二試合 開始まで]


[3]


 無害なクマから底知れぬ威圧が放たれる。

 俺は災極双転銃を構え、銃口が無害なクマを捉える。


[2]

[1]


 両者、何も喋らない。

 俺達は集中を深め、緊張が流れる。


[0]

[第二試合 開始]


 俺は開始と同時に大きく回避行動を取る。

 それは()だった。

 何かが来る――――

 そんな予感が心の奥からずっと付いて回っていた。


 そして、その予感は的中した。


「【気功掌底】ッ!」


 それは空気の()だった。

 それは、ただの()()()であった。

 無害なクマは手のひらを空に押し当て――――


 ボンッ!


 俺が元居た場所から()()が巻き起こった。


「――――はっは! なんて奴だ!」


「【倍速】【気功掌底】【気功掌底】【気功掌底】【気功掌底】」


 ボンッ!

 ボンッ!

 ボンッ!

 ボンッ!


 更に、その爆風は終わらない。

 全力疾走する俺を捉え、空気砲を連打する。

 まるでその動きが()()になっているようだった。


「【極性災雷】」


 バババババババババン!


 駆け抜ける最中、俺も反撃とばかりに雷弾を連射する。


「くまっ!」


 無害なクマは最低限の動きで雷弾を躱しながら急接近する。


「【超速連撃】くまっ!」


 一瞬、無害なクマの拳が()()()見えた。

 それ程までの素早い連打――――


「くまっ?」


 俺は天高く飛び上がり、無害なクマの頭上を通る。

 身を翻すのと同刻、災極双転銃の引き金を引き、無数の雷弾を――――


「【気功掌底】ッ!」


 ボンッ!


「……っ!」


 だが、無害なクマは即座に振り返るのと同時に【気功掌底】を撃つ。

 それにより、遠くまで飛ばされてしまった。


「がはっ……!」


 俺は直ぐに態勢を立て直し、再度全力で駆け抜ける。


 ――――不味いな、【気功掌底】をモロに喰らった。

 1撃で俺の体力を3分の1を持っていく火力をしている。

 後2回喰らったら確実にキルされるだろうな。


「【倍速】【気功掌底】【気功掌底】【気功掌底】【気功掌底】」


 ボンッ!

 ボンッ!

 ボンッ!

 ボンッ!


 その威力を遠くからマシンガンの如く連射してきやがる。

 それに加え、【超速連撃】による近距離の連打。

 言ってしまえば、遠近両刀の超攻撃特化型だろうな。


 バババババババババン!


 俺がいくら雷弾をばら撒こうが、攻撃の妨害にしかなっていない。

 ここまで攻撃性能盛り盛りなビルドしてるんだ。

 守りを削っているとしか思えない。

 ……いや、そもそも当たってねぇ!


 バババババババババン!


 困ったな、攻撃が当たる前提のビルド構成しているのに、そもそも攻撃が当たらないんじゃ意味が無い。

 あそこまで俺の攻撃を警戒して回避しようとしてるって事は、逆に言えば当たれば勝て――――

 当たらないから問題なんだわ!


「【倍――――」


 バババババババババン!


 無害なクマが再度【倍速】を使おうとした瞬間を狙って雷弾を放つも、簡単に躱される。


 一体どう――――


「……んあ?」


 心無しか動きが遅くなった……?

 もしや【倍速】のお陰で高速戦闘してたのか?!


 バババババババババン!


「くまっ?! くまっ!」


「どうした! 使えよその技!」


 動きが遅くなってるクマなど、正真正銘の()()

 無害なクマの攻略法、見つけたり!


「……【倍速】ッ!」


 バババババババババン!


 無害なクマはその時、【倍速】の効果発動を優先した。

 それにより、雷弾が()()()


 バンッ!


 俺は即座に後ろの骨の障害物に向かって青の雷弾を放つ。

 赤と青――――

 彼らはお互い惹かれ合う。


「くまっ……!」


 だが無害なクマは【倍速】の速度によって一瞬に()()する。

 かつての玩具戦士のように、無害なクマは速度によって一時的な行動を可能としていた。


 バババババババババン!


 それでも災極双転銃が止まる事は無い。

 抵抗しているとは言え磁力の影響は受けている。

 これを避ける程の動きはもう出来ないはずだ。


「【超速連撃】ッ!」


 無害なクマは最後の抵抗として俺に近付き連打を喰らわせようとするが――――


「もう遅いぜ」


 バババババババババン!


「く……まっ……!」


[プレイヤーネーム 赤月が第二試合に勝利しました]

[プレイヤーネーム 赤月は準決勝に進出しました]


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


名前 赤月

階級 ランク28

所持金 46500HG

(所持ポイント 700BP)

武器 災極双転銃【極性災雷】

武器 災極双転銃【極性災雷】

防具 災雷纏装【極性増幅】

装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】

装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】

装飾 蜂王の統率環【群体支配】


ステータス

体力 150

魔力 150(+25)

攻撃力 60(+10)

防御力 50

素早さ 40(+10)

毒効力 1毎3(+1)

自動魔力回復 1秒毎4(+1)

状態異常命中 +100%


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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