表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第三章】人外共の頂上決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/63

【準々決勝】第一試合

本日2話投稿目!


これから全試合書いていく都合上

結構別プレイヤーの視点入ってきます

ご了承ください

[第一試合 開始準備]


 私、魔羅(マラ) 祐介(ユウスケ)――――

 もといヌルハートは戦場へと転移されていく。


『トーナメント 砂岩山』


 戦場は砂岩に覆われた土地だった。

 周囲には固められた砂岩が転がっており、常に横薙ぎの風が吹かれている。


「やぁ、君が噂のヌルハート君だね?」


 対戦相手はプレイヤーネーム”万事屋”。

 彼は飄々とした口調で話し掛けて来る。


「万事屋――――いや、元()()()と形容すれば宜しいかな」


「……へぇ」


 万事屋は一瞬、目を細める。

 八百屋――――

 その名前はあるVRMMO『スペースアナーキー』と呼ばれるゲームでの名前だ。

 彼がそのゲームで()()という名のドーピング薬を売り捌いていた事は、まだ記憶に新しい。


「第八回目の王者――――君ならこの意味を寸分違わず理解出来るはずだ」


「……はっはっは! これは驚いた、まさかの()だったとは!」


 まるで面白いネタを見せつけられたかのように、万事屋はケタケタと笑う。

 その笑いの中にいくつかの()()が入っている事を、私は見逃さなかった。


「……あの件のリベンジと行こうか。万事屋」


「君も必死だねぇ〜そんなに怒っているのかい?」


「当然だとも。()()()()()が、私の物を咥えて走り去ったんだ。躾を付かせなければ気が済まないね」

 

 万事屋は少しピクリと震える。

 確かに彼は煽り屋ではあるが、それと同時に煽りに弱い。


「……言ってくれるじゃないか。だけどね、今度は君がそうなる番だよ」


「それは試してみないと分からないな」


[プレイヤー ヌルハートは準備完了しました]


「確かにそうだね。それじゃ、口上はこれくらにして……さっさと始めちゃおうか!」


[プレイヤー 万事屋は準備完了しました]


[第一試合 開始まで]


 万事屋、武器遺物を構える。


[3]


 万事屋は()()()のような武器遺物を構えていた。

 ただの舐めプか、それとも秘密兵器か――――

 どちらにせよ彼のニヤケ面は止まらない。


[2]


 対するヌルハートは――――

 何も構えない。

 決闘開始まで武器遺物を出さないつもりなのか、それとも()()()()()()のか。


 ――――それは、直ぐに分かる事だ。


[1]


 両者、緊張が走る。

 この勝負を制した者のみが準決勝へと勝ち上がるのだ。


[0]

[第一試合 開始]


 次の瞬間、万事屋の持つ『高圧水撃砲(水鉄砲)』から線のように細長い水が放出される。

 だがその()()が現実の水鉄砲とは異なる。

 水の勢いは音速を超え、水圧カッターの如くヌルハートの心臓へと向かって飛んでいくのだ。


 だが――――

 その水が身体に届く事は無い。


「うげっ……!」


 万事屋は不意に声が漏れる。

 ヌルハートの身体から幾重の()()が蠢いており、その内の1つが水の光線を弾き出していた。


「失礼、私のペットだ」


「良く趣味が悪いって言われない?」


「この子の可愛さが分からないとは。センスが無いようだ」


 『奈落蠢動の心核』から放出したは無数の触手達は、ヌルハートの手となり足となり、自在に動かしてフィールド中を駆け回る。

 見る者を不快にさせる動きを行いながら、バレリーナのように触手を万事屋へと伸ばしていく。


「何だよそれ、気色悪すぎ!」


 万事屋が悪態を付きつつも、ヌルハートの攻撃を余裕を持って避け続けている。

 それ何処か『高圧水撃砲』を振り回し、触手の1つを()()()()()


「くっ……!」


「なる程、弱点は付け根だね!」


 触手は先端であればある程硬度が高く、付け根であればある程硬度が低くなる。

 その弱点が判明したのか、万事屋は大きくフィールドを駆け回りながら隙を探し――――

 更に1本の触手を切り離す事に成功する。


「確かに触手は脅威だけど、切り離してしまえば――――」


「【超再生】」


 ヌルハートがそう唱えると、切離したはずの触手を即座に再生した。


「「切離してしまえば」――――何だって?」


「……そう簡単には行かないよね〜」


 触手は再度活発な動きを見せ、先程よりもより大きくアグレッシブに動き回り、万事屋を追い詰めていく。

 だが万事屋も『高圧水撃砲』から射出される水圧光線をしならせ、触手を1本1本切り刻んでいく。


「それなら、僕もギア上げてくよ!」


 万事屋が取り出したのは()()()()()()であり、その上に乗ったと思えば地面から水が放出される。

 万事屋は地面を、壁を、空中を『波翔板(サーフボード)』で自由自在に動き回り、それに加え水の光線を出し続ける。


「小癪な……! 【異形解放】ッ!」


 ドゴォ!

 ドゴォ!

 ドゴォ!


 ヌルハートは絶え間ない水圧光線を捌きながら、全力で無数の触手を伸ばす。

 身体から、地面から、壁から、あらゆる場所から巨大な触手が飛び出した。

 蠢く触手は獣のように万事屋を捕らえようと震わせる。


 触手は何も10本や20本ではない。

 3桁を超える程の触手を同時に出現させている。


 それは、まるでクラーケンに追いかけられるサーファーのようであり、万事屋は観客に魅せるように舞う。

 触手を出しては細切れにされ、触手を出しては輪切りにされ、触手を出しては千切りにされる。


「かぁっ!」


 ヌルハート本体の身体からも無数の触手が伸びている。

 ロボットを操縦するかの如く触手を伸ばし続け、猛攻を止める事は無い。


「ヌルハート! 君がどれ程の手数を持っていたとしても、僕には敵わない。物量攻めで僕を落とせるとは思わない事だね!」


「どうやらそのようだな……ならば!」


 ヌルハートの動きが更に素早くなる。

 触手による物量攻めは辞め、自身の身体能力を向上させるコンパクトな攻めに回る。


「【終ノ抱擁】」


 ヌルハートは目にも留まらぬ速さで、触手を纏わせた拳を万事屋の腹へと殴り付ける。


「がはっ……!」


 その一瞬、万事屋は気が付く。

 ――――離れない!


 いつの間にか、身体に触手が絡みついていた。

 しっかりと万事屋の身体を縛り付けており、中々抜け出す事が出来ない。


「状態異常を扱うのは、何も赤月の専売特許ではない」


()()の……状態異常?!」


 拘束の状態。

 それは相手の動きを止める事に特化した状態異常であり、使用者本人が許可しない限り解ける事は無い。


 デメリットはある。

 それは使用者本人もその場から動けなくなる事だ。


「私には愛らしい触手達が居る。私が動けなくとも、この子達さえ動ければ良い……!」


「くっ……考えたな……!」


 あくまで動けなくなるのは使用者()()

 触手は本人とは独立した扱いとなる為、制限の影響を受けずに攻撃する事が可能となる。


「終わりだ……!」


 ヌルハートがトドメを刺そうと触手を蠢かせる。


 ――――違和感。


「あぁ、その通りみたいだね……お前がな!」


 ニヤリと万事屋は顔を歪ませる。

 その直ぐ視界の端には、『波翔板』が飛んで――――


 バゴンッ!


「ごふっぁ……!」


 拘束は()()()()


「――――じゃあな!」


 万事屋はその一瞬の隙を縫い合わせるかの如く――――

 水圧光線を発射した。


[プレイヤーネーム 万事屋が第一試合に勝利しました]

[プレイヤーネーム 万事屋は準決勝に進出しました]


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ