トーナメント 開幕
[これよりイベントが開始されます]
[入場しますか?]
[承認/拒否]
承認。
『イベントホール』
俺は再度イベントホールに入場した。
だが昨日のバトルロワイヤルとは違い、周囲に居るのは数人のプレイヤーのみ。
この中から、たった1人の頂点を決める。
辺りの空間は静まり返っていた。
昨日の喧騒がまるで嘘のように、張り詰めた空気だけがそこにある。
――――八人。
それぞれがブロックを勝ち抜いた猛者であり、その1人1人が、バトルロワイヤルを生き抜いた実力者だ。
「――――諸君、再びようこそ」
現れるは、あの仮面の案内人。
変わらぬ無機質な仮面と、感情の読めない声音が響く。
「後半戦トーナメント、これより開始します」
低く深く、それでいて明朗なその声で、空気がさらに引き締まったような気がした。
「本トーナメントは、単純明快。準々決勝、準決勝、決勝――――三戦を勝ち抜いた者が、優勝者となります」
ホログラムに、対戦表が映し出される。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【準々決勝】
第一試合
ヌルハート VS 万事屋
第二試合
赤月 VS 無害なクマ
第三試合
BAN VS あやとり
第四試合
ヒーロー VS 蛇者
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「対戦相手はご覧の通り。試合形式は一対一とし、制限時間は無し。相手を戦闘不能にするか、降参させることで勝敗が決定します」
「無害なクマ……ねぇ?」
その名前だけ見れば優しい森のクマさんを思い浮かべる。
――――そんな訳が無いだろ。
あのバトルロワイヤルを勝ち抜いた時点で全員警戒に値する猛者であり、化け物だ。
「フィールド破壊、広域殲滅、範囲制御等々、諸君らの全力を、余すことなく発揮して欲しい」
遠慮は一切不要という訳だ。
この場を制した者のみが、優勝者に相応しい。
「これより準々決勝、第一試合が行われます。それ以外のプレイヤーの皆様は、特別観戦室にてお待ち下さい」
[第一試合 開始準備]
次の瞬間、周囲の空間が歪む。
いつの間にか、ある個室に転移させられていた。
ここは戦場を一望可能であり、宙に複数枚のホログラムモニターも浮かんでいる。
側の机には各種飲み物とつまみとなる菓子類などが置かれており、ここから優雅に観戦が可能となっているようだ。
「特別待遇を受けてる感じするな」
俺は紅茶をカップに注ぐ。
そして、椅子に座り、一口啜る。
「……気分が良いぜ」
ちゃんと紅茶の味も再現されているな。
腹に入っている様子は無いが……最近のVRMMOはここまで進化していたか。
「もし祐介が来てたら、絶対珈琲飲むだろうな」
あいつはそういう奴だ。
その上偉そうに「現実の珈琲はもっと旨いはず」とか文句垂れ流すに違いない。
あの珈琲ソムリエなら絶対言うな。
「そうだ、つーか祐介は何処行ったよ。あんだけ私怨宣ってたのに、肝心のあいつの姿が――――」
祐介も祐介で、知能犯ではあるがそれなりにPSも上手な方だったはずだ。
そんな彼がトーナメントまで進出してないなんて事……あり得るのか?
……とくれば、もしやトーナメントの誰かが祐介の可能性が出てきたな。
「俺――――赤月とBANと蛇者は除くとして、万事屋な訳無いし、あやとりは女性だろ? 無害なクマ……みたいな変な名前にするとは考え辛い」
残るはヌルハートかヒーローだ。
あいつは英雄志望とは真反対に位置する者。
流石にヒーローではない。
――――ヌルハートか?
「確か第一試合ってヌルハートと万事屋との決闘だったような……」
そう思って、ふとホログラムモニターを見やる。
すると明らかにキレてそうなヌルハートと、対照的に余裕綽々な万事屋が映し出されていた。
「……なる程、因縁の対決って訳だ」
ならば、その決闘を特等席で眺めるとしよう。
さて、ヌルハート。
――――お前はどう踊るんだ?
化け物頂上決戦開幕ッ!
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名前 赤月
階級 ランク28
所持金 46500HG
(所持ポイント 700BP)
武器 災極双転銃【極性災雷】
武器 災極双転銃【極性災雷】
防具 災雷纏装【極性増幅】
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】
装飾 蜂王の統率環【群体支配】
ステータス
体力 150
魔力 150(+25)
攻撃力 60(+10)
防御力 50
素早さ 40(+10)
毒効力 1毎3(+1)
自動魔力回復 1秒毎4(+1)
状態異常命中 +100%
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