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—Relics Online— Chapter 1「状態異常使い、敵を溶かす。」  作者: MeはCat
【第七章】夢の跡地【別視点】

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行方不明

三人称視点です。

 一方、東側の戦場では『アマテラス社』を中心とした()()が始まっていた。

 敵方は“万事屋”、“飛雷神”、“雪華”、“わたあめ大将軍”を筆頭とした複製体で溢れている。

 質も高く数も多いが、それでも余裕そうに『アマテラス社』のプレイヤー達は各々の戦果を挙げていた。


「BANはどれだけ複製体倒したんだい? ちなみに、俺は……既に5人は倒してる!」


「蛇者さん、キルした瞬間自慢しに来るの辞めてもろてええですか? 私は6人やね」


「抜かされてる……だと?!」


 蛇者は悔しそうに姿を消す。

 少し経った後、遠くで激しい戦闘音を響かせていた。


「……これ俺達必要か? 絶対要らんよな?」


「正直要らんね、戦力過多や」


 せっかく助っ人に来た爆弾愛好家だが、今は退屈そうに立ち竦んでいる。

 その原因は目の前の戦場にあり、最早自分達が参戦しなくても勝利は確実な程に優勢となっていたからだ。


「皆さん、私の料理はとうですか?」


 ふと遠くから、プレイヤー“クワバラ料理人”が料理を配膳台で運んでいた。

 鼻腔をくすぐり、見ただけでも美味しそうな料理の数々がズラリと並んでいる。


「戦勝会には、まだ早いんじゃねぇか?」


「いえいえ、これまで皆さんは戦闘しっぱなしでしよう。一時の休憩も、必要だと思いますよ」


 この『夢の跡地』に迷い込み、狂乱化ボスに追いかけ回され、挙句の果てには空から列車が舞い降り、そして今まさに多くの複製体が襲いかかってきている。

 更にその前には『セイレーン社』との抗争まで行っていたとなると、精神的な疲労が溜まってきているはず。

 この肉体は何度死んでもデスポーンするが、精神は摩耗しダメージを蓄積されていくのだ。


 クワバラ料理人の言う通り、一時の休憩が必要である。


 職業である料理人は、基本的には長期的なバフを得る為のものである。

 しかし、料理の味はリアルに再現されており、味覚目当てで食事をするプレイヤーも少なくない。


「では、お言葉に甘えて」


「私もご一緒しようかしら」


「そこまで言うなら……俺も食べるか!」


 机に並べられた料理はパスタ類を主食として、魚介系をふんだんに使用した料理が多い。

 勿論、野菜もこれでもかと言う程に盛り付けられている。

 実に身体に良さそうな付け合せであった。


「お、これ案外旨いやつじゃんwww」


「確かに旨そうな料理だね。オジさんにも分けておくれよ」


 戦い終わったプレイヤー“税金徴収者”と“玩具戦士”が料理につられてやって来る。

 戦闘後には、あっさりとした食事が骨身に染みる。


「まさかと思ったら本当に食事会してるとは……」


「せっかくだし、私達も食べよ! 知ってた? VRの中じゃいくら食べても太らないんだよ!」


「でも満腹にはならないにゃよ?」


「そー言うのは良いの!」


 続いてプレイヤー“落ち葉”、“夜風”、“猫仙人”も遠くから歩いて来る。

 VR世界の食事は味覚だけ再現されたものであり、どれだけ食べても太らない代わりにお腹も満たされない。

 それはそれとして、味を楽しむだけならこれ以上の無い体験となるだろう。


「せっかくですし、私達も食べますか」


「賛成〜!」


 更にプレイヤー“黒豆”、“鬼巫女”も合流した。

 彼女達は廃ビルの屋上で多くの戦場の狙撃支援を行っており、それと同時に情報収集と共有の役割も持っていた。

 裏の支援者も一旦は活動を止め、今は食事を楽しむ事としたのだ。


「私達が頑張ってる間に、いつの間にかパーティ会場が出来上がってるみたいやねぇ」


「クワバラ料理人の料理は何度食べても美味だからね。今回も楽しみだよ」


 彼らの動きを見たプレイヤー“BAN”、“蛇者”も後に続いて合流を果たす。

 彼らは『アマテラス社』の()()()なリーダーとして、多くの活躍をしていた。


 何故()()()かと聞かれれば――――

 元々『アマテラス社』にはリーダーが存在せず、彼らは自由にプレイを楽しんでいた。

 しかし度重なる『セイレーン社』の抗争や『夢の跡地』の突発的なイベントにより、纏め役が必要だと再確認した。

 そこでBANと蛇者が臨時的ではあるものの、『アマテラス社』のリーダーとして皆を動かしていたのだ。


 そして最後には――――


「……BAN、()()()の奴見つかったか?」


 “飛雷神”が深刻そうな表情でやって来た。


「……音沙汰なし、やね」


 ――――“まおう”が居ない。


 この『夢の跡地』に多くのプレイヤーが迷い込んでから、たった1度でもプレイヤー”まおう”は見かけなかった。


「黒豆さん、見かけました?」


「いえ、姿すら見ていません。それに……」


「えぇ……“ぽぽたん”、そして“赤月”も行方不明ですね」


 勿論、ログアウトしているだけという線もある。

 しかし、今回の限っては、一斉に3人のプレイヤーが痕跡も残さず行方不明になった点が余りにも不審過ぎる。


「あくまで推測やけど……彼ら、何かしらの()()()踏んでしもうて、別の空間に飛ばされてる可能性がある。そんな気してならないんですわ」


 まおう、ぽぽたん――――

 そして、赤月。


 今も尚、彼らの姿は無い。


これにて、第七章終了で御座います〜!

次は9月の初旬辺りに投稿再開致します!

ご覧下さり、誠にありがとうございました!!

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