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—Relics Online— Chapter 1「状態異常使い、敵を溶かす。」  作者: MeはCat
【第七章】夢の跡地【別視点】

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待ち侘びる思い

三人称視点です。

「【水天昇撃】【水天昇撃】【水天昇撃】ッ!」


 バンダナは【水天昇撃】を乱射する。

 貫通力のある水のビームが地面を盛大に抉り取り、そのまま玩具戦士の複製体を襲う。


「うーん……中々当たらないなぁ……」


 それでも当たった攻撃は1回のみ。

 単に予備動作が大きいだけでなく、玩具戦士の複製体の『鋼鉄機構鎧(パワードスーツ)』の素早さも高い。


 そして【臨界化】――――

 『鋼鉄機構鎧(パワードスーツ)』の全身には黄緑色の紋様が浮かび上がっている。


 このスキルは自身の防御力を高め、被ダメを抑えるものであるが、それと同時に()()()も底上げされている。

 これにより、鈍重な鉄の塊は、身軽な鉄の塊へと性能が昇格するのであった。


 それでも【水天昇撃】の威力は凄まじく、たった1回の被弾で大ダメージを玩具戦士に与えるに至る。


「永年労働者、バンダナのサポートするよ!」


 飴雨は現状をよく把握していた。

 今やるべき事は、【水天昇撃】を当てやすくする為に、少しでも玩具戦士の複製体の動きを止める事だと。


「分かった」


 永年労働者は飴雨の意向を受け取り、玩具戦士に向かって駆け抜ける。


「【重撃採掘】」


 ガンッッッッ!!!


 永年労働者の持つ『採掘鶴嘴』を大きく振り下ろす。

 有効打は与えられないが、その衝撃によりヘイトを永年労働者に向ける。


「【水天昇撃】ッ!」


 その一瞬の隙を水のビームが襲った。

 玩具戦士の体力は残り僅かとなる。


「【反響跳弾】!」


 飴雨は『跳界核』を一斉発射し、多数の小さな球体が玩具戦士の複製体を襲う。


 だが玩具戦士の複製体は、突撃の構えを取った。


「……っ!」


 狙いは飴雨であり、この『跳界核』の嵐の中を突っ切って確実に仕留めようとしていた。


 玩具戦士は地面を蹴り、全速力で飴雨を――――


 ガンッッッッ!!!


「えっ……」


 突然、地面から()()が現れた。

 その触手が『鋼鉄機構鎧(パワードスーツ)』を穿ち、大きく仰け反らせている。


「【水天昇撃】ッ!」


 バンダナは水のビームを放出する。

 玩具戦士の複製体は耐えきれずポリゴンと化した。


「上手く倒せたようで何より」


 ヌルハートは珈琲を啜る。

 あの触手はヌルハートが飼っている触手であり、『奈落蠢動の心核』に秘められた存在達であった。


「総督!」


「部下の不手際は上司が拭うものだ。そうだろう?」


 夜風の複製体、玩具戦士の複製体は片付いた。

 残りは、マヨ船長の複製体のみ。


「【灼熱滅却】ッ!」


 マヨ船長の複製体との戦いも佳境を迎えている。

 グリムは【灼熱滅却】で周囲の廃ビルごと焼き切っているが、それでもマヨ船長の複製体は倒れない。

 むしろ、目の前のグリムを強者とみなして【覚醒解放】まで使用しており、その耐久は並大抵のものではない。


「【破球】」


 『ボレアス社』のプレイヤーも負けじと攻撃を重ねており、着実にマヨ船長の複製体へとダメージを与えていた。


 プレイヤー“KK”は紫のオーラを纏った『破戒鉄球』を思いっ切り蹴り飛ばす。

 その威力と速度は砲弾のようであり、マトモに当たれば並大抵のプレイヤーがミンチになる威力をしている。

 だがマヨ船長の複製体は『解放の錨』を振り上げ、難無く『破戒鉄球』を弾き飛ばした。


「【千本向日葵】――――【巨大化】ッ!」


 続けて攻撃するはプレイヤー“フォビア”。

 無数の投げナイフがマヨ船長の複製体へと向かい――――

 瞬く間に巨大化した。


 マヨ船長は『解放の錨』を正面に向け、【巨大化】した【千本向日葵】を防御する選択をした。


 ガガガガガガガガガガガガガッッッ!!!


 衝突する金属音が響き渡り、徐々に後退する。

 それでも致命打にはならず、正面から防ぎ切っている。


「【魔爪】!」


 グリムは青き魔力で構成された鉤爪を腕に形作る。

 そして、目にも留まらぬ速さで引っ掻いた。


「【灼熱滅却】ッ!」


 追撃として【灼熱滅却】を放つ。

 吹き飛ばされたマヨ船長の複製体は空中で身動きが取れず、マトモに炎のビームを喰らってしまった。


「……むっ?」


 それでもマヨ船長の複製体は寸前の所で死なず、上空に跳躍し、最後の一撃を『解放の錨』に込める。


「――――【魔爪】」


 グリムは再度、魔力の爪を形作る。


 そして――――


「…………我の勝ちだ」


 マヨ船長の複製体は崩れ落ち――――

 力尽きた。


「天晴――――複製体なのが惜しいな」


 グリムは本物との戦いを待ち侘びる思いを語る。

 だがひとまず、この勝負はグリムとバンダナ、そして『ボレアス社』が勝利を収めたのであった。


※無害なクマとスパッツはちゃんと勝利を収めました

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