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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MeはCat
【第七章】夢の跡地【別視点】

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てんやわんや

ヒーロー視点です

 臨時拠点に向かうと、()()の文字すら生温い混沌に満ちていた。

 上空から絶え間なく複製体が降り注ぎ、プレイヤー達が忙しなく迎撃している。


「――――あぁ、やっと来はりましたか」


 その内の1人であるプレイヤー“BAN”は余裕そうな表情を浮かべながら、迎え来る複製体を返り討ちにしていた。

 むしろ武器遺物の特性上、至極冷静に敵を薙ぎ倒していくその様は、まさしく一騎当千の強さを誇る。


「状況は?」


「てんやわんや、やね。()()通り、結界が解放されたのに気付いた魔神が大軍呼び寄せた……それで、見ての通りですわ」


 それでも複製体の大軍に押されているようで、状況は依然劣勢となっている。

 今こそ力を合わせて、奴らを撃退しなくては。


「皆、各戦場に行って手助けに行って欲しい」


「合点承知!」


 爆弾愛好家の声と共に、先程まで共闘してくれたプレイヤー達は各々の戦場へと向かう。


「そうそう、一番守りが手薄な所は南の方やから、そっち行ってくれると助かるんやけど」


「分かった」


 BANの言われた通り、俺は南の戦場に向かってフィールドを駆け抜けていく。

 すると、その先にはプレイヤー“亡霊マダム”とその一味である『彼岸会』が戦闘を行っていた。


「うふふ……これは驚きましたわ。()()()()()()とは貴方の事でしたか、ヒーローさん」


「俺も、まさか『彼岸会』と協力する時が来るとは思わなかったよ」


 『彼岸会』が戦闘を行っている相手は、プレイヤー“KK”、プレイヤー“賢者牧師”、プレイヤー“スカーフ”、プレイヤー“クワバラ料理人”……の、複製体か。


「……ふん、『アマテラス社』じゃなきゃ何でも良い」


「“餓者髑髏”ったら……いつまで『アマテラス社』に負けた事グチグチ言ってるの?」


「口じゃなくて身体動かせよな〜」


 確か『彼岸会』は『アマテラス社』と交戦したと聞く。

 彼らにしてやられてヘイトが高まっているからこそ、今回余り関係無かった俺が駆り出されたのか。


 こういう所でも、やり手だな……BAN。


「さて――――【鎮魂神風】」


 亡霊マダムは身体から()()を生成する。

 賢者牧師の複製体は前方に結界を張るも、すり抜ける。

 そして、身体へと入り込んだ。


 バガンッッッッ!!!


 次の瞬間、人魂をすり抜けられた賢者牧師の複製体、その身体の中から衝撃波が放たれた。

 その衝撃により、身体が破裂し塵となる。


「流石会長!」


「――――海坊主、後ろ」


「え? ……っと!」


 突然後ろから、クワバラ料理人の複製体が斬りかかる。

 海坊主は背中から泥の腕を生やし、大太刀を真剣白刃取りをかました。


「【泥沼拳】ッ!」


 更に地面から沼の拳を飛ばし、顎元を打ち上げる。

 その衝撃により、クワバラ料理人の複製体もポリゴンとなって消えてった。


「所詮は模倣って事だ。俺にかかれば――――」

「【飛来天斬】ッ!」


 バゴンッッッ!!!


 俺が飛ぶ斬撃を飛ばせば、猛スピードで飛来した()()に衝突し、攻撃を逸らす。

 ――――俺の斬撃を持ってしても逸らす事が限界な攻撃なんて、そう多くは無い。


「油断大敵だよ、お兄ちゃん」


「……強いな、あいつ」


 KKの複製体の足元には、サッカーボールのような形をした遺物があった。

 その球体から紫色のオーラが灯されており、それを勢い良く()()

 弾丸よりも速く打ち付けられた球体に合わせて『神霊聖剣』の刃を合わせるも、感触から両断する事が叶わないと瞬時に判断する。

 俺は球体を受け流し、後方へと飛ばした。


「なんだ、あの威力?! ()()かよ!」


 後方では轟音を響かせていた。

 単に球体を蹴っただけでは、絶対に出せない威力。

 それを可能としているのは、あのサッカーボールの遺物そのものの力によるものだろう。


「また来るぞ!」


 もう1度、再度生成したサッカーボールに紫色のオーラが再燃する。

 間違いなく、あれは避けなければならない攻撃だ。


「何だ……!」


 KKの複製体が球体を蹴る直前、突風が吹き荒れる。

 それは大きな隙を作るべく、スカーフの複製体が作り出した風だった。


「くっ……!」


 海坊主に向かって、球体が射出される。


「【剣盾変換】!」


 からかさは『剣盾傘』を展開し、砲弾のような球体の攻撃を防御する。

 ジリジリと後退するも、何とか上に打ち上げた。


 俺は咄嗟にスカーフの複製体のもとへと駆け出し――――

 その首を斬った。


「ナイスだ、ヒーロー! これで邪魔されねぇ! 【白骨狂演】ッ!」


 餓者髑髏は地面から無数の骨を射出する。

 例えこの場にスカーフの複製体が生きていれば、この無数の骨すらも突風で無効化していただろう。


 だが、スカーフの複製体はもう居ない。


 KKの複製体は無数の骨によって串刺しにされてしまう。

 そして、ポリゴンとなって消えていった。


「ひとまずは……片付けましたか」


 ここの戦場は勝利を収めた。

 他の戦場の戦況はどうなっているんだ……?

 複製体に倒されてなければ良いが……。


臨時拠点の防衛戦……ファイッ!

この程度で脅威が終わる訳が無いのだ^^

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