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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MeはCat
【第七章】夢の跡地【別視点】

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栄華の映画

ヒーロー視点です

 目的地に進んでいけば、周囲に多くの()()()が置かれていた。

 最初に迷い込んだ時に見たテレビと同じ物。

 俺達が1つのテレビに近付くと、ふと映像が流れる。


『魔王様、無礼を承知でお聞きします。かつて覇王は魔神と友好な関係であったと聞きます。どのような御方だったのですか?』

『快活な奴だった……とでも言おうか。その上で、あの魔神と対等に渡り合う強者でもあった』

『魔神と……ですか?』

『奴には()()()が備わっている。魔力とは対と為す()()の怪物。奴だけが、其の友となれる存在だった』

『……もう1つ質問宜しいですか?』

『言ってみろ』

『何故、魔王様は魔神と敵対されたのですか?』

『単なる好奇心だ。もし、魔神の力を制御出来れば、どのような恩恵を得られるのだろうか……とな。それ以上は無い』


()()ね……」


 エンジェルが何とも言えない表情を浮かべる。

 常に余裕そうな彼女にしては珍しい様子だった。


「何か心当たりがあるのか?」


「いえ、私の知り合いに”まおう”ってプレイヤーが居るの。文字は平仮名でね。こんな偶然あるのね」


「漢字表記じゃなくて良かったな。どっちの魔王を指しているのか分からんくなる所だった」


 俺がまだ出会っていないプレイヤーだろうか。

 きっと、彼自身も()()というNPCが登場するとは思ってもみなかっただろう。

 設定上出てくる、過去のNPCなのが救いだな。


「赤き力が体力を指してるなら……青き力は魔力を指してるって事で良いのか?」


「そうだろうね。魔力の消費が無いのも、周囲に青い水晶が生えているお陰だと推測しているよ」


「今後は色に着目してみるのも良いかもな。世界観的に秘密が隠されてるかもしれない」


 あまり注力してこなかったが、()はこの世界において重要な要素である可能性が出てきた。

 確かに、雪だるまの言う通り、これから色に着目するのも良いだろう。


「にしても不思議なものだな。さっき流れたのは()()の映像か、古臭いがアタシは嫌いじゃないね」


「どうして、こんなにもテレビが置かれているのかしらね」


「そりゃ……()()()に例のボスが居るからじゃねぇか?」


 ガシャン。

 ガシャン。

 ガシャン。


 それを足音と呼ぶには機械の音が混じりすぎている。向こうから力無く歩き続けるはテレビ頭の機兵。

 だが前回見た時より身体がボロボロになっており、痛々しい傷跡を覗かせていた。


「……We must protect the seal. We must protect the old king……(封印を守らなくては……旧王を守らなくては……)」


「誰か翻訳出来るか?」


「封印と……旧王を守る使命感に苛まれているわね」


「旧王……?」


 こんな話を聞いた事がある。

 魔神は器となる人物に封印されていると。

  前回来た時では、1度魔神が出てきかけた所の映像を見た事がある。

 その後で()()と呼ばれる存在に封印されたのか……?

 あくまで仮説だが、完全に魔神が出現していなかった現状を鑑みるに、後々誰かに封印を施したのは確実だろう。


「悪いが……俺達はその封印を解かなければならない。斬らせて貰うよ」


「Do you intend to resurrect that demon god……? Or will you become its vessel……? Either way, I cannot allow an intruder to live.(かの魔神を復活させるつもりか……それとも、貴様が器となるか……どちらにせよ、侵入者は生かしておけない)」


[クエストボスを発見しました]

[栄華機兵 ヴァル=ムービー]


「Be consumed by glory!(栄華に呑まれろ!)」


 次の瞬間、周囲に置かれた無数のテレビから細長い()が飛び出した。

 かつてヴァル=ムービーが仕掛けた時とは異なり、自身の頭のテレビではなく、周囲のテレビを操作し襲いかかる。


「【亜空鏡】ッ!」


 だがその刃が届く事は無い。

 同じ数の鏡が出現し、刃が鏡を通る。

 そして、無数の刃がヴァル=ムービーへと襲いかかった。


「My attack……!(私の攻撃を……!)」


「多少攻撃パターンが変わっていようが、容赦はしない。【飛来天斬】!」


 無数のテレビが即座に積み重なる。

 そして、飛ぶ斬撃を防がれてしまう。


「へぇ、そうやって防ぐのか。だったら、こいつは対処出来るのか? 【地盤粘土】」


 雪だるまは『地母神大鋤』を地面に差し込んだ。

 盛り上がり、ヴァル=ムービーの両側に巨大な()()()が出現する。


「This is nothing……!(この程度……!)」


 ヴァル=ムービーは両手にテレビを収束させる。

 それと同時に、岩の壁が勢い良くヴァル=ムービーを挟み込んだ。


「【疾風迅雷】【破竹ノ勢】――――」


「もう1度言おうか? 「だったら、こいつは対処出来るのか?」」


 マヨ船長は自己バフをかけ、大きく駆け出した。


「【亜空鏡】」


 それと同時に、前方へ【亜空鏡】を出現させた。

 気が付けば、ヴァル=ムービーの目の前に運ばれている。

 マヨ船長は、その頑強なテレビ頭を捉え――――


「――――ふんっ!」


 ガッキィィィィィィンッッッ!!!


 『解放の錨』を大きく振り下ろし、脳天をカチ割る。

 ヴァル=ムービーは大きく仰け反るも、その隙を狙って俺は()で殴り、遠くまで吹き飛ばした。


 俺は敢えて『神霊聖剣』で斬らなかった。

 何故なら――――


「オーライ♡」


 そこに待ち構えていたのはエンジェルであり、その拳には乙女パワーが込められていた。


「【純愛正拳】ッ!」


 【純愛正拳】を直撃したヴァル=ムービーは、何も出来ずに廃ビルへと衝突する。

 ガラガラと音を掻き鳴らしながら、建物が崩れる。

 一抹の静寂の後、その瓦礫の中からヴァル=ムービーが飛び出した。


「あれだけの攻撃を受けて、まだ立てるのね……」


 一見すれば、もう動けるような身体ではない。

 それでも、ヴァル=ムービーに内包された()()がゾンビの如く現世に蘇らせるのだ。


「Ah……O old king. I will fulfill my duty. I will let no one come near!(あぁ……旧王よ。私は使命を果たします。誰も近づけさせない!)」


 ふと、周囲の景色が歪む。











 気が付けば、そこは現代の世界だった。

 気が付けば、そこは生き返っていた。

 気が付けば、そこは栄華が戻っていた。


「I am the one who protects glory!(私は栄華を守る者だ!)」


 過去の栄華、それはかつての()であった。

 文明という名の映画は、もう戻って来ない。

 それを知って尚、ヴァル=ムービーは酔いしれていく。


[第二形態へ移行]


再戦ヴァル=ムービー……ファイッ!


再戦時でちょっと違う所は

エリアボス→クエストボス

映画機兵→栄華機兵

の表記になってます

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