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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MeはCat
【第七章】夢の跡地【別視点】

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無法なボスラッシュ

この章から別視点や三人称視点などが多くなります


爆弾愛好家視点です

『夢の跡地』


「“爆弾愛好家”さん、これは……!」


 目が覚めると、俺は見知らぬ場所に居た。

 どこか見覚えがあるようで、どこか見覚えのない、曖昧な景色。


 ただ1つ言える事は、俺達はとんでもない事に巻き込まれたというだけ。


「突然の――――転送か? 木こりちゃん、ここ見覚えあるか?」


「いいえ、初めての光景です」


 改めて周囲を見渡してみれば、辺りは廃ビルに覆われていた。

 まるで「荒廃した現代社会」のようで、よくアニメなどで見る終末世界のような場所だった。

 更に印象的なのは地面から生えている、()()()()

 街全体が、水晶に浸食されているのだろうか。


「それに……ここに飛ばされる前、何か()のような、もしくは()のようなものが見えませんでしたか?」


 思い返せば、何者かがこちらを見ていたような感覚が背筋を伝う。

 己の全てを覗き込むような、気味が悪い感触。

 それは全て、あの怪物から発せられたものだ。


「今、この瞬間も気色悪ぃ圧力が伝わってきやが――――」


 気色悪い圧力は、ある方向から伝わってきていた。

 そして、俺がその方向を見た瞬間、絶句した。

 余りに巨大な大穴が街を抉っていたのだ。

 その奥底から、何者かが見ている。


「……っ!」


 ――――何を気圧されてるんだ爆弾愛好家!

 こんな非常事態だからこそ、“木こり”ちゃんを守らなければならないんだろ!

 ここで醜態を晒す訳にはいかない。


「つーか、“まおう”と“ぽぽたん”は何処行ったよ!」


 まおうが迷子になるのは分かるが、ぽぽたんまで消えてる。

 さっきまで一緒に居たのに――――

 転送されてからか、やけに声が少ないと思ったぜ。


「爆弾愛好家さん……あれ」


「どうし――――」


 立て続けに驚愕したのは、遠くに平然と()()()したボスが歩いていた事だ。

 いや、それだけなら驚愕に値しない。

 新大陸なら狂乱化ボスが徘徊しているのはそう珍しくない。


「――――は?」


 ただ問題はその()だ。


 狂乱化ボスがまるで通常モンスターのように湧き出ているのだ。

 ワンチャン……そうワンチャン、通常モンスターが狂乱化しているだけだ――――

 そう思ったのは束の間、最近やっと倒した狂乱化ボスの姿を見て、淡い希望は容易に打ち砕かれた。


「おいおい、ボスラッシュでもこんな無法じゃねぇぞ!」


 本当に、狂乱化ボスが通常モンスター扱いとして出現しているのだ。

 まさしく、()()


「シュルルルルル……!」


[石蛇王 ジ=ガン【狂乱】]


 真っ先に俺達の存在を認識したのは、つい最近俺が倒したボスのジ=ガンだった。

 ジ=ガンの目から放たれる光線は着弾地点を石化して崩壊させる。

 当たったら基本的に即死だと思った方がいい。


「【大震撃】」


 ふと木こりちゃんが飛び出し、『修羅の鬼哭大斧』を振り下ろす。

 序盤の『巨壁回廊』に出てくる粉砕機兵、そのレアドロップ。

 『粉砕機兵の圧壊輪』に込められた【大震撃】によって1秒間気絶の状態となる。


 ジ=ガンさんよ、木こりちゃんの凄さ知らねぇな?


 たかが1秒、されど1秒。

 誰もが認める()()()()、その前では隙を晒す事自体が詰みとなる。


「【閻魔執行】ッ!」


 【閻魔執行】。

 そのスキルは単純な攻撃系スキルにおいて、最大級の威力を誇る。

 攻撃倍率は脅威の500%、その上50%の防御無視。

 ちょっと何言ってるか分からん性能しているが、勿論デメリットはある。


 1度撃ってしまえば()()が残り1%になる。

 もし攻撃を外して反撃されれば、その時点で詰み。

 自身の命を天秤に乗せて、初めて最強の火力を出せるのだ。


 ――――彼女曰く、ダメージに応じた体力吸収の装飾品『強欲の指輪』を付けてるらしいけどな。


 実際、体力ミリとなるデメリットはあって無いようなもの。

 実に考えられた構成だ。

 流石は木こりちゃん。


[石蛇王 ジ=ガン【狂乱】を倒しました]

[『蛇王の装束』を入手しました]

[『石化の眼球』を入手しました]

[『魔水晶』を入手しました]

[20000HGを入手しました]


「キィーッ!!!」


[煌翼蜜喰 ファル=ガルダ【狂乱】]


「――――っと、もう次の奴か」


 大きく飛び退き、間一髪で回避する。

 俺の知らない狂乱化ボスも居るみたいだな。


 狂乱化ボスの恐ろしい点は、馬鹿火力と高速攻撃が頭おかしい点だ。

 1度でも喰らえばお釈迦な癖に、意地でも攻撃を当てようと高速バトルを仕掛けて来やがる。


 だが――――


「【超新星】」


 ドッカァァァァァン!!!


 その隙を逃さずして、俺は『隕石爆弾』を投擲する。

 これは半径3.6センチの野球ボール並の大きさしか無いものの、この爆弾は猛スピードで飛来するし、着弾地点を周囲の廃ビルごと灰燼に帰す威力を誇る。


「キィィィィィィッッッッ!!!」


 突然上空に飛び上がって雄叫びを上げる。

 ファル=ガルダは俺達に見せ付けるように翼を大きく広げ、羽ばたく。

 それはまるで空の王者のようであり、見る者全てを威圧するような、重厚な覇気を放っていた。


[第二形態へ移行]


「お、第二形態行ったか」


 何度か狂乱化ボスと戦って分かった事がある。

 それは耐久面の強化幅がそんなに無いって事だ。

 もしかしたら、狂乱化は攻撃性能だけが超強化されるタイプなのかもしれない。

 でなければ、1撃で第二形態に入る事は無かっただろう。


「爆弾愛好家さん、凄いです!」


「えっ、あっ、そう? 照れるな――――っぶね!」


 直感が危ないと察知した瞬間、地面へと伏せる。

 すると、後方の廃ビルが崩れ落ちた。

 いつの間に突撃してきたのか、ファル=ガルダが瓦礫の中から眼光を覗かせていた。


「本当に油断ならねぇな!」


「キィィィィィィッッッッ!!!」

「【超新星】ッ!」


 俺は再度突撃して来る事を見越して、『隕石爆弾』を投擲する。

 タイミングが良かったのか、大爆発を起こし、直撃したファル=ガルダが撃ち落されていく。


「キィィ……!」


[煌翼蜜喰 ファル=ガルダ【狂乱】を倒しました]

[『蒼き煌翼』を入手しました]

[『蜜喰の結晶』を入手しました]

[『魔水晶』を入手しました]

[20000HGを入手しました]

[ランク35になりました]


 ドスン。

 ドスン。

 ドスン。


「コケェェェェ!!!」


[炎冠鳥王 ガロ=スター【狂乱】]


「待て待て待て!」


 あ、マジかこれ。

 もしや、休憩させる気無いな?


「木こりちゃん、ひとまず逃げよう! キリが無ぇ!」


「はい!」


 やっぱ2人だけで狂乱化のボスラッシュとか無謀だっての!

 畜生、こんな状況じゃなければ木こりちゃんのデートを楽しめたのに!


「爆弾愛好家さん、1つ気が付いた事があるのですが……」


「走りながらでも良いなら聞くぞ!」


「私達、()()減っていますか?」


「……魔力?」


 改めて確認すると、確かに魔力が減っていない。

 俺はさっき、【超新星】を2回も使ったはずだ。

 それなのに、1ミリも消費していない……?

 バグな可能性もあるが、木こりちゃんも同じ状況なら、仕様の可能性の方が高いか。


 ――――それなら!


「【超新星】【超新星】【超新星】【超新星】!」


 ドッカァァァァァン!!!

 ドッカァァァァァン!!!

 ドッカァァァァァン!!!

 ドッカァァァァァン!!!


 俺は『隕石爆弾』を投擲しまくる。

 ガロ=スターは突然の反撃で回避しきれず、爆炎の餌食となった。

 鼓膜を劈く轟音を響かせ、ガロ=スターは塵と化す。


[炎冠鳥王 ガロ=スター【狂乱】を倒しました]

[『蒼冠鳥王の灼鎧』を入手しました]

[『蒼炎冠環』を入手しました]

[『魔水晶』を入手しました]

[20000HGを入手しました]


「爆弾愛好家さん、どうでした?」


「今も魔力マックスだ」


 俺達の予想は正しかった。

 魔力が()()()()()

 何度【超新星】を撃とうが、消費は無し。

 まるで、常時【狂暴走】みたいだ。


「これなら、狂乱化ボスに対抗出来そうですね!」


「むしろ、狂乱化ボス狩り放題なんじゃね?」


 魔力無限ならやりようはある。

 【超新星】撃ちまくって殲滅させまくったって良いな。


「それと同時に、皆さんとの合流を急ぎましょう。迷い込んだのが私達だけとも考え辛いでしょうし……」


「それもそうだな。俺個人の意見としては2人っきりの方が良いが、人数も増えれば情報も貰えるだろうからな」


 どうか、人ではなく狂乱化ボスとだけ出会いますように!

 はぁ……木こりちゃんマジ天使。


「呼んだかしら?」


「【超新星】ッ!」


 ドッカァァァァァン!!!


「ちょっと、それ味方ですよ?!」


 いいか、俺は「木こりちゃんマジ天使」と思ったんだ。

 誰もオカマ“エンジェル”なんざ呼んで無いわ!


「全く、爆弾愛好家ちゃんったら、愛情表現が過激なんだから……」


「ざけんなオカマ! せっかくのデートを邪魔しやがって!」


「え、私とデートしたいって?」


「言ってねぇよ!」


 つーか、俺の【超新星】受けて何で生きてるんだ。

 最早、お前が狂乱化ボスだろ。


「そうそう、ちょっと前に向こう側で他のプレイヤーと出会ったの。合流するなら早目の方が良いわよ」


「エンジェルさんはどうするのですか?」


「私は愛する皆を助ける為に各地を駆け回ってるわ」


 エンジェルはそう言うと、ウィンクして去っていった。

 2度と帰って来なくて良いからな!

 お願いだから!


単体火力と範囲火力のエキスパートが魔力無限になったら、そりゃ無双できますよね()

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