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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MeはCat
【第六章】厄災と動乱、その奔流

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【別視点】粛清

万事屋視点

『ヒート街』


 灼けつくような熱い日光が地面を焦がす。

 それでも荒くれ者達は酒を飲み交わし、目の前のプレイヤーを嘲笑う。


「こんな事をして、ただで済むとお思いですか!」


 磔にされているのは“賢者牧師”。

 腕に縛られる拘束具によって、一切の身動きが取れなくなっている。

 その前にわざとらしく歩くは“万事屋”その人だった。


「それはこちらの台詞さ。君達こそ、僕達に何をするって?」


「貴方方の暴行は、いつか天罰が――――」


 ドッカァァァァァン!!!


「あ、ごめん。手が滑っちゃったよ」


 その瞬間、周りのプレイヤー達はゲラゲラと一斉に大笑いが沸いた。

 この光景は、まるで公開処刑のようであり、必死に抵抗するプレイヤーを心の裏側まで嘲笑うかのようだった。

 これは『黒潮組』が良くやる()()方法であり、気に入らないプレイヤーを磔にして爆殺する手法が流行っている。

 勿論、流行らせたのは万事屋である。


「万事屋」


 ふと万事屋の背後から突如出現したのは“浪人”。

 彼は忍者のような格好をしており、口数が非常に少ない。


「どうだった?」


「ヒーローと赤月が接触した」


「うげ、このタイミングでか……」


 万事屋は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる。

 赤月は唯一自分自身を下した存在であり、最大警戒対象のプレイヤーとして認知していた。

 もし彼が西側に付くようであれば、今回の戦いは相当厳しいものになる。


「“やぶ医者”に()()の製造を急がせろ」


「了解」


 『黒潮組』、『荒波海賊団』からの移籍組、やぶ医者の兵隊でも戦力が足りない。


 やはり大局を分けるのは――――


「お困りのようね」


 優雅に歩く音が響く。

 その足音に目を向ければ、そこには“亡霊マダム”が居た。


「ここに君が居るって事は……参戦してくれるって事で良いんだね?」


「えぇ、これを機に表で暴れるのも良いと思いまして」


 彼女は『彼岸会』の会長にして謎多き人物。

 というのも『彼岸会』自体が秘密主義であり、情報統制を徹底している勢力だ。


「良く言うよ。借りを作りたいだけだろ?」


「うふふ、見抜かれてしまいましたねぇ」


 全く動揺を見せず、恍惚とした表情で笑う。

 彼女の言っている事が、どこまで本当でどこまでが噓なのかすら分からない。

 言ってしまえば、胡散臭い。


「まぁ良いや。君達が参戦してくれるなら百人力さ。健闘を祈っているよ」


「まぁビックリ! あの非情な万事屋さんが「健闘を祈っている」ですって!」


「罵倒の方が良かったか?」


 万事屋は少し青筋を立てながらも、今保有している情報を亡霊マダムに話す。


「なる程~お相手は猛者2人ですか。2人同時は厳しいものの、1人だけなら足止め可能だと思いますよ」


「それは心強いね」


 亡霊マダムも『彼岸会』の会長をやっているプレイヤーであり、彼女も猛者に匹敵する実力者と見て良い。

 むしろ足止めすら出来ないようだと、戦力としては不十分だと言わざるを得ない。


「所で、今マヨ船長は何をやられているので?」


「あちら側に着いたよ。あの馬鹿は最後の最後まで抵抗するようなプレイヤーだからね」


 マヨ船長は猛者にも届きうる強者。

 だが良くも悪くも諸突猛進するタイプであり、自分の決めた事は絶対曲げない。

 一度抵抗を決めてしまえば、もう仲間に引き入れる事は無理だろう。


「それは残念ですね……彼女が味方になってくれれば、どれ程良かった事か……」


「こればっかりは仕方ないね」


 ゲームをやっていけば、気質の合わないプレイヤーも居るものだ。

 たまたま、それが彼女だったというだけの話。


「今や彼女は僕達の敵になった。向かって来るなら、容赦無く叩き潰すだけだよ」


 万事屋はマヨ船長を倒すと冷酷に宣言する。

 例え相手が誰であろうと、敵対する者は粛清を受けなければならないのだ。


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