冥灯の舞踏
「キェェェェェ!!!」
アニマ=ドミナの腕が蒼白色に染まる。
蒼白なるエネルギーの刃を形成し、そのまま俺達に向かって飛びかかった。
「……っと! 結構……素早いな!」
体格の割に素早い動きで動き回ったかと思えば、一瞬の隙を狙って切りかかって来る。
蒼白の刃か――――
絶対、吸収の状態異常あるだろ。
「――――ふんっ!」
マヨ船長は『解放の錨』を片手に振り回す。
その一撃は非常に重く、アニマ=ドミナは思わず怯んだ。
「キッ……!」
バキュン!
バキュン!
バキュン!
その隙を逃さず蒼白なる弾丸を撃ち込む。
「キェェェェェ!!!」
ふとアニマ=ドミナの身体が震え出す。
すると、身体から人魂が次々と飛び出して来た。
多くの人魂は揺らめきながら、俺達に向かって飛来する。
「【天下無双】」
マヨ船長はその人魂を前にしても、避ける事すらしない。
むしろ、関係無いとばかりに正面から突っ込んだ。
「キッ……!?」
「はあっ!」
多くの人魂を突っ切った彼女は、そのまま『解放の錨』を振りかぶる。
再度アニマ=ドミナは怯む。
俺は『割れやすい機動弱化ポーション』を投擲して、ボスの厄介な素早さを封じた。
「面白い物を持ってるな」
「お前こそ、豪快な戦い振りじゃねぇか」
マヨ船長の戦い方は典型的な戦士タイプだな。
その様子からして、軽い攻撃など彼女の前では有効打にならないだろう。
自己バフをガン積みし、圧倒的なステータス差で潰す。
俺のように回避する必要すら無い脳筋戦法だ。
「キェェェェェ!!!」
「一瞬目瞑れ、マヨ船長。駄目押しだ!」
ピカッ!
俺は『割れやすい閃光ポーション』を投げる。
周囲が閃光で満ちた瞬間――――
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
『魂縫双銃』を連射した。
何度も何度も蒼白なる弾丸を撃ち込む。
「キェェェェェ!!!」
アニマ=ドミナが叫ぶも、俺達の猛攻が止む事は無い。
「【破竹ノ勢】」
マヨ船長は目眩を起こしたアニマ=ドミナの後ろに回り込み、『解放の錨』を振り下ろした。
「キェェェェェ!!!」
「どうした、俺達を昇天させるんじゃねぇのか?」
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
バキュン!
確かに素早い動きと避けにくい人魂の群れは厄介だったのだろう。
だが、動きを封じてしまえば問題無く狩れる。
俺達が相手じゃなければ、ここの主で居られたのかもな?
「キェェェェェェェェェェ!!!」
先程よりも大きな咆哮を上げる。
そろそろ第二形態か。
どうせなんだ、手札は全て出せ。
お前の全てを持って抗ってみせろ。
「キェェェェェェェェェェ!!!」
ふと、アニマ=ドミナの身体に青の光が集まっていた。
叫びは雄叫びとなり、雄叫びは咆哮となり、咆哮は悲鳴へと変わっていく。
「何だ……?」
いつの間にか、アニマ=ドミナの身体から青い水晶が生えていた。
その姿はまるで――――
「キェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」
[エリアボスが狂乱化しました]
[冥灯蜘蛛 アニマ=ドミナ【狂乱】]
[第二形態へ移行]
アニマ=ドミナの身体から常に青の人魂が溢れていた。
その刃でさえも、蒼白から青へと輝きを増している。
「へぇ……!」
そう来たか……!
やってくれるじゃねぇか、アニマ=ドミナ!
普通のエリアボスは少し物足りないって思ってたんだ。
最高だぜ、蜘蛛野郎!
「狂乱化……何だあれは?」
「知らねぇのか? ここ最近、モンスターがあんな風に狂乱化し始めたんだ。所謂、強化形態って奴だな」
「強化形態――――思わず武者震いしてしまうな」
「ちなみに、ガチで強いから気を付け――――」
次の瞬間、青の斬撃が俺の頬を掠った。
たったそれだけで、俺の体力が大幅に削られる。
「はっは! 何て火力してやがる!」
「なる程、「ガチで強い」は誇張じゃないらしいな」
俺は上級体力回復ポーションを飲み干した。
対するアニマ=ドミナは魔力で構成された糸をフィールド中に展開する。
俺は適当なポーションを投げ入れた瞬間、ポーションが真っ二つに焼き切れた。
「電動糸鋸かよ」
当たれば即死級の電動糸鋸が張り巡らされている。
そんな状態で、迫りくる魔力の刃を寸前で回避する。
「【疾風迅雷】」
マヨ船長の動きが素早くなる。
アニマ=ドミナに対応する為、受け止める選択肢を除外したか。
それならばと、俺も高純度の『機動強化ポーション』を飲み干した。
「上等だ――――対応してみせる! 狂乱化に!」
バキュン!
バキュン!
バキュン!
俺は攻撃を回避しながら、蒼白なる弾丸を挟む。
少しでも回避方向やタイミングをミスれば、切り刻まれて即終了。
このヒリヒリ感がたまらんぜ!
「キッ……!?」
その一瞬、アニマ=ドミナは麻痺によって動きを止める。
「そこ――――」
「……っ! 駄目だ、マヨ船長!」
次の瞬間、無数の人魂が溢れ出す。
先程の比にならない程、マヨ船長に向かって穿つ。
「がはっ……!」
マヨ船長は大きく吹き飛ばされ、樹木に激突した。
あれ程のダメージ……後一撃でも喰らえば即死してしまう。
「キェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」
アニマ=ドミナは目にも留まらぬ速さでマヨ船長に斬りかかる。
「――――【覚醒解放】ッ!」
マヨ船長の武器遺物『解放の錨』に秘めるスキル。
【覚醒解放】は自身の束縛を一時的に解除するもの。
彼女自身の全ステータスを常に低下させる代わりに、【覚醒解放】をした後、全ステータスを取り戻し、その3倍分の補正値を得る。
強化時間は3分間。
その間のみ、蹂躙が開始されるのだ。
「キェッ?!」
迫りくる魔力の刃は容易に弾き飛ばされる。
「ここからはアタシのターンだよ!」
今度はマヨ船長が目にも留まらぬ速さで攻撃する。
アニマ=ドミナはその動きに対応出来ず、派手に吹き飛ばされてしまった。
それだけに飽き足らず、復帰を許さぬ猛攻がアニマ=ドミナを襲う。
「キェェェェェェェェェェ!!!」
「うるさい!」
「キェッ?!」
アニマ=ドミナは抵抗を試みるも、一方的に殴られてしまう。
それを見た俺はニヤリと笑みを浮かべ、『割れやすい機動弱化ポーション』を投げ入れた。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「キェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」
柔らかくなった装甲を、マヨ船長は連撃を叩き込んだ。
アニマ=ドミナは抵抗すら出来ず、呆気なくやられてしまった。
[エリアボスを撃破しました]
[冥灯蜘蛛 アニマ=ドミナ【狂乱】を倒しました]
[『冥灯魂衣』を入手しました]
[『青魂冥灯環』を入手しました]
[『魔水晶』を入手しました]
[20000HGを入手しました]
[ランク35になりました]
狂乱化を普通に対処してる……怖っ
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名前 『赤月の夜』赤月
階級 ランク35
所持金 75800HG(1700BP)
武器 魂縫双銃【魂吸収弾】
武器 魂縫双銃【魂吸収弾】
防具 縫魂礼装【魂枯渇転化】(紅砂のガンマン)
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】
装飾 嵐角雷環【嵐角誘雷】
ステータス
体力 290
魔力 185
攻撃力 100
防御力 30
素早さ 50
毒効力 1毎3(+1)
吸収効力 1毎2
麻痺効力 10%
自動魔力回復 1秒毎4(+1)
状態異常命中 +140%
状態異常耐性 +30%
職業
遺物調薬師 熟練度5
【遺物調薬図鑑】【脆弱化】【遺物調薬観察眼】【高純化】【調薬合成】
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