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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MeはCat
【第六章】厄災と動乱、その奔流

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ここは何処?

「不味いな……完全に迷子になってる」


 俺は今何処に居るんだ。

 『導きの電灯』を使っても暗いのは相当だぞ。

 それに何か知らんが、地図の表記も塗り潰されてる。

 元の場所に戻れる気すらしないな。


 ザッザッザッ……。


 ふと足音が聞こえた。

 何者かは知らんが、後を付けてるな。

 モンスターか、それともプレイヤーか。


「……………」


 ふと『導きの電灯』の光を消す。

 光が消えた事により、周囲に闇が満ちる。

 追跡者は『導きの電灯』を持っていないのか、焦るように足音を響かせていた。


 ピカッ。


「ま、眩しっ!」


「はい見つけた」


 俺の後を追跡していたのは、いかにも女海賊のような風貌をした女性プレイヤーだった。

 突然の光に思わず目を細めている。

 プレイヤーネームは“マヨ船長”か。


「何で後を付けてたのか、教えて貰おうか?」


「まさか、こんな簡単に見つかってしまうとは……」


「良いか。俺はこの光を消して『やみ森』中をガンダッシュし、お前を置いてけぼりにする事だって出来るんだ……全部吐いて貰おうか?」


「分かった、教えるって!  教えるからその眩しいの退けて――――まぶ、眩しっ!」


 分かれば宜しい。

 俺は光を退けた。


「全く、色んな奴と出会ってきたが、そんな脅し方をする奴はアンタが初めてだぞ」


「なら、お前の知り合いは相当可愛げがあるんだな」


「可愛げ……()()に可愛げなんてあるのか?」


「俺の予想だが、お前『セイレーン社』の連中だな?」


「……良く分かったな」


 そりゃ風貌と名前からして女海賊だからな。

 南の『セイレーン社』は噂話から、賊っぽいイメージを頭に浮かべていたんだ。

 そして俺の考える、まさしく『セイレーン社』のプレイヤーが目の前に現れた訳だ。


「何でまたこんな所に居るんだ?」


「それは……言わないと駄目か?」


「言わないとクラウチングスタートの構えを取るが?」


「分かった、ちゃんと言うよ。言うからその準備体操を止めるんだ!」


 何だ言うのか。

 今からガンダッシュしようと思ったのに。


「実は――――突然、あるプレイヤーの行方が分からなくなってな」


「バンダナとスカーフか?」


「そう、うちのバンダナとスカーフがうちの所から居なくなったから、新大陸中を探し回っ――――今何て言った?」


 やっぱりそうか。

 その風貌と名前からして、バンダナとスカーフが前所属していた『荒波海賊団』の者だな。

 俺の目に狂いは無かったって訳だ。


「バンダナとスカーフなら出会ったぞ。南から逃げて来たらしいな」


「逃げっ……! ……そうか、そうだったのか。そりゃそうだよな」


 ふとマヨ船長は寂しそうな表情を浮かべる。

 きっと心当たりがあるんだろう。

 南の横暴は噂話として広がってるレベルだ。

 その場所を嫌うプレイヤーだって出てくるはずだろ。


「アタシは……彼らに安全な場所を提供してやれなかった。本当に悔しいよ」


「確か『荒波海賊団』、『黒潮組』、『彼岸会』に勢力分かれてるんだっけ」


「そうだ。そして、アタシが『荒波海賊団』船長だ」


 新大陸に来てまで勢力争いか。

 ただ武勇を高め合うだけなら大好物だが、ドス黒い争いは好みじゃないな。

 ゲーム何だから、もっと気楽に遊べば良いのに。

 どうして人々は()()を忘れてしまうんだ。


「……2人に会わせてくれるか?」


「それは断らせて貰う。意地でも会いたいなら、自力で見つけるんだな」


 俺は彼らの意思を尊重している。

 南の連中が嫌で飛び出したのも否定しないし、それを傷付ける行動も取る気は無い。

 ただマヨ船長の行いを止める気も無い。

 彼女の後悔も分からなくは無いからな。

 その上で、いざこざは当人同士でケリを付けるべきだぜ。


「……ところで、ここの出方分かるか?」


「奇遇だな。アタシもそれをアンタに聞き出そうとしていた所だ」


「なる程、お互い迷子って訳だ」


「どうやらその様だな……この状況、不味くないか?」


「不味いな。凄く不味い。例えるなら珈琲くらい不味い」


 俺達はお互い格好付けているが、内心物凄く焦ってる。

 本当に焦ってる。

 ヤバい、本当にヤバい。


「もし……もしこのまま出られなかったら……」


「辞めてくれよ悪い冗談は」


 マジでどうしよう。

 今、汗ダラダラだよ?

 少なくとも元の場所に帰れないよな……これ。


「1つ提案なんだが……少なくとも『やみ森』から出られるまではパーティ組まないか?」


「そーだな……あぁ、そうしよう」


[プレイヤー マヨ船長からパーティ申請を送られました]

[承認/拒否]


 迷わず承認を押した。

 まさか、過去一緊張感のある旅になるとは思いも寄らなかったな……。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 静寂に包まれた『やみ森』に足音が響き渡る。

 これ程静かであるが故に、その音がやけに明朗に聞こえるのだ。


「ここは不気味なフィールドだな。地蔵に石灯篭、そして石畳か」


「やけに和風なんだな」


 ホラーはホラーでも、和風のホラーマップのようだな。

 『埋葬庭園』では洋風のホラーマップだったからか、ここらで味変してきたな?


 ボワッ。


「キャッ!」


「突然女の声出すんだな」


「失礼な! アタシは女だよ!」


 ふと人魂が現れた。

 蒼白の色をしており、ゆらゆらと揺れ動いている。


『生者よ、私の頼みを聞いては貰えぬか』


「報酬次第だ」


『報酬はここから出る方法だ』


「なんなりと聞いてやろう」


 それは魅力的な提案だな。

 迷子の俺達にとって、今一番欲しい宝とすら思える。


 ボワッ。

 ボワッ。

 ボワッ。


 突然、遠くからも3つの人魂が現れた。

 それぞれ角、羽、尻尾が生えている。


『彼らの中に、1人だけ噓を付き盗み食いをした者が居る。それを当てて欲しい』


「盗み喰いねぇ……彼ら口とか無さそうだけど」


「それを言っちゃお終いだろ」


 3つの人魂から、それぞれ声が響く。


『食べたのは羽の奴だ。間違いない』

『いやいや、食べたのは尻尾でしょ』

『ふん、俺は食べてないからな』


「……あ~これあれだ、噓つき問題ってやつだ」


 それぞれの証言から、誰が食べたのかを当てなければならない。


 もし角が食べた場合、「食べたのは羽の奴」ってのは嘘になるから羽が食べてない事になる。

 だとすれば羽は正直に話してるから、「食べたのは尻尾」が本当になる。

 これだと2人食ってる事になるから無いな。


 もし尻尾が食べた場合、「俺は食べてない」ってのは嘘になるから尻尾が食べてる事になる。

 だが角の「食べたのは羽の奴」が本当になるから、2人食ってる事になる。


 とくれば、もし羽が食べた場合、「食べたのは尻尾」という証言が噓になるから尻尾は食べてない。

 尻尾の「俺は食べてない」も本当だし、角の「食べたのは羽の奴」も本当になる。

 そして、1人が食べてる事になる訳だ。


「食ったのは羽の人魂だ」


『私は――――』


「キェェェェェ!!!」


 どこからか奇声が響き渡った。

 すると――――


『きゃぁぁぁぁぁ!!!』


 羽の人魂は謎の()に引っ張られて闇に消えていった。


「あの人魂、大丈夫なのか?」


『あぁ、ここの主を怒らせてしまいましたか』


「ここの主?」


『ありがとうございます。お礼にここから出る方法をお伝えしましょう』


 突如として、暗闇が開けていく。

 その先には、()()の怪物がこちらを睨み付けていた。


『ここの主に喰われる事です。昇天すれば、この世界から脱却出来ます』


「はっ! くだらないね! それなら、後ろの主とやらを昇天させてやるよ!」


「キェェェェェ!!!」


[エリアボスが出現しました]

[冥灯蜘蛛 アニマ=ドミナ]


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


名前 『赤月の夜』赤月

階級 ランク34

所持金 55800HG(1700BP)

武器 魂縫双銃【魂吸収弾】

武器 魂縫双銃【魂吸収弾】

防具 縫魂礼装【魂枯渇転化】(紅砂のガンマン)

装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】

装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】

装飾 嵐角雷環【嵐角誘雷】


ステータス

体力 290

魔力 185

攻撃力 100

防御力 30

素早さ 50

毒効力 1毎3(+1)

吸収効力 1毎2

麻痺効力 10%

自動魔力回復 1秒毎4(+1)

状態異常命中 +140%

状態異常耐性 +30%


職業

遺物調薬師 熟練度5

【遺物調薬図鑑】【脆弱化】【遺物調薬観察眼】【高純化】【調薬合成】


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


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