↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/29

白石 紬 21

「騒ぐんじゃない。どうした? なにがあった?」さほど待たずして、扉は開かれた。姿を現した柏樹さんからは親の仇のような目で見られたが、間違いなくぼくの言葉に関心を持ってくれている。手に持った銃もぼくのほうへ向いていなかったし、心配ないだろう。いまならば。

「隣の店舗内で竹山さんが殺害されました。密室殺人です。誰も室内に入っていないのに、首を絞められて殺されたんです!」念のために銃を握っている手を掴んで訴える。

「痛ッ、いたたたたた。わかった、わかったから急かすな。傷が」

 撃たれた腕ではなかったのに、柏樹さんは身を捩って痛がった。大げさにいっているだけなのか、本当に痛いのか判断に迷う。

 どうしたんですか、と、一階ホールから声。竹山さんだ。もちろん、殺害された竹山さんではなくて、もうひとりのほう。ぼくが大声で騒いだから、なにごとかと心配したようである。どうしよう。事実を告げるべきだろうけど、話したら収拾がつかなくなるのは確実だ。

「なにがあったんですか!」再び問う声。いまにも駆けあがってきそうな勢いだった。

 掴んでいた腕を引っ張る。痛い痛いと騒がれたが、無視して〈アテナ〉店内へ柏樹さんを押し込む。

「どういうことだ?」と宍戸捜査官。

 すると早速状況を把握したらしく、柏樹さんが表情を一変させて、大股で偉そうに歩きはじめた。そして命じた。ステレオタイプな名探偵そのままの、うえからの物言いで。「現場確保最優先だ。白石くん、扉に鍵をかけろ」

 なにはともあれ、ようやくぼくのよく知る柏樹さんに戻ってくれた。鼻にはつくものの、嬉しい限りだ。

 指示に従い、鍵をかけた。一階ホールから問い続けている竹山さんには悪いけど、そうするべきだとぼくも思ったから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。