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白石 紬 08


 柏樹さんとの出会いは三ヶ月前。場所はJR九州鹿児島本線高瀬駅そばの路上だった。

 当時、京都の西大路通にあるフィギュアショップで働いていた〝一般市民〟のぼくが、正規ルートで九州入りできるはずもなく、それでも無事九州入りを果たすことができたのは、ショップ店長の顔の広さに依るものだ。

 ちなみに、九州入りした理由はシンプルで、『空き家に置き去りにされているレアフィギュアを回収してこい』と店長に命じられたから。

 ぼくは窃盗目的で九州に入ったのである。

 九州入りまでの道程は大変だったが、自衛軍や広域捜査官らの目が厳しい九州内での移動もまたなかなか大変だった。そんなぼくを最初に見つけたのが柏樹さんでなかったら、いまごろ捜査官に捕まって投獄されていたに違いない。僅差で出会った広域捜査官の二宮さんへ『撮影アシスタントである』と偽って説明してくれた柏樹さんには、感謝の言葉をいくら述べても足りないくらいだ。

 まぁ、そのあと、とんでもない事件に巻き込まれて九死に一生を得る体験をするのだが、無事帰宅できたうえに、こうして再度九州入りを果たすことができたのも、柏樹さんのおかげである。

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