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第9話② vsマンドラゴラ 捕縛

マンドラゴラはミイラ化した男の口から根を抜くと、アリスの方にその先端を向けた。

次の獲物は自分自身であることにアリスは気付いた。


その瞬間、マンドラゴラは別の根を準備する。

そしてアリスの口を目掛けて伸びてくるも、これをかわす。

かわされた根が、今度は壁に突き刺さる。


これを何度か繰り返しているうちに

「これは!」

とアリスはあることに気付く。


いつの間にか出入り口から離れた場所に追いやられてしまったのである。

これでは逃げることはできない。


「まずいわ…」

そう思った矢先に、根の襲撃が突如として止まったのである。

「どういうこと?」

突然の異変にアリスは戸惑ったが、

「チャンス!」

と思い、マンドラゴラの方向へと駆け出す。


距離を三分の一まで詰めた所で、左足首が急に動かなくなり、前方につんのめる。

「キャッ」

アリスはバランスを崩して転倒をするも、瞬時に両手をついたことで影響を最小限にとどめる。


視線の先の地面を見ると、土が盛り上がっていくのに気付く。

根が地中から出てくると同時に、アリスは慌てて体を起こして事無きを得る。


ここで、アリスは左足に起きた異変を確認すると、左足首に根が巻き付いていた。

足元の地面からすぐに巻き付いている様は、まるで鎖につながれたようだった。

「動けない…」

試しに左足を動かしてみるも、ビクともしない。


再びマンドラゴラの方に眼を移すと、今後は正面から根が伸びてくる。

「このままじゃ、避けられないっ!」

そう思ったアリスは、

「こうなったら、一か八か…」

と左手に力を込める。


それにより出現した光の剣により、足首に絡む根は見事に切断された。

そのあまりにも見事な切れ味にアリスは、

「よしっ」

と思わず喜びの声を上げた。


足が自由になったことで、そのままマンドラゴラに一直線に向かう。

そのまま剣を突き刺して終わりにするためだ。


向かってくるもう一つの根をかわし、マンドラゴラまで後少しの距離まで近寄る。

「もらったっ」

と思ったその時、背後から何かが右手首に絡まる。

その右手首に絡まっていたのは、マンドラゴラの根だった。


「斬らなきゃ」

この根を放っておくと厄介なのは、先ほど足首に根が絡まった時に痛感している。

左手を念じたその時、右手が急に持ち上げられた。


あまりにも突然のことにアリスは

「きゃっ」

と悲鳴を上げたその瞬間、数メートル上の天井まで右手ごと体全体が持ち上げられてしまった。


「なんなの?これ?」

自分の身に何が起きたのかわからず、思わず背後の根を見る。

その根は壁を突き破って伸びてきていた。

おそらくは初激でアリスにかわされ壁を突き破った根がUターンしたのではないか。

そうアリスは推測した。


「こんなことって…」

今の気持ちはマンドラゴラのまさかの攻撃に驚き半分、自らの認識の甘さに対する悔恨が半分だった。

すると、さらにもう一本の根が左手近くまで伸びてきているのに気付く。


「ここで左手まで封じられたら…」

それは、もう一本の剣も使えなくなり、抵抗する手段が奪われることを意味する。

そうはさせまいと、一生懸命左手を振り、何とか根を切断しようとする。

だが、根の方も切断されるのを警戒してか、アリスの手の届かない場所から一向に伸びて来ない。


そんな睨み合いが続いていると、左手に何かが巻き付いた感触がした。

「まさか…」

と思い、左手を見ると、前方から根が巻き付いていた。


「ああっ」

不利な状況に陥って、アリスは思わず絶望の声を漏らす。

自らの不注意で窮地に陥ったことが、落胆に拍車をかける。


その時、アリスの視界に入ったのは変わり果てた契約者の男だった。

「あきらめたら、本当に終わっちゃう」

ミイラ化したその姿を見て、本能的に生への執念を見せる。

しかし手首に巻き付いている根は死角にあり、手首を限界までひねっても届かない。


一生懸命足掻いている間にも、根は両足首・胴にも絡みついた。

これでアリスを縛っている根は両手首と併せて5カ所。

完全に動きが封じられてしまった。


「早く!何とかしないと!」

焦りを感じ始めると、今度は二の腕に違和感を感じ始める。

背後から肩を伝った根が、二の腕を這ってグローブの中に侵入する。


「ちょっと!何なのよっ!」

気持ち悪さから思わず腕を振ると、ポキッという音を立てて右手が軽くなった。


「えっ?」

思わぬ事態に右手首を見ると、絡みついていた根が折れていたのだった。


だが、こうして驚いている間にも根の侵入は止まらない。

根はその感触から肘から手の甲まで達し、さらには指に合わせて5つに分裂して伸びている。

指先まで達すると、さらに伸び続けてグローブを引っ張り始める。


「まさか…」

マンドラゴラの狙いがわかり始めた頃にはもう遅く、グローブは中から脱がされてしまった。

右手に巻き付いていた根があっさり折れたのは、グローブを脱がせるのに邪魔だから枯らせたのだった。


「そ、そんな…」

力を奪われ、意気消沈をしていると、今度は左手のグローブ内に侵入してくる。

今度は奪われまいと手を握って抵抗をした。

しかし、神様の力が宿っているのはグローブをすることで発揮され、内部から侵入されては生身の力しか出せない。

結局は根の力に負け、左手のグローブも外されてしまった。


攻撃手段を失い、アリスは抵抗する気力を失った。

そんなアリスにマンドラゴラは追い打ちをかける。

足首に巻き付いた根でショートブーツを脱がし、続けてグローブの時と同じ要領でストッキングをも剥いだ。


なおもマンドラゴラの責めは続く。

今度はワンピースの肩部分に根を巻き付かせると、そのまま腕の方へと伸び続ける。


「ちょ、ちょっと!止めてよ!」

アリスはマンドラゴラが何をしようとしているのかがわかり、顔色が変わる。

服までも脱がせにかかっているのだ。


アリスのワンピースはノースリーブゆえ、肩の部分があっさりと二の腕までずれ落ちてしまう。

そこに、マンドラゴラが下から根を伸ばして、アリスの右手首を再度拘束する。

そのままアリスの右腕を操って上に動かし、吊るされたような格好にする。

その途中で腕がワンピースの肩を通るように動かしたため、アリスは服の右側がはだけてしまった。


そして、左手も同じように操る。

両肩の支えを失ったワンピースはそのまま下へと落ちる。

根が胴体に巻き付いているおかげで、それ以上の落下はなかったが上半身は下着のみとなる。


「いやあーーーーーっ」

恥ずかしさからアリスは悲鳴を上げ、両脚をジタバタさせる。

するとポキッという音が胴の辺りから聞こえる。

一瞬だけのガクンとした感覚の重力を味わうと、はるか下の床でワンピースがパサッと音を立てた。

マンドラゴラは胴体の根を枯らせていた。

その根が折れたことで、胴の所で引っ掛かっていたワンピースが落下したのだった。


「あ…、ああ…」

服を脱がされて下着姿にさせられた屈辱に絶句し、思わず大粒の涙が頬を伝う。

完全に戦意喪失したアリスをよそに、マンドラゴラは責めを止めない。


根はさらにアリスの下着を上下ともに奪い取る。

これでアリスは裸になってしまった。

マンドラゴラの容赦ない責めに、

「も…う…、許し…て…」

とアリスは声を絞り出して懇願したが、マンドラゴラには届かなった。


通常の悪魔とは異なり、元が植物のマンドラゴラは感情を理解できない。

アリスが屈辱に泣いている姿など全く気にせず、作業のようにボディチェックを続ける。


そして、マンドラゴラはアリスの頭髪部に根を伸ばして滑り込ませる。

それにより、アリスの金髪ウイッグは外れてしまい、はるか下方の床にパサッと音を立てて落ちた。

これでアリスに変身していたものは全て剥され、元の白石イズミに戻ってしまったのだった。


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