表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/30

第5話 vsマンモン① 盗まれたチカラ

アスモデウスとの闘いに何とか勝利し、神社に向かうため屋根から屋根へと移動するユーリアは新たな悪魔の反応を感じた。

アスモデウス戦で肉体的にも精神的にも疲労していることもあって、できることなら無視をしたかった。

だが正義感の強い性格が災いしてしまい、そうすることはできなかった。

悪魔の反応がするのは、髪は明るい茶色、肌は色黒のいわゆるギャルという同年代の女性からだった。

今まで悪魔の風貌は自分よりも上の世代ばかりだったため、同年代の風貌をした悪魔に戸惑っていた。

この女性が悪魔であるという確証が持てないこともあって、背後からの不意打ちはせず、様子を見ることにした。

「こんばんは。こんな所で何をしているのかな」

ユーリアは空中から女性の目の前に着地して、話しかけた。

「何?その格好?マジでウケるんですけど」

好きでしている格好ではないだけに、その言葉にユーリアはムッとした。

「でも、そのブーツはカワイイなあ。サイズ合わなくても高く売れそう」

と言うなり、ユーリアに向かって重心を低くして突っ込んできた。

狙いはユーリアの脚であることは明白である。

この瞬間、ユーリアはこの少女に対しての疑惑を断定へと変え、心の奥で準備していた戦闘モードに切り替えた。

少女の突進を難なく左にかわすと、がら空きの左胸をめがけて左腕の剣を刺そうとした。

だが少女も体を反転させ、両手でユーリアの左腕を掴んだ。

それは、まるで剣の進入を防ごうと抵抗しているようだった。

(そんな事をしても・・・)

無意味だと思っていたユーリアだったが、次の瞬間信じられない事態が起こった。

左腕には悪魔を刺した手応えは感じられず、目の前には倒したはずの悪魔がいる。

それどころか左腕には神様から宿された力が感じられず、寒空の冷たい風を直に感じている。

ユーリアは左腕に装着していたグローブが失われて、素肌が露出していることに気付いた。

「へえ。この手袋けっこう肌触りいいね。高そう」

「え?」

こともあろうにグローブは少女の手に渡っていたのである。

「何、これは?」

ユーリアは予知せぬ出来事に動揺した。

こうして戸惑っている間にも少女は徐々に近づいてくる。

「くっ、ここは・・・、いったん」

すっかり混乱しているユーリアは冷静になる必要があると考えた。

すると数歩後ずさりをしたあと、踵を返して走り去った。

状況を一度立て直すための撤退である。


「それで、逃げ帰ってきた訳ですか」

ユーリアは神社に戻って神様に再会したが、神様は冷静というよりも冷たげだった。

「何なの?あの悪魔!何かグローブが消えちゃったんだけど」

まだ混乱しているのか、ユーリアはまくし立てた。

「それはマンモンという悪魔で、物に触れることで盗む能力を持ってますね」

「なーんで、そういうことを前もって教えてくれないの?」

ユーリアはまだ興奮が収まらないせいか怒ったような口調で神様を詰問すると、

「私だって誰がどの悪魔と契約したかとか全部把握できません」

と普段は温厚な神様にしては珍しく強い口調だった。

「だって神様なんでしょ?」

「はい。神様ですけど、それが何か?」

完全に開き直った神様に対して、とりつくしまもない。

「とりあえず今日は終わりにするから、変身を解除してよ」

とユーリアは提案をしたが、

「イヤです」

と神様はふくれ面をしながら、そっぽを向いた。

「え?」

神様の思いも寄らない言動に、ユーリアは驚いた。

「だってチヒロ君の失敗で大事な剣を盗まれたんですから、取り返すまで変身を解除しません」

「そんなーっ!」

神様の強制指示に、ユーリアは思わず声を上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ