52山
ミサとタマは来た道をのそのそと、帰って行く
来た時の足跡を見ながら戻る
タマの足跡に水がたまっている
「タマの足跡があるね」
「ある」
「鹿は帰ったかな?」
「もういない」
「そう、猪はいる?」
「いるけど、とおい」
「そっかー」
「熊や狼は?」
「もっと遠くにいる」
「よかった」
タマは山の方をじっと見る
「あっちに何かいるの?」
「うん、何かいる」
「何がいるの?」
「おおかみ?」
「怖いね、行かないでね」
「うん、行かない」
タマは来た道を歩いて行く
そのまま街道に出た
べちゃべちゃの、街道を街に向かって歩く
門が見える
ザックが手を振っている
「おかえり、ミサ、タマ」
「ただいまー、ザック、ポール」
「ざっく、ぽーる」
タマがザックとポールに近付く
くんくん
足を匂う
「タマ、いつも俺の足、匂うけど臭いか?」
「うん、くさい」
「そうか、ちゃんと洗うよ・・・」
ザックとポールは下を向く
「タマが言う、くさいは人間にはわからないから、大丈夫だよー、私も臭いって言われるもん・・」
「そうなのか・・ならいいのか・・・」
「タマの口の方が臭いよ」
「そうだな」
ざっざっざ、べちゃべちゃ
タマは地面の土をこねて遊ぶ
「今日はキノコ採れたよ、あと、鹿にあった」
「なに?、大丈夫か?」
「小鹿だよ、タマを匂ってたし、撫でたよ」
「しかいた」
「そうか、小鹿か」
「パンの匂いに釣られたのか、タマが居たからなのか、わからないけど、なんでか近寄って来た」
「珍しいな」
ザックは腕を組む
「じゃあ帰るね」
「ああ、またな」
手を振るザックとポール
ミサとタマは町に入る




