38門へ
のそのそと森の中を歩くタマ
背にはミサがのっている
「ありがとうタマ、楽だよー」
「うん」
草を踏みしめて歩くタマ
道が出来ていた
「タマ、帰り道わかるの?」
「うん、ミサの匂いある」
「そうなの?凄いね」
ミサはタマの背に乗ってキョロキョロと辺りを見回している
「こんなに森の景色を見て歩いたの初めてだよー」
「うん」
「タマはこの森に住んでたの?」
「ちがう」
「どこにいたの?」
「とおいところ」
「そうなんだ、タマはなんで喋れるの?」
「しらない」
「そうなんだ」
二人は森を出た
街道に出て門に向かって歩く
ガタゴト
荷馬車が追い抜いていく
御者が驚いていた
振り返りこちらを見ていた
馬も驚いていた
町の方から数人が歩いてくる
「あれは、なんだ?」
「女の子?」
「カバ?」
「カバ?」
話をしているのが聞こえた
「だれー?」
「冒険者パーティだよ、知らない人」
「そう」
パーティはすれ違う時もタマとミサを凝視していた
門が見えてきた
「タマ、あそこが町で門なんだよー」
「まち?」
「そう、町、人がいっぱいいておいしい物がたくさんあるよ」
「そう」
タマはドスドス歩いて行く
「早いよ・・」
「うん?」
「タマ、止まって、ザックとポールに話すから」
「うん」
門番のザックとポールがこちらを見ている
二人は話し合っている
ミサとタマはゆっくり門の二人に近付いた
「ただいまー」
「カバ!・・ミサ!・・カバ?どうした!このカバ!」
「拾ったー」
「・・・・拾ったって、お前・・拾うか?普通・・・」
ザックはポールと見合ってる
タマはザックとポールを見ている
「かわいいし」
「かわいいか?、かわいいよりデカいだろ・・」
「大きいけどかわいいよー」
「そうか・・・・でも町に入れていいか正直よくわからんな・・」
「なんで?ダメなの?」
「ダメじゃないけど、前例がないからな・・・大きいしな」
「馬も大きいよ?」
「う・・そうだな・・でもこのカバ暴れるかもしれん・・」
「この前、町中で牛が暴れてたよ、馬も暴れてたよ」
「う・・・そうだな・・そういう事もあるな・・うーん・・」
考え込むザック
「じゃあ、小さいならいいのかな」
ミサはタマから降りた
「タマ、小さくなって」
「うん」
ぽん
タマは小さくなった
「・・小さくなった?・・なんだこれは・・うんって言ったな・・・」
「・・・・・・」
ザックとポールはタマを見て固まった
ミニタマはザックとポールの足の匂いを嗅いでいる
ミニタマを見ながら二人は固まっていた
「だれー?」
「ザックとポールだよー」
「ざっく、ぽーる」
ザックは顔を顰めた
「・・・・話すのか?・・」
「うん、喋るよ、かわいいよねー」
むぎゅ
ミサはタマを抱き上げて、顔を付けて抱きしめる
「もうわからん・・多分大丈夫だろう・・一応エレナに報告な・・」
「・・・・・・」
「うん、お疲れー」
ミニタマを抱いてミサは町の中に入って行った
「カバって喋るのか?」
「知らん・・・」




