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魔女の呪いで転生十回目! エリスティア・オッペンハイムは今度こそ婚約破棄して悠々自適に暮らしたい  作者: ゆずまめ鯉


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四十八話「【祝】初めて結婚することになりました!」

 慌ただしく準備に追われること十日弱。一日でも早く式を挙げたいという王太子の強い要望で、新郎新婦の衣装、招待客への通達、式場の飾りつけや食材の手配、警備など次から次へと決める必要があった。側近や使用人は休みなく働き、大変そうにしていた。

 そして、いよいよ迎えた結婚式当日。王都ヴァランクールの大聖堂にて、王太子であるアルディオン・ルーエンベルクと私、エリスティア・オッペンハイムは結婚式を挙げる。婚約が決まってからは十六年経っているので、王太子は感慨深そうだ。

 腕のよい張り子が、一針一針丁寧に縫った純白の衣装を身にまとい、大司教の前で誓いの言葉を交わす。結婚式の後は、シルヴァーフォード城へと移動し、ジェフリー国王陛下に王太子妃として任命されるので謹んでお受けする流れだ。

 控室で着替えてから大聖堂に足を踏み入れると、国王陛下の隣には、朗らかな雰囲気で周囲を和ませてくれる、三人目の王妃がにこにこしながら座っていた。再婚したのは三年前。

 王都の市場で野菜を売っていたところ、偶然、通りかかった私服姿の国王陛下の手が当たり、あろうことか売り物を落として踏んでしまった。ところが、彼女は嫌な顔一つせず、陛下の靴が汚れたことを真っ先に心配した。貴族だろうが庶民だろうが、彼女は誰が相手でもそうなのだという。

 そんな彼女の裏表のない部分に惚れた国王陛下が、足しげく通って口説き続け、交際に発展、やがて結婚することになったという。王太子との関係も良好で、継母というよりも六つ年上の三十歳だからか姉のようだ。

 王太子には二歳になる弟と、生まれて間もない女児の妹がいる。弟妹を人一倍、可愛がっている。


「エリスティア。緊張してる?」

「まったく。アルディオン様は?」

「……少しだけ、な。でも、綺麗に着飾ったキミを見ていると、緊張よりも高揚感が増してきた」

「ありがとう。アルディオン様も、一段と素敵ですよ?」

「……や、やめてくれ。キミに褒められると、口元が弛むから……」

「ふふ」


 ちょっとした会話を繰り広げながら、結婚式は滞りなく進行した。

 オッペンハイム三兄弟は、それぞれ妻子がいるというのに、不機嫌そうな面構えなので笑ってしまった。結婚してもぶれることはないだろう。逆に安心してしまうほどだ。犬猿の仲というわけではなく、ただなんとなく面白くないだけなのかもしれない。


「これから、末永くよろしく頼む」

「こちらこそ。朝は弱いですし、食欲はアルディオン様よりも旺盛ですけど、どうか引かないでください」

「引くもんか!」


 大勢に祝福されて結婚式を無事に終え、そして徒歩でシルヴァーフォード城に移動すると、王太子妃となった。


「おめでとうございます、お嬢様!」

「おめでとう、エリスティア」

「ありがとう。エリーゼ、ルシフェル」


 エリーゼは、恋人だったルシフェルと三年前の二十三歳でめでたく結婚し、子どもを産んで育児に専念するようになってからも、こうして頻繁に顔を会わせている。夫であるルシフェルは、現在も私の護衛のままだ。侍従ではない今も、近くに住んでいるので、一緒に昼食を取っているし寂しくはなかった。

 エリーゼの代わりに従者になったシシリーは、オーガストの妻の妹だった。シシリーは伯爵令嬢だというのに、私をひと目見るなり志願してきた変わり者だ。妹がほしかったと言っていた。ちなみに同い年だ。

 私の世話を楽しそうに焼いているので、『婚期が遅れてもいいの?』と質問すると、そういうものはタイミング次第だからと言っていた。それもそうだなと納得した。

 婚約者ができても、振り回して別れを切り出されるらしい。シシリー自体は変わり者だけど、美人だし、気さくなのでそのうち出会えるだろうと見守っている。


「今日からここがキミの部屋だ。狭くはないか? 服や家具は好みのものを揃えたつもりだけど、どうだ?」


 公爵邸の自室よりも数倍広くなり、茶色で統一された値の張りそうな調度品が程よく配置されている。ベッドに鏡台、棚、机に椅子、それから白や茶、黒、桃などの色をした洋服が何枚も用意されていた。


「いいですね」

「ほしいものや、足りないものがあれば遠慮なく僕や側近、従者に言ってほしい。専用のオーブンがほしいとか、調理場がほしいとか、食材がほしいとか、そういうのがあればすぐに手配する」


 ここで私が『うん』と頷けば、有言実行することくらい承知だ。だから、あえてそのままにした。


「わざわざ作らなくても、空いている時間に借りるだけで十分ですよ」

「そうなのか?」

「はい。新設しても、毎日は使いませんからね。さすがに勿体ないです」


 どうにかこうにか、私の意見に耳を傾けてくれたので今回ばかりは助かった。時々、譲らずに強行されることがある。財源は無限にあるわけではないので、なるべく無駄遣いはさせたくない。


「またキミの作るジンジャーブレッドが食べたい」

「あとで作ります。手伝ってください」

「お安い御用だ」


 一日で済ますために予定を詰めたので、少し休んでから、調理場を借りることにした。

2026/5/8 現在は50話を推敲しています。まだ最後まで書いてなかったので明日までに終わるといいな。

もう少しだけお付き合いください。

推敲は一度しただけなので、タイトルやらなんやら後から色々と直す場合もございます。

よろしくお願いします。

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