内容変更を私が!?
晋太さんと話していると、いつの間にか
収録が始まっていた。
ゲームでも聞いたことのあるセリフなのに、なぜか
違うと感じる、ストーリーだって知っているのに…
何度見ても、こうやってアフレコしている仕事現場に
来ると、どうしたって緊張するし、昔から知ってる人達が
目の前で動いているし、会話しているのを聞くと
あたり前のことなのに驚く。
音響のことはわからない私からすると、ほんの少しの
違いなのに、吐息一つ、言葉の出だし一つにこだわる
声優の皆さんは、なんて仕事人間なんだ、と思わされる。
休憩にはいると、花乃井さんがブースに入ってきた。
「晋太さん、いるなら言ってくださいよ〜〜〜〜」
「なんで花乃井くんにいちいち言うのよ〜」
「えぇ〜〜、僕とあんな話とか、こんな話とか
色々あるじゃないですか〜〜ねぇ??」
「やだちょっと、怪しい雰囲気出さないで」
「なんて失礼な晋太さん…」
「はははっ、相変わらずお二人仲がいい」
「ちょっと、庵ちゃんどこ見たらそうなるのよ」
「いや、晋太さんそれはひどくないです??え??」
「ははははっ」
相変わらず、アホそうな二人(失礼)を見て
なんだか心が和むなぁ、なんて考えつつ、さっき
気になったことを花乃井さんに言ってみた。
「そうだ、やっぱこう生でアフレコ聞くと、ゲームで
話知ってるのになんだか違うふうに感じますね?」
「あ、庵ちゃんゲームしてるんだ!
うーーん、そうだねぇ、それはたぶん”間”の
問題もあるんじゃないかな?」
「”間”ですか…?」
「ゲームってさ、ゲームをする人が画面をタップして
シナリオをすすめるじゃない?だから、僕たちが考えてる
このテンポで進めてほしいっていうものと、やっぱり
少し変わってくるんだよね。だけど、アニメだとこっちの
間で進められるから、ここを伝えたいんだ、っていうのが
わかりやすくなるのかも」
なるほど。たしかに、早く読んでしまおうと思ったら
タップも早くなって、セリフは聞くけど、”間”なんてもの
考えたこともなかった。
「本当は僕が画面タップして進めてあげたいくらいだよ!」
そう熱く語る花乃井さんを見ながら、少し面白くなった。
(花乃井さんが、みんなの画面をタップしてたら
それはそれで面白いな…)
「すみません、晋太さんちょっと」
花乃井さんと話していると
晋太さんが、呼ばれる声が聞こえた。
「庵ちゃんも、ちょっといい?」
「私もですか?」
なんだなんだ、と呼ばれてみると…
「えぇっ!?今から変更ですか!?」
ここの作画が間に合わなくて、と言われ、慌てる。
しっかり準備しすぎて、他の場面まで間に合わなく
なってしまったらしい。確かにこのシーンに
力を入れてるのは、分からなくもないけど…
「庵ちゃんさ、こことここのシーン内容大きく
変えすぎないでうまくつなげることってできる?」
「わ、私がですか!?!?」




