あとがき
最後までご覧くださり、ありがとうございます。
完結いたしましたが、皆様の考える最終話になっていた自信はあまりなかったりします。申し訳ありません。
書きはじめたきっかけは、悲恋書きたい→でもハッピーエンド推奨派→なら両方、という感じでございます。ゆえに、悲恋であり、ハッピーエンドだと書き手的には思っております。
率直に申し上げれば、最終話のその後はハッピーエンドです。
時代を超えた粘着男がバッドエンドにするはずがありません。しかしながら、二人が結ばれるまでは攻防戦が続きます。穏やかな幸せを求めるハンナと、なにがなんでもハンナと結ばれようとするフィロンなので……。二人の愛の強さは同等だったとしても、考え方に隔たりと温度差があります。それはやはり、わかれ方に起因しています。
ハンナについて。
ロマンス系を突っ走るかと思いきや、彼女は新たな人生で、恋愛以外の別の幸せを知りました。ともすると、アリストフォンへの愛はあれど、別に無理してくっつこうとは思っておりません。
彼女のモデルが、某大物女優さんであることがこの考え方の理由です。彼女が言った言葉は印象的でした。
「生まれ変わったら、もう出逢いたくありません」
それは、彼女の今までにこう思った理由があったのではないかと思います。
同じように、ハンナもです。
今のハンナの目標は、花屋をつぐため、婿をとること。
だからこそ、攻防戦になります。
決着がつく理由は、よくも悪くもフィロンがヤンデレだから。
彼女に幸せはくるのか――!? という、波乱万丈、うんざりしながら愛の溢れる未来になるかと思います。
フィロンについて。
前世で、最愛のひとを失ったことをきっかけに、ヤンデレ化しました。
アリストフォンのままならば、今世でハンナが屈することはないと思われますが、相手はフィロンです。今世で結ばれないなら、来世にかけるのもあり? と考えかねません。
今世に自分が存在する理由は、ルクレティアと結ばれるためだと思っているので、彼がぶれることはないのでは、と。王族としての責務より、恋を優先しそうです。
そんな彼は、またまた後世に名を残します。街娘と恋に落ちた王子として。
彼に仕える者や兄王子たちはうんざりとびっくりの連続だと思います。
目指せ某英国の元王子だと思っております。
青い薔薇について。
最初、西洋=薔薇というイメージゆえに薔薇を使用しました。
私個人、花言葉や石言葉が好きなため、度々こういったなんたら言葉を用いたネタを使うと思います。別作品でも、クローパーの花(?)言葉を使用しております(隠れで石言葉も)。
そんなこんなで、花=花言葉という印象が強いものの、花言葉の存在は一つの文化なんだなぁ、と思った結果、前世ではあった花言葉ですが、今世の国には存在していません。
実は、薔薇以外に、紫陽花等も検討しました。が……花言葉が……なんとも不誠実と申しますか、どう捻ってもくねっても、物語に使いづらくて。
そんなこんなで、結局薔薇になりました。
転生ネタについて。
転生もの、好きです。
最初、ネタ帳にある別の異世界トリップものネタ(長編)を短くして使おうと思っていました。なので、今掲載されているものとの相違点は以下です。
・ハンナとフィロンが生まれ変わった世界は、魔法あふれるファンタジー。
・アリストフォンの今世 王子フィロンは優れた魔術師。
・前世とは違う世界に生まれ変わってしまった二人。フィロンは、ハンナが前世いた世界に生まれ変わっていると信じ込み、黒髪の乙女を異世界召還しては帰し、を繰り返していた。その噂は、城下にまで。
前世とハンナについては変わりありません。世界観が主に変わったかな、と。
しかしながら、中短編で異世界ファンタジーを書くには無理がありました。なにが無理かといえば、気軽に書く、という点。世界観を適当につくろうとしたら、どこまでが魔術の許容範囲か、制約はどうするか、魔法は体力と同等か否か、魔法があるなら科学技術は必要か、等の設定に煮詰まり、魔法ありのファンタジーは却下になりました。力不足で不甲斐ない次第です……。
総合しまして。
余韻を残す終わり方をしたかったため、ラブコメ路線一直線になる、二人の目があったその後を本編ページに更新することはありません。シリアス? なにそれおいしいの? になること間違いなしです。
やっちゃった感はあれど、後悔はしておりません。
最後までお付き合いくださった心広い読者様に、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。