ダンジョン
もうそろそろメインヒロイン登場させたいと思います!
ソレは、暫く世界を彷徨い死臭に満ちたダンジョンを見つけ潜った。
ソレは、自我の存在が曖昧で、風が吹けば消えてしまう蝋燭の炎の様に儚い。
ダンジョンは、遺跡型であった。
そして、ソレは何かを求めるように、スイスイと進み階段を降りていく。
やがて、最下層に着くと最奥に鎮座されてある、ダンジョンコアに入り込んだ。
––––––ドクン、ドクン。–––
ダンジョンコアが新たな憑代に歓喜しているかの様に脈打っている。
暫くすると、そこには禍々しい容貌の、自我を確立した存在が誕生していた。
「…この力。素晴らしい!! 私が此処から世界を頂く。」
ダンジョンの最下層に嗤い声が木霊する。
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悠は朝食を食べると、紅蓮の泉亭から街の中心部へ向かう。
中心部に向かうにつれ、屋台や、露店の美味しそうな香りが漂い出す。食欲を我慢して暫くすると、周囲を厳重に石壁で囲まれた場所に着く。
入口らしき場所には、大勢の冒険者が並んでいて、とても活気がある。また、その周りには臨時パーティ募集と書いてある紙を持って、歩いている冒険者も見える。
悠は列に並び、暫くすると入口に着く。衛兵に冒険者カードを見せて入場許可をもらう。
「なぁ、少し疑問なんだが、ダンジョンからモンス
ターは溢れてこないのか?」
「それはですね、選りすぐりの光魔法の名手さん達が交代しながら結界を張ってくれているからだそうですよ! 凄いですよね!」
「そうだったのか。此処を護っている衛兵の皆も、十分に凄いさ。それじゃあ、ダンジョンに潜ってくる。」
「ありがとうございます!! それでは、お気をつけて!」
入口は、荘厳な雰囲気の扉が正面にあり、右手には、踏破した10層毎に転移できる魔法陣がある。
悠は扉を開け、中に踏み込む。
中に入ると、外とは空気が違う。ダンジョンからは死臭がした。
ダンジョンは見た感じだと、遺跡型の様だ。
遺跡型のダンジョンは、罠は少ないがモンスターが強力になる傾向があるのだそうだ。
(まあ、罠があった所で、鑑定様が全て暴くけどな。)
悠は幅3メートルほどの道を、ゆっくりと進んでいく。道の横には蒼炎を宿したランプが等間隔でぶら下がっている。
(…お化け屋敷みたいだな。こういうのが苦手な人は1人じゃ来れないかもな。)
道なりに進むと、ランクEモンスターの、スケルトンが三体ほどいたので、軽鎧に魔力を流し隠密を発動させる。
少しずつ近づいていく。
彼我との距離は、もう5メートルほどだ。
悠は『アクセル』を、発動し光魔法を流したロングソードで首を刎ねていく。
スケルトンは首を刎ねると、骨の部分が砂の様に崩れ去る。後には、魔石と灰の様な物が残された。魔石を回収して歩き出す。
その後も、順調に進み8階層に達した所で、頭の中にファンファーレが鳴り響くが、気にせず進んでいく。11層への扉がある部屋に入ると、ボスモンスターが現れた。
相手はCランクモンスターの、グールだった。
グールは、ゾンビの、力や、素早さを強化した感じのモンスターだったが、簡単に首を刎ね倒した。
魔石を取ると、グールが先程まで居た場所に金色の宝箱が落ちていた。
恐らく、討伐時間を更新したのだろう。
鑑定をして、罠じゃないかを確認してから開けてみる。
[アイテム]
名称 空間魔法の秘伝書
効果・・空間魔法の適性があると、読んだだけで扱えるようになる魔導書。1度読むと、成功、失敗に関わらず効果は無くなる。
(これは…凄いもの拾ってしまったな。今日、宿に戻ったら早速試してみよう。)
15層くらいまでは、Eランクや、Dランクが多かったが、15層を越えた辺りから、チラホラCランクが混ざりはじめた。
数回レベルアップしたが、ダンジョンの中では確認しようとは思わない。
暫くして、20層に辿り着いた。
ボスモンスターは、Cランクのグールが五体だったが難なく倒した。『アクセル』を使い首を刎ねるだけの簡単なお仕事だ。
またも魔石を落とした後に、宝箱が1つ落ちていた。
開けてみると指輪らしきものが見え、鑑定してみると………
[アイテム]
名称 無限収納リング
効果・・無限にアイテムを収納する事の出来る指輪。1種類毎に重量制限はあるが、何種類入るかは無限。また、内部では時が止まっていて、生物は収納する事が出来ない。装備者から1メートル以内になら、何処にでも出し入れ出来る。
(……これが小説なんかでよくあるご都合主義か。)
心の中ではそう言いながらも悠は装備した。
効果を一通り確かめ満足すると、21層に繋がっている部屋にあった、転移魔法陣を使い外に出る。
「お疲れ様です! どうでしたか? お宝取れたりしました?」
「…いや。倒したモンスターの魔石だけだよ。」
(咄嗟に嘘を吐いたけど、この指輪の事は、信頼出来る人以外には話たくないな。)
紅蓮の泉亭に帰る途中、いつも通り肉串を購入した。
宿に帰ってから、セイントドラゴンに与えて魔力を注ぐ。光の属性魔力を与えると、嬉しそうに喉を鳴らす。とても癒されながら、ふと思った。
(…このドラゴン、名前つけてなかった…。これから呼びやすくする為に、名前は欠かせないよな。)
30分程名前を考えたが、妙案は浮かばず明日にする事にした。
悠は収納リングから、空間魔法の秘伝書を取り出すと読み始める。
空間魔法の秘伝書は、前世の広辞苑くらいの分厚さだったが、前世ではラノベばかり読んでいたのが功を奏したのか、辺りが暗くなるまでに読み終えた。
読み終えると、魔導書から魔力が流れ込んできて、空間魔法を魔力で理解させられた。
スキル欄を見ると、本当にスキルの欄に空間魔法Lv1が増えていた。
明日の午前に、空間魔法の検証でもして午後からはダンジョンに潜ろう。と思いつつ目を閉じると、今になって疲れが出たのか悠の意識は闇に飲まれた。
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–––28層–––
「インフェルノ!!」
まるで、燃え盛る紅蓮の焔の様に、赤く、緩やかにカールした肩ほどまである髪、紅いロッドを抱え、紅いローブを着用した冒険者らしき女が、魔法名を力強く口にする。
女の魔法は、燐光を迸らせながら業火を撒き散らす。女の美貌と相まって、炎神と言われても信じてしまいそうな程の迫力があった。
モンスターは、強力な魔法の余波だけで蒸発していく。中心部にいるモンスターは魔石以外、灰塵さえも残っていなかった。
モンスターを一頻り狩り終えると、女は30層の魔法陣に向け歩き出す。
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